セシリア、報酬を得る
1週間後
期限になったので、しおりを持って本屋さんにやって来た。
「すいません、しおりを持って来ました。」
「おぉ、待ってたよ。早速しおりを見せてもらおうか」
私は持って来たしおり100枚を店長に見せた。
店長はしおり1枚1枚を丁寧に見て『ほぉ‥‥』、『これはなかなか‥‥‥』、『いやぁ‥‥‥』と呟いていた。
「どうでしょうか?」
私は恐る恐る聞いてみた。
「いやぁ‥‥、正直驚いたよ。こんなに出来の良い物を持ってくるとは。お嬢さん、初めてかい?」
「はい、ですが趣味で作っていた事がありますので。」
「なるほど、経験しているんだったら納得だ。結構良いから、1枚銅貨1枚だったけど、2枚、いや3枚にしとこう。全部買い取らせてもらおう。」
「ありがとうございます!」
やりました、初報酬です!
100枚ですから銅貨300枚です。
今まで自分でお金を稼いだ事が無いので嬉しさは人一倍です。
これで調味料とか化粧品とか色々買えます。
嬉しい気分で街を歩いていると、
「お嬢様!」
いきなり、後ろから声をかけられて振り向くと、其処にいたのは‥‥‥
「ミシェル!」
「お嬢様、ご無事で何よりです!」
そう、ミシェルだった。
「えぇ、なんとかやってるわ。ミシェルはどうなの?」
「私はご縁があって、王家に雇って頂きました。今はセレス様の専属メイドとして働いております。」
それを聞いてちょっと安心した。
「セレス様だったら安心できるわね。」
「えぇ、凄くよくしてくれています。‥‥‥若干難ありですが」
え?
「セレス様、学院では仮面を被っていたんですよ。お嬢様の変わりに制裁を与えたんですから。」
どういう事?
そして、私は例のパーティーの詳細を聞く事になります。
補足、銅貨1枚=100円
銀貨1枚=500円
金貨1枚=1000円ぐらいだと思って下さい。
次回は幕間、断罪です。