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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第六章 ダンジョン観光編
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57話 悩んでいたら三大神が集結しました

『というわけで数日後にはヒュウや仲間を連れてそっちに向かうことになった。お前やエイミィからダンジョンのことについて色々と聞きたいことがあるし』

「ハハハ・・・正直スマンと思っている」


ダンジョンの情報は予想通りすでに才のところに届いており、色々と問い詰められると思っていたが何やらあちらも準備してくるそうだ。


「あれ?ってことは才たちはダンジョンに挑まないのか?」

『ああ・・・ヒュウ達は挑みたいとか言っているがまずはお前たちに直接会って話したい。もちろん仲間たちにはお前たちのことは口外させないように言い聞かせるつもりだ』


才はまだ俺が大魔王ダンジョンマスターであることは仲間には伝えていないらしい。知っているのは、秘書のスイちゃんとヒュウだけらしい。驚いたことにスイちゃんも天使でヒュウの妹だった。しかも神・シンの部下で才がこの世界につれてこられたときに護衛として同行しているそうだ。ちなみにエイミィの素の性格も知っているのもこの二人だけらしい。


「分かった。才たちは客としておもてなしするからトレスアールまで迎えに行くよ。俺も丁度あそこに用事があるし」

『そうか分かった。一応、トレスアールでは一泊していく予定だから到着したら連絡を入れる』

「了解」


才との連絡も終わり、俺は作業部屋へ向かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

作業部屋


才たちが来る日程も目処が着いたみたいだし俺も仕事にとりかかるとするか。


「・・・やっぱり、今の難易度はマズイよな。だけどもうすでに進化しているし新しいダンジョンモンスター生み出す?・・・ああ、でもなんか身勝手だよな。『お前たち強くなりすぎだから移動』とか・・・やべぇ、これダンジョンマスターとしてやってはいけない気がする」


ダンジョンモンスターたちは頑張っているよ・・・だけど頑張りすぎて冒険者達が来なくなるのはそれはそれで・・・


「困っているみたいだね光輝」


振り向くとそこにはエイミィがモニターを覗きこむように立っていた。


「エ・・エイミィ」


ヤバイ・・・宴の時のことを思い出して心臓バクバクなんだけど。


「ん?どうしたの?」


不思議そうな顔をするエイミィ・・・あれ?おかしいの俺?


「いや・・・その。大丈夫?」

「大丈夫って何が?ああ・・・酔っ払ったことね。あの時は楽しかったわ、メリアスから貰ったお酒。あれマナの実で作られたお酒だってね。おかげで私もハイテンションになって記憶が飛んじゃったわ」


記憶が飛んだ?・・・んじゃ、あの時のことはやっぱり忘れているのか?

カナシクナンカナイヨ!


「はぁ〜・・・・」


なんだろうこの虚無感・・・いつものエイミィだってことは嬉しいが。あんな事があって進展無しとか正直ショックだぜ。


「むぅ・・・どうしたのよ。相談なら乗るよ、何に悩んでいたの?」

「ああ・・・ダンジョンモンスターの強さをどうしようか悩んでいてな」


現在のモンスターのレベルじゃおそらく冒険者達では敵わないだろう。今後も冒険者たちは挑み続けてくるだろうし、その度にダンジョンモンスターたちは強くなっていく。


「ああ、それね。思いついたんだけどダンジョンモンスターに『サブアカウント』をつけるのはどうかな?」


サブアカウント?初めて聞く名前だ


「それは何だ?」

「簡単に言えば『なりきりステータス』・・・モンスターの見た目も能力も指定された通りになるわ」


まじか、そんなことが可能なのか?


「すげー、エイミィ!珍しく良いアイディアじゃないか!」

「珍しくは余計よ!まあ・・・これを作るにはアイツの手助けも必要なんだけど・・」

「あいつ?」

『呼びましたか?エイミィさん』


エイミィの目の前にモニターがいきなり出現し、そこには若い青年の姿が映しだされていた。


『はじめまして、神埼・エドワード・光輝君。僕の名前はシン。エイミィさんや才君から名前とかは聞いたことはあるかと思うけど、アルヴラーヴァの三大神の一柱、知識の神と呼ばれている』


このイケメンが神様?まあ、服装も当初のエイミィの格好と似ているし、どこか神様っぽい雰囲気はあるが・・・


『まあ、こんな姿で神様なんて想像できないだろうけど』

「いえ・・・そんなことは」

「騙されちゃ駄目よ光輝。シンの性格はかなり捻くれているから気をつけて」

『捻くれてなんかいませんよ。ただエイミィさんや才君たちの反応を見るのが楽しいだけです』


・・・なんか、エイミィや才が苦手にしているのが分かる気がする。この神様、絶対ヒトを弄って遊ぶのが好きなタイプ・・・S気があるな。


「・・・それで、シン様『シンで構わないよ』・・シンは俺達を手助けしてくれるのか」

『ええ・・・元々僕もダンジョンを作る計画には携わっていたし』


マジで?!エイミィからそんなこと聞いていないぞ。俺がエイミィの方を見ると、プイっと目を逸らした・・・コイツ、黙っていやがったな。


『といっても僕が提供したのはデータ・・・つまり、アイテムやモンスターの情報データだけですが』


ああ・・・なるほど。ずっと気になってはいたんだよな。ダンジョンを作るとき、既にアイテムやモンスターの量が半端なかった。あのエイミィがこれだけの情報を扱えていたか少々疑問に思っていたが、知識の神が協力してくれていたのならあの量は納得できる。


