セシリア、話を聞く
「さぁ、中に入ってくれ。」
「お邪魔致します。」
玄関の扉が開き、私達は中に入った。
「わぁ~‥‥‥。」
ミュウが目をキラキラしています。
エントランスは広くて正面には2階に上がる階段、天井にはシャンデリア、床には赤いカーペットが敷いてあります。
「ミュウは見慣れてるんじゃ無いですか?」
「正面から入った事なんて一度も無いよ。裏口からしか入れないから。」
あぁ、使用人とかは裏口しか出入りは出来ないんでしたね。
「多分、セレスはもうすぐ来るだろうから客間で待っていてくれ。」
「わかりました。客間は‥‥‥、変わってませんよね?」
「あぁ、前の場所だよ。」
「ミュウ、レオン行きましょう。」
「え?勝手に歩いていいの?」
「メイドさんが案内してくれるんじゃないの?」
「大丈夫です。私は何回も来た事がありますから。」
ミューズ家には勿論メイドや執事はいるけど、余り姿は現さない。必要最低限の時しか姿を見せないのだ。
セレス様曰く『特殊な訓練を受けているので気配を消す事が出来る』らしい。
‥‥‥やっぱりこの家は特殊だ。
記憶を辿りながら私達は客間にやって来た。
前、来た時と一緒だ。
私達はソファーに座り既に用意されているクッキーを食べた。手作りみたいで美味しい。
「お姉ちゃん、さっき変な事言って無かった? 『変わってませんよね?』とか。」
「あぁ、伯爵様はリフォーム好きでこの家も何回かお一人で手を加えているのよ。」
「一人でっ!?」
そう、一人で。普通は不可能だと思うが伯爵様は出来る。
何せ、伯爵様はこの国一番の『大魔導士』だからだ。
私はリフォームの現場を見させた事がある。
パチンと指をならすと一瞬にして部屋が変わるのを見た時は子供心に胸がときめいた。
ただ、勿論庭の手入れも魔術を使っているのだが、基本は伯爵様ご自身が作業している。
伯爵様曰く『味気が無い。魔術は万能だが人のぬくもりが無い』だそうです。
「セシリア様、お待たせしました。」
セレス様が入って来ました。
「セレス様、お招きありがとうございます。お話というのはなんでしょうか?」
「勿論、奴隷商人に関する事ですわ。近いうちに奴隷の闇取引がある、という情報を入手したので摘発する事になりましたわ。」
「何処からの情報ですか?」
「例のあの二人からですわ。ちょっとお話(拷問)したらすぐに吐いてくれましたわ。」
‥‥‥深くは聞かない方が良いわね。




