セシリア、詐欺の詳細を聞く
「因みにその詐欺はどういう内容なんですか?」
「私も細かい部分は知らないんですが、『植物の種』を購入したそうなんです。なんでも『この種を育てて花を咲かせれば土地が豊かになる。』って言われたそうなんですが・・・・・・。」
実際はそうでは無かった、と。
何故かわからないけど、ちょっと気になったので後日、私はベルモンド家へ行ってみる事にした。
ベルモンド家
「セシリア様! ルーシャが迷惑をかけて申し訳ありませんでしたっ!!」
「既に和解してますし、もう気にしてませんから。」
ベルモンド家にやって来て名乗ったらいきなり土下座されました。
土下座をしているのが現ベルモンド家当主でルーシャのお兄様である『カトリス・ベルモンド』様。
その顔は疲れきっているみたいで無精髭も生やしてらっしゃる。
相当苦労されてるのがわかる。
「ルーシャも心配されてますよ。」
「アイツは勘当された身なのに、それでも今でも家の事を心配してくれてる・・・・・・、本当は優しい子なんですよ。ただ世間を知らなすぎたんです。現実がわからなかった・・・・・・、俺が忠告していれば良かった・・・・・・。」
涙ながらに語ってくれた。
仲の良い兄妹なんだなぁ、とわかる。
「それで・・・・・・、詐欺にあった、っと聞きましたが。」
「情けない話です。親父から家督を継いで気合いを入れて頑張ろう、と思った矢先の出来事ですから・・・・・・。」
そう言ってカトリス様は棚から袋を持って来た。
「友人から『これは珍しい花の種で、この種を育てて売れば結構な金になる。』と言われて大量に購入して育て始めたんですが・・・・・・、他の作物が育たなくなり、土地が荒れ始めたんです。他の作物をもう一回植えてもすぐに枯れてしまう。しかも花は咲いたとしても3日も経たないうちに枯れてしまうんです。おかげで今では何も育たない土地になってしまいました・・・・・・。」
確かに庭を見てみると、此処だけ飢餓が起こっているのではないか、という感じの状態だった。
「ご両親はご存じなんですか?」
「いえ、知りません。今は田舎に引っ越して隠居生活をしていますが・・・・・・、この現状を知ったら嘆き悲しむでしょう。」
はぁ、と深いため息を吐くカトリス様。
「その種、少し分けてもらえませんか? ちょっと調べてみます。」
私はカトリス様から種を分けてもらった。