セシリア、名前をつける
「姉さん、この子の名前どうしましょうか?」
「そうね、名前かぁ・・・・・・。」
まずは名前をつける事だ。多分、母親から与えられた名前があるんだろうけど、身元がバレる可能性が高い。
「こういう時は、平凡な名前が良いと思うわ。名前が変でいじめを受けたら大変だもの。」
「そう言えば、姉さんの同級生にいましたよね。」
あぁ、そう言えばいたわね。凄くきらびやかな名前なんだけど本人は地味で、だからと言ってブサイクという訳ではないんだけど、本人が余りオシャレに興味が無かった。
私、勿体無いと思ったわ。
「う~ん、名前・・・・・・。」
考えてみるとなかなか浮かばない。貴族っぽい名前は出てくるんだけど・・・・・・。
「お姉ちゃん、『アン』て、どうかな?」
ミュウが言った。
「アン、ね・・・・・・。いいかもしれないわね。」
別に考えるのが面倒臭くなった訳じゃないけど、意外としっくり来た様な感じがしたので、赤ちゃんの名前は『アン』に決めた。
翌朝
泣き声で目が覚めた。
アンがおもいっきり泣いている。
私はアンを抱いて宥めたけど、なかなか泣き止まない。
「お腹空いてるのかしら?」
私はリア様に言われた通り果実を絞り、その液を小さなビンに入れて、スプーンで飲ませた。
少しずつだけど飲んでいくアンを見て、やっぱりお腹が空いていたんだな、て思う。
飲み終わったアンは満足したみたいでスヤスヤと眠ってしまった。
「可愛いなぁ・・・・・・。」
私はそう呟いていた。