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<send:01-4>

<answer>


『《あなた》はセーラに【ロッカー】を調べて欲しいと伝えました』


</answer>


「ロッカーを調べれば良いの? 分かった」


 セーラはそう答えると、手近なロッカーへと向かった。

 ロッカーは赤錆だらけで立て付けも悪くなっている。

 セーラが手を掛けると、ギィ……と不快な音を立ててロッカーが開いた。


「う~ん、何もないねぇ。うわ、埃っぽい……」


 中には何もないらしい。セーラは溜息を吐くと二つ目のロッカーへ手を伸ばした。

 あるのは元がなんだったのか分からないガラクタばかりのようだった。

 そんな中、セーラは「あっ! ねぇこれ見て!」とおもむろにロッカーの奥へと手を突っ込んだ。


「じゃーん! 見て見て! ストラップだよ! これ、このスマホ――っぽいのに使えるんじゃないかなっ?!」


 そう言うと、セーラは引っ張り出したストラップの紐をはたいて、埃を落とす。

 「うん、綺麗になった!」 そう言うセーラの表情はどこか満足げだ。


「あとはこうして――」


 セーラは楽しそうに鼻歌を歌いながら、端末を机の上に置いた。

 そして、その端にストラップを結わえ付けているようだった。

 その間、端末は上を向いたままで、セーラがいそいそと紐を弄くるばかりの時間が流れていた。


「ふふっ、出来たよ」


 セーラはストラップを首から提げ、画面が大きく揺れ動いた。

 画面はセーラの正面を向いている。


〈achievement〉


『セーラの視界がほぼそのまま画面に映り込むようになりました』 


〈/achievement〉


 両手が空いたセーラはそのまま探索を再開するが、それ以上の真新しい発見はなかった。

 ロッカーにはこれ以上何もないようだ。


「さて、それじゃあ次はどうしよっか……」


 セーラは顎に手を当てて思案顔を作る。

 少し考えた後、セーラは机へと向かう。

 机の探索を始めるらしい。


「やっぱり空っぽ……。何もないね」


 そうして、奥から三番目の机の中を覗き込んだとき、セーラは「あっ!」と大きな声を上げた。


「何だろう、これ……?」


 セーラが机の中から探し当てたものは、怪しげな木箱だった。

 大きさは小脇に抱えられるくらい。ティッシュの箱くらいの大きさだろうか。

 周りの四面には宝石があしらわれているようで、高価そうな代物ではあるのだが……。


「ちょっと悪趣味かも……」


 そのデザインは、煌びやかな作りではあるのだが、三流のデザイナーが作り上げたような歪な作りで、どうにも不気味さを抱かせる小箱だった。

 しかし、箱には仕掛けが施されているようで、セーラが力一杯押しても引いても、ビクともしなかった。


「……う~ん、開かないかぁ……」


 セーラはそのまま箱を戻すと、次の探索へと向かった。

 そろそろ慣れてきたらしく、怖じ気づくこともなく、次の机を覗き込んだセーラは次の瞬間、悲鳴を上げてひっくり返ってしまった。


「きゃああああっ!! いや……、やだよ……」


 セーラが竦み上がる中、端末の画面はまっすぐにその風景を捉えていた。


 ――その机の中には、血の付いたハサミが無造作に入れられていた。


 セーラは立ち上がることもできないまま、這いつくばるようにして机から離れると、端末を掻き抱くようにして泣き出してしまった。

 しばらく動けそうにないセーラ。


<question>


『そんなセーラに対して、《あなた》は……』


【セーラの頭を撫でる/優しく声を掛ける/落ち着くまで待つ】

少しだけホラーっぽい要素が入ってきました。ホラーさんがログインしました……みたいな。

匙加減が難しくて、どの程度怖い物を置けばいいのかとか、リアクションをどうしようかとか、考えるとなかなか難しいジャンルですね、ホラーって。

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