魔法少女は鳳凰が如く01
基本ポーカーのルールは、テキサスホールデムですが、序盤は能力バトルになるので
知識がない方でも楽しめるようには配慮致します。
知識がある方は、物足りなさを感じるかもしれませんが、本を読んで勉強していきますので
どうか、お付き合いください。間違ってる等指摘などなどご意見頂戴できましたら幸いです。
あ~、シンガポールでも行ってポーカーをプレイしたいなー。
『魔法使い』、超常的な力を使う人たちの総称である。
個々により使える魔法は異なり、基本的に一人一つの魔法しか使えない。
その魔法の種類は遺伝差によるものが多く、同じ家系であれば同じ魔法が使えるのがほとんどである。
分類は多岐に渡り、透視魔法、未来予知魔法、瞬間移動魔法、物体引き寄せ魔法、念動力魔法などの他分類不能の魔法なども確認されている。
また、魔法は精神力や性格も反映されていると言われているので、同じ性質の魔法でも強さが異なったり、使用時間、効果範囲なども異なる。
彼ら、彼女らは13歳から18歳まで中高の魔法学校に通うのを義務付けられいる。
魔法と呼ばれるものが存在し、争いごとはポーカーで物事を決める
世界。
2024年日本、魔法教育機関の一つである女子だけの魔法学校、聖杯学園で物語は始まる。
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鮫島まる子はクラスでも、浮いた存在だった。
まず目を引くのが、真っ白な髪だ。肩で切りそろえられた、その髪はクラスでも
特に目立つ。ちょっと低めな身長の彼女は黙っていれば、お人形みたいと評価されるが、
彼女は『落ち着きが無い』、『思ったことをすぐ口に出す』、『忘れ物が多い』
『時間にルーズ』などの行動によって彼女は悪目立ちしていた。
クラスで彼女に話しかける者は無く、彼女は孤立しているように
見えた。
この魔法学校のひとつである、聖杯学園。通称ハートと呼ばれる学校に彼女が入学して
そろそろ1ヶ月になろうとしていた。
午前の授業は終わって、放課後。
クラスメイトである2人の話題は、まる子の悪いうわさについてだった。
「まる子さんこの間、また小テストで追試だったらしいわよ。もう5回も」
「この学校、文魔両道って感じで、魔法以外の普通の学力も力いれているからな~、それにしても、5回全てとはすごいな」
「そうよね、よく入学できたわよね。」
「でも、この間の試験はしょうがないんじゃないか、あれは難しかったぞ。私も追試だったし。あれっ?そういえば、まる子の姿が見えなかったけど」
「それなんだけど、まる子さんだけ別の教室だったのよ」
「なんでだ?成績が悪すぎて別だったのか」
「私もそうかな、と思っていたわ。この間の追試までは。たまたま、まる子さんが追試を受けている教室を通りかかったの。
ちょうど彼女が教室を出たところで、その後に校長先生が
教室を出ていったわ、たぶん校長先生が担当したのよ」
「へぇ~、わざわざ校長が相手をしたのか?ある意味すごいな」
「問題は、試験を監督したのが校長先生をいう事と、彼女が出てきた時間なのよ。そのあとにわかったのだけれど、彼女が終わった時間は追試が始まって5分程度しかたってなかったのよ。
追試の場所は違うけれど、不正防止等の理由で同じ時間に追試をしてはずなのに、彼女はたった5分で教室を出てきた」
「あれは、難しかったから。諦めたんじゃないの、アタシも時間ギリギリまでかかったからな」
「いいえ、点数はわかりませんが...彼女は合格していた」
「なんだそれ、追試の問題を簡単にしたか、不正をして合格させたぐらいしか、考えられないぞ」
「私もそう思う。不自然よ」
「でも、あの校長がか?あんまり考えられないが」
「校長先生が不正に関わっているとは、考えたくありませんが。まる子さんを特別扱いしている
のは事実です」
「何か理由があるのかね~」
「たぶん、学校の名誉のためだと思います。今まで、学校で落第した生徒はいないはず。学校側の体面を保つための行為だと思います。さすがに、まる子さんの学業成績は最下位とはいえ断トツで悪すぎます」
「まぁ、別にアタシたち魔法使いは、学業が本業じゃないからいいんじゃないか。結局ポーカーが
強ければいいんじゃないの」
「でも、彼女はポーカーも底辺を争う事になると思う。彼女の魔法分類は『魔法抵抗』系らしいわ。パッシブ型で、自分に影響する魔法を軽減するだけだから。ポーカーで勝てる能力では無いわ」
「そうか~、それじゃあ試験ぐらい不正もしたくなるよな」
「そんなの、関係ありません。不正自体いけないことです」
「まぁ、みんながんばっているのに1人だけ楽できていいな~」
このうわさは、すぐにクラスに広まり、まる子に対する風当たりが強まっていた。
それでも、直接的なイジメなどが起きないのは、元々学校には穏やかな生徒が多いことと、
1人の人物の影響があった。その人物はお昼になると、必ずまる子の教室に訪問していた。
