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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第五章 ノフソの森編
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55話 能力の確認したらやらかしました

目が覚めると俺は知らない部屋にいた

・・・ここはどこだ?


たしか、集落の住民たちがダンジョンに移住してきて、皆で宴をやって、エイミィに・・・・(ボン)・・だあああああああ、そうだ!


エイミィにキスされて、それから頭が混乱してメリアスの持っていたお酒でやけ酒したんだった!


でもそこからの記憶が無い・・・・あれそんなにアルコール度数高かったのか?

それより、俺はどれくらい寝ていたんだ?・・・かなり頭がグラグラするし、首筋がズキズキするし・・・


「お目覚めになられましたか、コウキ様?」

「メリアス・・・ここは・・・いつつ」


ベッドの横には光る果実が入った籠を持ったメリアスの姿があった。


「まだ無理してはなりません。安心してください、ここは街の医療施設です。コウキ様はマナの実で作ったお酒を飲まれて魔力が暴走したのです・・・それからずっと作業に没頭していたのですが、暴走した状態では危険だと判断し手荒でしたがコウキ様には眠っていただきました」


なるほど・・・そういえば飲んだな。あれが原因か・・・って、ちょっと待て今なんて言った?


「マナの実!」


マナの実・・・それを聞いた瞬間、以前会議で見たユニコーンの姿を思い出す。

急いでモニターを確認すると俺のステータスがとんでもないことになっていた。


コウキ エドワード カンザキ

種族:亜人・半神半人デミゴッド


はは・・・半身半人デミゴッドって・・・・・なんじゃこりゃ!


しかも、なんかステータス覧に色々と「解除されました」というメッセージが残っている。


「うん・・・すまないが一から説明してくれないか?」

「はい、そのために私が来ましたので」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


まさかそんなことになっていたとは・・・・


「なるほどね・・・それでダンジョンの方に何か影響は出ていないか?」

「管理チームの報告によりますと・・・ダンジョンモンスターのレベルが変動するようになったそうで。いくつかのダンジョンモンスターは上位種に進化トプルしたようです。特に戦闘が多い低階層のモンスターが多く・・・すでに初期のレアモンスター以上の強さになっているそうです」


確かにあいつら一日中冒険者達と戦闘をしているからな・・・・


本来、フロアボスを含めてダンジョンモンスターにはこれらのプロテクトがかけられていたから、どんなに戦闘を繰り返してもステータスの向上はできなかった。もちろん戦闘センスや技術面での向上は可能だからスキルのレベルアップや戦術面の強化は可能だった。


『ステータス固定化』が解除されたということは、ダンジョンモンスターは戦闘を繰り返すごとにレベルアップしていく。しかも『種族覚醒』も可能になったということは一定以上の強さになると進化できるようになったわけだ。


「ダンジョンに挑む冒険者達はどうなっている?」

「中層以上にいる冒険者には特に問題は無いのですが。下層にいる冒険者たちはモンスターと戦闘を行った時、殆どが敗退しています。総合戦力ではおそらく8階層のダンジョンモンスターより手強いかと思います」


ナンテコッタイ


「現在、グラムに進化トプルしたダンジョンモンスターを調査させています。揃ったデータはコウキ様に送るように伝えておきます」

「分かった・・・街の方は大丈夫か?集落の皆とか」

「そちらは問題ありません。現在街では新居の建設が進んでおり、集落の方々も一緒に頑張ってもらっています」


そうか・・・宴効果はあったみたいだな


「ところで、エイミィは・・・」

「エイミィ様も気分が優れないと言って自室で休養を取っております。必要であればお呼びしましょうか?」

「いや。大丈夫・・・それよりすまないが俺はもう少し休んでいる。ダンジョンの方は任せていいか?」

「お任せください・・どうぞごゆっくりお休みください」


そう言ってお辞儀をするとどこかへ転送した。


「さて・・・メリアスのお見舞いの果実でも食べてすぐに回復を・・・」


『メリアス印のマナの実』


「何食わせようとしてんじゃ!」


・・・・・・・・・・・・・・

管理室


「フライ・・・ダンジョンの方はどうなっていますか?」

「メリアス様・・・はい、上位種へ進化したダンジョンモンスターには極力待機するように伝え、現在回っているモンスターにも戦闘はなるべく避けるように伝えています」

「ご苦労様です・・・しかし、かなりの数が進化したようですね」


メリアスの目の前にあるモニターに映しだされているのは上位種へ進化したダンジョンモンスターたちの姿。上位種になるダンジョンモンスターいれば地下45階の街で暮らす人型になるのもいた。


