セシリア、セレスと再会する
「セシリア様、ご無沙汰しておりますわ。とりあえず、今踏んづけている男をこちらに渡してもらいませんでしょうか?」
あぁ、そう言えば忘れてましたね。私はゆっくりと足をあげた。
「いてぇいてぇよぉ‥‥‥、絶体骨折れてるよぉ‥‥‥」
「殿方がこの程度で泣くなんて情けないですわ。さて、貴方には聞きたい事がございます」
男は手を護りながら、涙目になっています。
そんなに強く踏んづけたかしら?
「な、なんだよぉ‥‥‥。何も喋らねぇぞ!」
「あら、そうですか。別に構いませんよ。既に貴殿方が何者かは把握しておりますから。」
「はぁっ!?」
「貴殿方は『カールロンソン商会』に雇われている、獣人専門の奴隷商人の手下、ですわね?」
「うっ!?」
「セレス様、どういう事ですか?」
「最近、獣人やら魔族やらの子供を勝手に誘拐して奴隷として貴族に売り付けている輩がおりまして‥‥‥、まぁ結婚前のちょっとした大掃除ですわ。」
ミューズ家は昔からイーストン王家との繋がりがあり、噂では表沙汰に出来ないトラブルや事件を秘密裏に処理をしているらしい。
別名『イーストンの番犬』
その中でも、セレス様は『ミューズ家の狂犬姫』と呼ばれており、精神的にも肉体的にも相手を追いつめるらしいです。私は実際に見た事はありませんが、学生時代にセレス様に言いがかりや馬鹿にしてきた男性生徒が、翌日から来なかったり、生意気だったのが怯える様になった事があります。
男は既にガタガタと震えております。
「とりあえず、此処ではなんですからこの男達はうちが引き取らせてもらいますわ。それまで眠っていて下さいませ。」
トスッ!
セレス様は男の首筋に手刀を決めました。そして、パチンと指を鳴らすと何処からか馬車がやって来て、男達を乗せて連れ去って行きました。
「セシリア様、どうでしょう。其所の喫茶店でお茶でも飲みませんか?後ろの男の子にも話を聞きたい事がありますから。」
猫耳少年は私の後ろで服の袖を掴みながら怯えている。
「宜しいですか?」
少年はコクンと頷いた。
「貴方、お名前は?」
「‥‥‥『レオン』」




