セシリア、山に入る
「山の入り口って、何処かしら?」
日は暮れて夜
月明かりだけが私を照らしてくれる
私は荷物を持って道端を歩いている
神の山に入る道を探しているんだけど、何処から入れば良いのかわからない
「入り口みたいな物があれば良いんだけど・・・・」
神の山は人が入った事がない、未踏の地
当然、入り口なんてあるわけがない
ただ、いきなり入るのもどうかと思うし・・・・
「あら、あれは何かしら?」
道端を宛もなく歩いていると古い石像を見つけた
「ひょっとして、神の山の守り神かしら?でも、かなり汚れているわね・・・・」
私はリュックサックからタオルを取りだし、水筒に入れていた水でタオルを濡らして石像を拭き出した
何の意味があるかわからないけど、今の私にはこの石像を綺麗にしなきゃいけない、という不思議な義務感が生まれていた
石像を拭き初めてどれくらいたったのだろうか
「大分、綺麗になったわね」
ピッカピカとは言わないが大分ましになった
「守り神様、貴方の陣地に入る事をお許しください。この身を貴方様に捧げるつもりです」
~許す~
セシリア「えっ?」
今、何処からか声が聞こえた?
風が急に吹いてきた
でも、何か歓迎されている様な感じがする
自然と足が山の中へと歩みを進んでいく
私は神の山に入山した