セシリア、昔を思い出す
早速、セレス様からの差し入れを家に入れました。
揺りかごにアンを入れてみました。気に入ってくれるかしら。
最初はきょとんとしていたけど揺らすとキャッキャッと手を叩いてくれました。
どうやら気に入ってくれたみたいです。
「姉さん、セレス様からもらった絵本なんだけど」
「何か問題でも?」
「いいえ、私達が幼い頃読んでいた童話とかお伽噺。」
確かに、所謂『お姫様が王子様と色んな困難を乗り越えて幸せになる話』とか『勇者が魔王を倒す話』とか子供が好きそうな話だ。
まぁ、男の子が好きそうな話が多いな、とは思う。
でも、セレス様が読んでいた、となると至って普通の話だ。
なんで、あんな性格になったのか・・・・・・。
「でもこれ全部『悪人がひどい目にあう話』が多いよね。」
ミュウの指摘に気づいた。
まぁ、童話とかお伽噺の王道である『悪人をやっつける』部分が殆どにあった。
しかも丁寧に付箋がついてある。
つまりは、物語云々より『悪人をやっつける』事が昔から好きなんだ、という事だと思う。
それが今のセレス様に繋がっているのか・・・・・・。
考え方の違いで同じ話でも見方が変わってくるものなんだなぁ、と思う。
「昔は私もお姫様になりたい、て思っていたなぁ。」
「私もですよ、姉さん。だから初めて社交パーティーに行った時は凄い嬉しかったのを覚えてます。きらびやかな世界があったんだ!て。」
「私も最初は楽しかったけど王子様の婚約者として、立ち振舞いを勉強したり、だんだんとお姫様の現実を知り始めて、『所詮は童話なんだ』て冷めたわ。」
「姉さん、王妃教育を受け始めた頃から、だんだんと疲れが目に見えてましたからね。」
「追い詰められていたのよ。自分で自分にプレッシャーをかけていたのよね。」
結局、私はお姫様にはなれなかった。
でも、今は充実しているから笑い飛ばせる。




