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悪役令嬢は山にこもり聖女となる  作者: こうじ
悪役令嬢、逃亡する
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セシリア、逃亡する

朝がやって来た


決められた時間に朝食を取る事になっているため、私は食堂へと向かった


徹夜で準備した為に、今頃眠気が来た


「セシリア様、おはようございます」


「どうされましたか?何か元気が無さそうですが」


「おはよう、ちょっと眠れなくて・・・・」


どの面引っ提げて私に会いに来たのか・・・・


取り巻き・・・・、もう良いわ。名前を呼ぶのも腹が立つ


取り巻き達は、いつも通り私と一緒に食事をする


「今日で学校ともお別れですわね」


「今日の卒業パーティーでフェルモンド様との結婚が発表されるんでしょう。いよいよ王族の仲間入りですわね」


「そうね・・・・」


その夢、ぶっ壊したのは何処のどいつだっ!!


私は学校だけではなく、国や家族とも別れなきゃいけないんだよっ!!


もう本当に怒鳴りたい気分だ


こんなに気分の悪い食事なんて初めてだ


とりあえず取り巻き達の言葉は聞き流した




卒業式も終わり、後は夜の卒業パーティーのみだ


私は制服からドレスに一旦着替えた


パーティー会場は学校の講堂だ


多分、フェルモンド様は一番盛り上がっている時に来るだろう


荷物は講堂近くの倉庫に隠してある


ミシェルから、校内の一番人が通りにくい通路を教えてもらった


パーティーには途中までは参加する


フェルモンド様が到着する前に私は逃げなければならない


私の人生がかかっているのだ




遂にパーティーが始まった


学園長や貴族の皆様の挨拶があり乾杯があった


私は両親と一緒に挨拶をする


両親も今日は機嫌が良い


思えば、この両親も敵だ


私は幼い頃から厳しくしつけられた


私には兄、妹がいるが二人は比較的自由に育てられた結果、両親寄りの考え方だったりする


要はずる賢いのだ


結局、いつも損をするのは私なのだ


でも、そんな毎日も今日まで


私は山の中で貴方達の没落ぶりを見て笑ってやるよ


そして、絶好のタイミングがやって来た


両親が別の貴族と話を始めた


今がチャンスだ!!


私は一応周りの方に『ちょっとトイレに』と言って会場を抜け出した


ふと中庭を見るとフェルモンド様とルーシャ令嬢がいた


二人で愛密な事をしているみたいだったが時間は無い


心の中でお別れを言って倉庫に向かう


倉庫の中でドレスから着替える


一応、証拠を残さ無い様にドレスもバッグに詰め込んだ


リュックサックを背負い、バッグを持ち慎重に抜け出した


誰かに見られたら計画は無駄になってしまう


誰も見ていない事を確認しながら素早く行動をする


そして、漸く裏口にやって来た


そっと扉を開けた


外には誰もいない


よしっ!と心の中でガッツポーズを取る


当然だが迎えの者はいない


歩いて移動しなければならない


と、一台の馬車がやって来た


目立たない様にしていたが、私の近くで止まった


えっ、と思い馬車の扉が開いた


「セシリア」


私の名前を呼んだのは・・・・


「じ、女王様・・・・」


一番会いたくない人に会ってしまった


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