セシリア、キレる
「リッサ! 私よ! セシリアよっ!」
私は思わず、妹であるクラリッサに駆け寄った。
「ね、姉さん・・・・・・?」
クラリッサの表情は虚ろで、目には光が無かった。かつては小生意気でいつも私を小馬鹿にしていた強気な面影は無かった。
僅か数ヵ月でこんなになるなんて・・・・・・。
私の顔をジッと見ていたクラリッサは、徐々に表情が変わっていき・・・・・・。
「姉さん! ごめんなさいっ!! 私、今まで姉さんに酷い事をっ・・・・・・!」
「落ち着いてっ! リッサ!」
泣きながら謝罪をするクラリッサに戸惑いながらも私は落ち着かせようとした。
「何があったのっ!? なんでこんな所にいるのっ!?」
「わ、私ぃ・・・・・・、騙されたのぉ・・・・・・。」
泣きながらクラリッサが言うには、貴族としての身分を剥奪、王家への借金返済の為に家、領地を売った我が家は一家離散となり、クラリッサは、友人を頼ってクラビア帝国に向かった。
そこで、もう一度貴族に返り咲きしよう、と思い出会いを求めて貴族の子息や令嬢が通うサロンに入り浸っていたらしい。
そこでとある貴族の子息と出会ったのが今ここにいる最大な理由だと言う。
その子息はかなりの女好きで、散々クラリッサを弄んだあげく『飽きたから』と言う理由でカールロンソン商会に売ったと言う。
没落貴族、特にうら若き少女の行き先は貴族の慰み者か、性奴隷。
まさに売られようとしていた所に私達が来たのだ。
「馬鹿っ! 貴女はいつも考えないで行動するからっ!」
「ごめんなさいぃ・・・・・・」
「セシリア様、それだけではないみたいですわよ。どうやらこの男、調教と称して手を出していたみたいですわよ。」
セレス様に尋問を受けていた男が震えながら頷いた。
「・・・・・・そうなの?」
クラリッサは頷いた。
ぶちんっ
私の中で何かがキレた。
正直、この後何をしたかは覚えていなかった。
ただ、セレス様曰く電光石火の速さで私はその男に飛び蹴りを喰らわせ、そのまま馬乗りになり、男をボコボコに殴った、らしい。
『私の大事な妹に何してくれてんだぁっ!!』とか怒鳴りちらしていたらしい。
伯爵様やセレス様が止めなければ男は死んでいたらしい。
セレス様に『セシリア様もこちら側の方なんですね。』と言われた時は全力で否定したかった。
ミュウもレオンも二人そろって『怖かった』て言ってるし・・・・・・。
でも、仲が悪くても実の妹なんだし、怒るのは当然だと思いますよ。




