セシリア、魔王と会う
「それで、摘発時にセシリア様達も同行して頂きたいんですの。」
「えっ? なんで?」
「奴隷の中に二人の関係者がいる可能性がありますから確認してほしいんですの。」
「それって二人を連れ去った商人がいる、て言う事?」
「その可能性は十分高いと思っておりますわ。」
私はミュウとレオンの顔を見た。
「僕は仲間を助けたいから、力になるよ。」
「私も! あいつの顔は覚えてるから一発殴ってやりたい。」
「それだったら私が殴り方の指導をしてあげても『止めてください』冗談ですわ、冗談。」
良かった、ミュウが変な道に行く所だった。
と、扉が開いて二人の男性が入って来た。一人は見覚えのある人物だ。
「セシリア、久しぶりだね。」
「ハリス様、ご無沙汰しております。」
セレス様の婚約者であり、次期国王のハリス様だ。
「バカ兄貴の件にしては申し訳なかった。王族を代表として謝るよ。」
「いいえ、ハリス様が謝らなくても良いんですよ。私はお陰で貴族の生活から抜け出せたんですから。」
「君の笑顔を見れば充実してる事がわかるよ。あ、セシリア紹介しておこう。魔族領を統轄している『ヴェル・ド・デモン』様だ。」
魔族領を統轄‥‥‥?
「はじめまして、ヴェルと言う。私達の仲間を保護をしてくれてありがとう。」
「あ、いえ、あの、どういたしまして‥‥‥、セシリアと言います。あの魔族領を統轄している、という事は魔王様、という事ですか?」
「まぁ、そういう事になるね。」
ハハハと笑うヴェル様。
なんて言うか思っていたのと違う。魔王と言うともっと怖くて冷たいイメージがあった。でも目の前にいるヴェル様は、知的で優しそうな方だ。
「セシリア様、ヴェル様は既婚者で娘がおりますわよ。」
セレス様、人の恋心を一瞬で撃ち砕かないで下さい。




