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市民相談課異世界高齢者対策室~ロリBBAの楽園と化した都市~  作者: ぢたま
第一章 高齢者対策室
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第一章 高齢者対策室 - 15 - 通報

第一章 高齢者対策室 - 15 - 通報


 とは言っても、本来そこら辺りの対応は市民相談課がではなく、他の部署がやるはずなのだが、コカトリスの対応などよく分からない。

 熊とかが頻繁に出没するような土地柄ならば、こういう時には市役所も迅速に対応することが可能かも知れない。

 あいにく久万市にはその手の人を襲うような猛獣が現れたことはない。

 なので、一体どこの課が対応することになるのかさっぱり分からない。

 警察へ連絡するにも、おそらくそれ専用の窓口がありそうな気がするのだが、それも管轄外なのでわからない。

 それになにより一番の問題は、今は勤務時間外だということだった。

 下手なことをすれば、懲戒処分だってありうる。

 それらのことを諸々考えて、姑息な手段だが一般市民として通報することにした。

 スマートフォンを取り出して、110番にダイヤルする。


「はい、こちら110番。事件ですか? それとも事故ですか?」


 一縷目はいきなり聞かれて焦ってしまう。

 これまでの人生の中で、110番経験は一度もなかった。


「あー、えー。たぶん、おそらくなんですが、事件のほうだと思います」


 つい役人根性がてでしまい、微妙にあやふやな答えをしてしまう。


「はい、事件ですね。それでは、どういった事件なのか教えていただけますか?」


 応対する警察官は一縷目の挙動にまったく関心を払うことなく、型通りの質問を投げかけてくる。


「あー、それはですね……」


 言いかけて少し迷った。いきなりコカトリスがいると言っても信じてもらえるかどうか。

 だからと言って、他にどう言いようもないので、言うしか無い。


「おむすび公園に、コカトリスがいるんです」


 しっかりと告げてみた。


「はいっ? 一体どういうことなのか、もう一度お願いできますか?」


 そう聞いてきた警察官の気持ちが、一縷目には良くわかった。

 ディおばぁさんから初めて話を聞いた時、一縷目が思ったことと、おそらく同じことを考えているのだろう。


「コカトリスです。おむすび公園にコカトリスがいます。今現在は魔法で無力化していますが、臨時の檻が破られてしまったら非常に危険ですので早急に処理してください」


 できるだけ必死さが伝わるように言ったつもりだったのだが。


「なるほど、コカトリスですか。それで、コカトリスというのはどのようなものですか?」


 どうやら応対している警察官はコカトリスのことを知らないようであった。

 もちろん一縷目だって詳しいわけではない。


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