「そうよ!コイツ私がダンジョン作るときただデータを渡しただけでその後は全然手伝ってくれなかったのよ!あれで私がどれだけ苦労したか・・・」


最後にプログラムを構築するのはあくまでエイミィだ。この機械オンチからすればただデータを渡されてもダンジョンは生み出せていなかっただろう。


『といっても僕はアルヴラーヴァの『管理』が仕事です。本来僕は、エイミィさんやセフィロトさんみたいにアルヴラーヴァには直接手を貸してはいけないのですから。そこはご自分の能力で何とかしてください』


反論するシン・・・どうやら神様にも色々と役割があるみたいだ。


「あれ?じゃあ何で手伝ってくれるんだ?今の話だとシンは手伝ってはいけない感じだったけど」

『まあ、今回は例外中の例外と言いますか。邪神が現れたことに関係しているのです』


邪神、その言葉を聞いた瞬間ザズムフの姿が頭に浮かんだ。


『エイミィさんから聞きましたが。光輝君、邪神・ザズムフと交戦したみたいですね』

「俺じゃなくてエドだけど・・・まあそうだけど。あいつならもう倒したぞ」

『うん、たしかにザズムフはあの戦いで消えました・・・ですがあれが本当に邪神の力だと思いますか?』


シンの質問の背筋が凍りついた・・・たしかに、エドは地下33階層のフロアボスでレベル的に言えばダンジョンでナンバー2の強さ。だから俺達を守りながらでも戦えていたと思っていた。


『邪神ははるか昔、セフィロトさんが自らを犠牲にしてノフソの森に封印されたのです』


何!聞いていないぞそんな大事な話!ってかセフィロトってたしか三大神の一柱だよな?


『その反応からしてエイミィさんから聞いていないと思いますが。その封印は神・セフィロトが殆ど力を使って封印したものなのです。神の封印・・・それだけで何万年もの封印ができる・・・そのはずでした』


何万年・・・気が遠くなるような年数だがそれだけの永い年月ならたしかに話す必要は無いよな。


『ですが、邪神も馬鹿ではありませんでした。封印される前に力を分散させて僕達に気付かれること無いように隠していたのです。今回、君達が遭遇した邪神はおそらく亜人に乗り移った邪神だったのでしょう』

「なるほど・・・ってちょっと待て!てことは何か?あいつはまだ生きているってことか?」

『おそらく・・・彼の狙いは自分の封印を解除すること。その鍵を握っているのがエイミィさんと僕なのです』


マジかよ・・・じゃあ、危ないじゃないか


「じゃあ・・・今後は国だけじゃなく邪神からも狙われるってことなのか?」

『ええ・・・ですが先ほど言ったように、彼らは馬鹿ではありません。フロアボスの存在は彼らにとって脅威と感じているでしょう』


つまり、今すぐここを攻めてくるわけじゃないってことか。だけどいつ狙われるか分からないってのは正直不安でしょうがない。


迎え撃つ戦力は作りたいけど強すぎると今度はダンジョン運営に影響が出るし。


『なので『サブアカウント』を作ることを提案したのです。これならダンジョンモンスターが強くなっても、冒険者が相手のとき指定された強さまで下がります』


おお・・・それはたしかに良いアイディアだ。それならダンジョンモンスターの問題は解決できる。


『もちろんフロアボスにも効果を発揮できるようにしてありますから、彼らも遠慮なく修行して良いと伝えてください』


う・・・あいつらが今以上に強くなるのは正直不安だが邪神相手なら仕方ないか。


「分かった。時間が惜しいのでさっそく作業に取り掛かりたいから色々と教えて欲しい」


それから俺とエイミィはシンの指示で住民、ダンジョンモンスター、フロアボス、全員分のサブアカウントの作成に取り掛かった。メッチャ気が遠くなる作業かと思ったら実はそうでもなく、ダンジョンモンスターたちには初期設定のデータをそのままサブアカウントに登録。住民やフロアボス達も今のステータスを固定させたのをサブアカウントに登録。【ゴッドスキル:リンク】のおかげで予想よりもはるかに早く作業が終わった。


・・・・・・・・・・・・・・


「そういえば、三大神のセフィロトってどんな神なんだ?もうこの世界にはいないんだよな?」


ふとそんなことを思った俺はエイミィに聞いた。三大神に2人も会ったんだし最後の一柱にも会ってみたいと思ったがシンの話を聞いてもう会えないんだなと思った。


「うーん、光輝は会っていないといえば会っていないんだけど、会っているとも言えるんだよね」

「どういう意味『エイミィ様、お呼びでしょうか?』・・・メリアスにアルラちゃん?」


入り口を見ると茶菓子を運んできたメリアスとアルラの姿。


「まさか・・というかやっぱり・・・メリアスが」

「あ・・・彼女はセフィロトじゃないわよ」


え?・・・この流れからして彼女がセフィロトじゃないのか?この神々しいオーラ、エイミィよりも女神らしさ!そしてフロアボスとしてのハイスペック!


「え?違うの!」

「メリアス・・・もう、光輝には伝えていいわよね?」


あれ?メリアスたちの前なのに素の状態になっている


「はい・・・もうその時かと」


そう言ってお菓子をテーブルの上に置くとアルラが前に出てきた。


「シン、久しぶりね・・・相変わらず異空間から覗き見かしら?」

『やれやれ、再開して早々それですか・・・随分と可愛らしい姿になりましたね・・・セフィロトさん。いや、今はアルラさんとお呼びしたほうが良いでしょうか?』



え?ええええええええええええ!


はい、ようやく三大神のシンと会いました・・・あと最後の方にセフィロトも登場。

やっと書きたかった話をかけて少しスッキリ。

これからダンジョンの者達は容赦なく強くなる予定です。

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