セシリア、逃亡を計画する
「どうしよう・・・・」
このまま、卒業パーティーまで黙って過ごさなければいけないの?
「そうだわ、ルーシャ令嬢に素直に謝れば・・・・」
「今、フェルモンド様のお屋敷にいて付きっきりでフェルモンド様が見ております」
言い訳も出来ないのっ!?
て言うか、フェルモンド様、私の事はっ!?
そう言えば、フェルモンド様は一度思い込んだらテコでも動かない人だったわ・・・・
今は私よりもルーシャ令嬢の方が大事なのだわ・・・・
完全に私、詰んだ・・・・
「でも、お嬢様。夢を見た、という事は何かしら防衛策が出来るのでは無いでしょうか?」
「防衛策?そんなの今すぐ此処から逃げるしかない・・・・」
途中まで言って私は、ふと冷静になった
そうだ、逃げれば良いじゃない
なんで、無実の罪で断罪されなきゃいけないのよ
貴族?家柄?プライド?
そんな物、捨ててしまえば良いじゃない
自分の命の方が大事よ
私の人生は私の物よ!
誰にも邪魔はさせないっ!!
「ミシェル、決めたわ。私は逃げるわ」
「私も賛成です。でも、何処に逃げるんですか?下手したら追っ手が来ますよ」
「そうね・・・・」
ふと、窓を見る
イーストン王国は山に囲まれていて私は何度か山登りをした事がある
その中に『神々が住む山』があり、そこは立ち入り禁止になっている
「『神の山』にこもるわ」
「えぇっ!?彼処は立ち入り禁止区域ですよ!?」
「だからこそよ。誰も近寄らないし人が入るなんて思わないでしょう」
「確かに、でも・・・・」
「良いのよ。私は今、崖っぷちに立たされているのよ。時間は無いのよ」
「わかりました。このミシェル、お嬢様の為なら全力で協力させて頂きます!」
「ありがとう、ミシェル」
「早速、準備に取りかかりましょう」
結局、眠れずに朝を迎え、私は必要最低限な荷物を用意した
ドレスや貴族の服はもう着ないだろうから、動きやすい服を見繕った
食料は調味料や日持ちが出来そうな物を用意
後は山登りに必要なグッズを準備した
本当、山登りをしていて良かった・・・・