セシリア、山道を歩く
ガサッ
ガサッ
「本当に誰も来た事がないのね・・・・」
全く整備がされていない、所謂『獣道』を私は歩いていた
草もぼうぼうだし、見渡す限りの木々
進んでいるのか迷っているのかわからない
でも、何故かわからないけど足が勝手に進んでいく感じがする
風が案内してくれている様な気がする
それでも、夜道はやっぱり危険なので、適当な場所で野宿をする事にした
「何処か開けた場所は無いかしら?」
見渡してみるけど真夜中だから景色がわからない
「しょうがないわ。此処で野宿にしましょう」
私は荷物をおろして、地面に持って来たシートを敷いた
持って来た食料からバナナを手に取り食べ始めた
一応パーティーで食事はしたけど、怪しまれないようにしていたからそんなに食べてはいない
「夢みたいね・・・・」
今日までの貴族としての生活が夢だったのか、それとも今が夢なのか・・・・
どっちみち決して良い夢ではない
なんだか一気に疲れが来たのか私はそのまま眠ってしまった・・・・
翌日
「ん・・・・、眩しい・・・・」
太陽の光と小鳥の声で目が覚めた
昨日は夜だったので景色が見えなかったが、やはり森の中みたいだ
更に言えば、ちょっと行った先から、斜面になっている
私は荷物を持って再び歩き始めた
斜面の歩き方はまっすぐ登るのではなく斜めに登った方が良い、と聞いた事がある
舗装されていれば良いが、此処は未踏の地
何が起こるかわからない
でも、何故か安心感はあった