第一章 高齢者対策室 - 22 - 誤魔化す
第一章 高齢者対策室 - 22 - 誤魔化す
「ああ……大丈夫。それより、一体どうなったんだ……」
そう話したのは、先にコカトリスに殺されそうになった警官だった。
その隣では、起き上がった同僚を見てもう一人の警官が驚いている。
「今野、お前死んでたんじゃなかったのか? っていうか、俺は助かったのか?」
同僚を助けようとして、コカトリスに殺されそうになった警官は、ある程度理解はできている様子だった。
どちらも、うまく蘇生できたようで、一縷目が見る限り後遺症もなさそうだった。
「さすが警察官ですね。コカトリスを駆除してもらえました。市役所職員としてお礼いたします。ありがとうございました」
一縷目はそう話しながら頭を下げる。
かなり強引な気はするが、どのみち二人はほとんど死んでいたのだ何があったかなんてわかるわけがない。
「ほ、本官が、コカトリスを駆除ですか?」
思いっきり腑に落ちないかのように警察官が言った。
「もちろんですよ、他に誰がいるんですか?」
それでも一縷目は強引に押し通す。
ここで怯んだら、公務員として後がないと思うから必死である。
「えーと。そちらにいるお嬢さんはどなたか教えて頂いてもいいですか?」
辺りを見回してユウナに気づいた警官が聞いてくる。
「ボクは一縷目ユウナ。一縷目誠の奥さんだよ」
一縷目が紹介するより先にユウナが自分で答えた。
見た目はどうみても少女だから、普通なら問題発言になるところだが、この都市ではまるで事情が異なる。
見た目少女の後期高齢者が大量に闊歩しているからだ。
「あーそうですか。それはご苦労様です。でも、いつの間に?」
警官は都合の悪いことを聞いてきた。
「それより、これですよ。コカトリスの死体です。もう危険性はないはずですが、一応警察におまかせしてかまいませんよね?」
かなり強引だが、それでも無視できない方向に話をもっていく。
「あー、そうですね。もちろん、警察の方で対応いたします。ただ、これって銃で撃たれたというより、何かに叩き潰されたように見えませんか?」
また、都合の悪い展開になってきた。
もちろん、何があったかなんて説明できないので、強引に話をもっていく。
「そこは、ドンとなってボンとなってこんな感じになっていたような気がします。僕も怖かったので、ちゃんと見てなかったのですが。なんにしてもドンですよ。というわけで、妻が迎えに来たので僕は失礼します。お疲れ様でした」




