セシリア、修羅場を見る
ミューズ家を訪れてから数週間後、ついに摘発の日がやって来ました。
現場となるのは、余り人が寄り付かない倉庫です。
「使用されていなくて人も来ない、こんな良い立地はありませんわね。」
入口には私、ミュウ、レオン、セレス様、伯爵様がいます。ハリス様はヴェル様と帝国に行っているそうです。なんでも皇帝に次期国王として『挨拶』(忠告)に行ったとか・・・・・・。
「既にうちの傭兵部隊が潜んでいるから合図をしたら突入する手筈になっている。」
「お父様、私の出番をお忘れずに。この日の為にドレス(戦闘服)を用意してきたんですから。」
そう言ったセレス様は赤いドレスを来ていた。手には指なしの手袋、肘には肘あてをしている。
「セレス様、その手にしているのは?」
「これは私の神具ですわ。」
笑顔で答えるセレス様は既に戦闘モードに入っている。
目が完全に殺る気満々なんですもの。
「じゃあセレス、ほどほどに。」
「えぇ、しっかりと勤めさせてもらいますわ。」
そう言ってセレス様は倉庫の中に入って行った。
外からは何も聞こえません。
ミュウとレオンが耳をピクピクさせながら壁に耳をあてています。
「今、男の人がセレスお姉ちゃんに何か言ってるみたい。」
「あっ、セレスさんが男の人を投げ飛ばしたみたい。」
そこからです。
まず、ガラスが割れる音がなり、そこから男達の怒号やら悲鳴、絶叫、セレス様の高笑いが漏れて聞こえてきます。
「セシリア、僕は娘の育て方を間違えたかもしれないなぁ・・・・・・。」
「伯爵様、遠い目で言わないで下さい。」
「お姉ちゃん?貴族て強ければなれるの?」
「セレス様が特別なだけです。」
「うわぁ、今顔面殴ってるよ・・・・・・。グシャッとかボゴォッとか。」
どれぐらい経ったでしょうか。突然、扉が開きました。
「伯爵、終わりました・・・・・・。」
「ご苦労、セレスは?」
「尋問されております。」
「わかった。私達も入ろうか。」
正直、躊躇しますが仕方ありません。私達も中に入りました。
・・・・・・正直、言葉で上手く表現する事が出来ません。
感想としては『人て顔面があんなに変わるものだな』とか『あんなに血が飛ぶんだな』とか・・・・・・。
壁に人がのめり込んでる姿を初めて見ました。
当のセレス様は、一人の、いかにも貴族な男性の前に仁王立ちしております。
男性はガタガタ震えて、下の一部が濡れています。
傭兵の皆様は悪党達を縛り上げています。
「あ、お父様、奴隷として囚われた方々はこちらの牢馬車におりますわ。」
すぐにレオンが駆け寄った。
「みんなっ!!」
「レオン! 来てくれたのかっ!」
どうやら仲間の方々がいたみたいです。
牢馬車からゾロゾロと奴隷として囚われた方々が出てきます。中には人間の少年や少女もいました。
その中の一人に私は一瞬目を疑いました。
「リッサ!」
妹のクラリッサがボロボロの姿でいたのです。




