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市民相談課異世界高齢者対策室~ロリBBAの楽園と化した都市~  作者: ぢたま
第一章 高齢者対策室
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第一章 高齢者対策室 - 04 - ディおばぁさん

第一章 高齢者対策室 - 04 - ディおばぁさん


 そこで最終的に作られたのが『市民相談課異世界高齢者対策室』であった。

 こうして名称は決まったが、新たに回せる予算も人員も存在しなかった。

 役所内にはどうこの新しい部署に就任するために手を挙げる人間は誰もいなかった。

 好き好んで、煮え湯の沸き立つ中に自分から飛び込むような人間はいなかったのである。

 そこで、人事課はたまたま異世界への魔法留学経験のある職員に白羽の矢を立てた。

 その職員は有無を言わさず『異世界高齢者対策室』の室長へと昇進させられる。もちろん昇進と言っても、部下など存在していない。

 こうして一縷目誠の人生は、自分の関与できないところで急展開を迎えたのである。

 今も一縷目は朝から晩まで休むことなく、ロリBBA達の相手をし続けているのである。

 結局、逃げ出したタロとエルおばぁさんを、現状復帰させてから役所に戻ることができたのは就業十分前であった。

 こんな時間になってしまったので、今日二度目の来所となるディばぁさんは、さすがに帰っているだろう。それで明日の朝に出直してくるだろうと思ったのだが甘かった。

 市庁舎内に入ったとたん、ディばぁさんはどこからともなくやってきて、いきなり一縷目の頭を杖でポカンと殴りつけてきた。


「あいたたた……やめてください、ディおばぁさん」


 頭を押さえながら一縷目が悲鳴と一緒にそんな苦情を言うと。


「何やってんだ、あんた。あんたのお陰で、今日の午後が台無しじゃないか! どう責任取ってくれんだ!」


 話しながらさらにエキサイトしていくディおばぁさんは、ちっちゃい体で背伸びしながら杖でポカポカ一縷目の頭を叩く。

 まるで一縷目の頭は木魚であった。

 この極めて物理攻撃が好きなディおばぁさんは、なにやら昔は冒険者として活躍していたらしい。

 もちろんそんなことは今の一縷目にはなんの関係もないことだが、こちから手出しできない以上耐えるしかなかった。

 見た目は8才くらいで、長い金髪を三つ編みにしている。長い耳にアイスブルーの瞳。ただ黙って立っていれば間違いなくただの美少女である。だが、中身はストロングタイプのロリBBAであった。


「いたたた。な、なにか用があったんじゃないんですか?」


 この流れを変えたい一心で、一縷目はディおばさんに要件を聞く。


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