教室の戸が静かに引かれて、その人物が姿を現す。
「失礼致します」
礼儀正しい、上品なお辞儀をして、『小鳥遊小鷹』が教室に入るとクラス中がざわめく。
「クィーン、いらっしゃいませ」
「お姉さま、たまには私たちとお昼致しませんか?」
「クィーン」
「小鷹クィーン」
小鷹は、優雅な笑みで彼女達を応えて、まる子の机の前に辿り着く。
「まる子さん、お昼に行きましょう」
「ん、お腹減った」
まる子は、だるそうに席を立ち。小鷹と一緒に教室を出て行った。
「あーあ、またクィーンをお昼に誘うの失敗した~」
1人の女生徒がつぶやく。
「でも、なんでうちの学校の『天上位』序列第3位のクィーンが、まる子さんなんかと」
「なんでも、まる子が入学する以前にはもう知り合いだったらしいよ」
「そこだけは、まる子さんがうらやましいわね」
小鳥遊小鷹は、生徒会役員で役職は会計である。生徒会の権限は学内外とわず高いと言われている。
それゆえに、生徒会は狭き門であり、学内の上位5名が生徒会に指名される。
学校内の上位5名とは、ポーカーが強い順であり。自身の魔法、精神力、知力を振る絞り『天下一生徒会総選挙』を勝ちあがった者が、『天上位』の地位を獲得し、
その一週間後に『天上一決定戦』で序列が決定される。
天上位序列1位
通称『エース』学内最強の魔法少女とされ生徒会会長を任命される。
現在は、『鳳凰院 可憐』入学以来5年間、生徒会会長を続けている、
最強のエース。
固有魔法は『絶対零度-459.7F』
天上位序列2位 通称『キング』学内のナンバー2。
生徒会副会長を任命される。
現在は、『豪田 幸恵』可憐と同じく入学以来、副会長を勤めている。
固有魔法は『シュレーディンガー招き猫」
天上位序列3位 通称『クィーン』学内のナンバー3。
生徒会会計を任命される。
現在は、『小鳥遊 小鷹』元々は魔法学校の一つ『聖剣学園』からの転入生だが、入学してからの初めての総選挙で勝ちあがり2年間連続序列3位を死守している。
固有魔法は『ラプラスの魔眼』
天上位序列4位 通称『ジャック』学内ナンバー4。
生徒会書記を任命される。
現在は、『佐川 ねここ』1年前に可憐の使用人に雇用されると同時に、学園に中途入学。
固有魔法は『ホップステップジャンプ』
天上位序列5位 通称『テン』学内のナンバー5。
生徒会庶務を任命される。
現在は、前任者が家庭の事情で海外に引越ししたため、空席。
序列1位から4位までは、総選挙ををせずとも『天上位』の権利はもつが、
『テン』のみシード権は無く、『天上位』に残りたければ、総選挙を勝ちあがるしかない。
また、決定戦でビリの5位にさえならなければ、次回は総選挙をパスすることができる。
これらのシステムは、上位の魔法少女の序列がほぼ変動しないことに
よる。
『テン』のみ毎回変動はあるものの、上位陣の序列は不動である。
まる子と小鷹は、まる子が入学してからは毎日、生徒会室で昼食を取っている。
他の場所で食べると、周りが騒がしく落ち着けないと小鷹が言い出し、生徒会室なら一般生徒が立ち入らないということで利用している。
まる子は生徒会役員ではないが、小鷹の権限で利用させてもらっていた。
「はい、まるちゃん」
小鷹が用意した、お弁当が机に広げられる。
様々なおかずがあり、栄養だけでなく、見栄えく手間がかかったお弁当だった。
「いただきます」
「召し上がれ、今お味噌汁も入れるね」
まる子は、ガッガッと食欲のままに食べる。
あまりにも、食べる勢いがあり咽に痞えてしまい、手を伸ばすと
待ってましたとばかりに、小鷹がお茶を差し出す。
「ふぅ~、食べた。だるいので寝る」
早々と食べ終わり、そう宣言して座っていたソファーに寝転がる。
「うん、時間になったら起こすね」
小鷹は、薄手の毛布をまる子に掛けてから、自分の残りのお昼を済ませて後片付けをし、本を取り出し読書を始めた。
しばらく、すると生徒会室の扉がノックされた
「はい、どうぞ」
「やはり、ここにいたなクィーン」
入ってきたのは、学園最強の魔法少女エース『鳳凰院 可憐』、その人だった。
「カレン先輩が、この時間に生徒会室にいらっしゃるのは珍しいですね」
「ちょっと、聞きたいことがあってな...」
可憐は、まる子を横目で一瞥する。
「すみません、ソファーを占領してしまいまして」
「ああ、それは別にいいんだが」
「それで聞きたいこととは?」
可憐は、悩んだような顔をしてから、思い切ったように
声を発した。
「お前はそこの鮫島まる子と付き合いは長いのだろ」
「4年が長いかどうかは、わかりかねますが。そうですね、まる子さん
とは親しくさせていただいてます」
「では、率直に聞こう。鮫島まる子は『ジョーカー』なのか?」
書き貯めも無く、開始しますが、できるだけ毎日更新します。
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