上の階層にいる、巨人やジャイアント・マンティスなどは戦闘経験が少ないから特に変化は無し・・・


「どうしましょう・・・人型になった者達は街に移動させますか?」

「それはコウキ様が来てから決めましょう。それまでは特別室で待機してもらいます」

「了解しました」


指示に従ったフライは急いで他のチームメンバー達にダンジョンモンスター達へ通達させる。


「・・・ますます、ダンジョン攻略が厳しくなりそうですね。ところで、タマモはまだ復帰できていないのですか?」

「はい・・・かなりショックが大きかったそうで。今、医療施設で休養をとっています」

「そうですか・・・では、おそらくすぐに復活するでしょう」


メリアスがそう言い切り、不在であるコウキとタマモの代わりにダンジョンの管理チームの指揮を取る。


・・・・・・・・・・・・・・・


「ん〜・・・・」


モニターを開きながら俺は暴走していた時の記憶を思い出そうとしていた。と言っても、本当に記憶が無く、どうやってこんなことができたのか謎であった。なんとなく作業していたことは感覚的に覚えているのだが手順だの方法だのは全く分からない。


多分、今の状態で同じことをしようとしても無理だと思う。


「とりあえず、新しく手に入れた能力を試してみるか・・・」


俺はモニターを開き、適当なアイテムを取り出した。


鉄鉱石

品質:良


俺は取り出した鉄鉱石を『スキャン』してデータを取る。そしてそのデータを元にまずはアイテム化させる。


鉄鉱石

品質:まあまあ


まあ、これはこれまで通り、元々のアイテムより劣化した状態でアイテム化させられる。今度は『ペースト』を発動させながらアイテム化させる


鉄鉱石

品質:良


おお!劣化しないでそのままの状態でアイテム化できた!・・・あ、でも消費する魔力は少し大きいな・・普通のアイテム化より3割ぐらい多い。


じゃあ次は『アップグレード』を発動させてアイテム化。


鉄鉱石

品質:最良


うん、予想通り品質や見た目とかさっきとり段違いに良くなっている・・・だけど消費する魔力が半端ない。鉄鉱石一個品質上げただけで普通のアイテム化の10倍くらいの魔力を消費している・・・これはあんまりポンポン使えないな。


んじゃ、次は『ダウングレード』・・・まあ、予想通りなら・・・


鉄鉱石

品質:粗悪


やっぱり・・・でも消費する魔力はそこまで多くない・・・むしろ普段のアイテム化より半分くらいの魔力で済んでいる。多分調整次第で質のレベルは変えられるだろう。


「能力はだいたい分かった・・・じゃあ次は『コンバイン』か」


名前からして『合成』だろうが・・・モニターには二つの画面が表示された。おそらく、二つのデータを合わせて新しいアイテムを生み出せるのだろう。


今目の前には鉄鉱石のデータがあるのだし、1つ目はこれで決定で、2つ目は・・・・・

俺は身の回りにあるもので何か使えそうな物がないかを見渡すとある物に目が止まった。


『マナの実』


「・・・試してみるか」


俺はメリアスが見舞いとして持ってきたマナの実を手に取り、スキャンを行った。


「うげ!これどんだけ情報量を持っているんだよ!スキャンするのにめっちゃ時間がかかるじゃん」


スキャンを開始すると、予想以上の魔力で完全にスキャンするのに3時間かかった。進化したことで能力は向上したと言っていたけど、もし進化する前だったらどんだけ時間がかかるんだ?


「・・・ようやく終わった」


スキャンした『マナの実』のデータがモニターに表示されると、その情報量に呆気に取られるが一度スキャンが済めばこっちのもの。俺は『コンバイン』を発動させると、モニターが一瞬眩しい光を放ち目の前に金色に輝く延べ棒が出現した。


「もしかして、金塊になったのかな?」


試しに【鑑定スキル】で金属を見ると目を疑ってしまった。


ヒヒイロカネ

品質:最高


ワォ・・・伝説の金属が誕生しました。


「ヒヒイロカネって・・・ダンジョンのアイテムにすら登録されていないやつだぞ。もしかして凄いもの生み出した?」


俺はモニターを確認すると、ダンジョンの魔力が消費されているのが確認できた。おそらく、マナの実をスキャンした分と、ヒヒイロカネを作った分か消費されたのだろう。


「これも、消費する魔力が多いからあまり乱用はできないな・・・でもヒヒイロカネか・・・」


目の前のヒヒイロカネが放つ光には魅惑魔法でもかかっているのだろうか?ずっと見ていても飽きないほど美しい光を放っていた。


「んん・・・あれ?私・・・・」


やば!隣に人いたのか?全然気づかなかった。


「ごめん・・・起こしちゃった?」

「いえ、大丈夫です。なんか一昨日から気分が優れなくて・・・世界がどうにでもなれって思うくらい絶望になって・・・でも、頑張らないといけないと思って・・・」


何!ウチの住民でそんな人がいたなんて・・・ってあれ?この声もしかしてタマモ?


「タマモ?・・・何かあったのか?」

「・・・その声・・・・コウキ様!!!!」


さっきまで毛布に包まっていたタマモは飛び上がるようにベッドの上に立ち上がった。


「も、申し訳ございません!コウキ様の目の前にいながら寝ていたなんて!それに仕事もせずこんなところで・・・・あああ!ダンジョンの管理が!」

「いや・・・疲れていたんでしょ?お前は管理チームで一番頑張っているんだ・・・少しくらい休んだって大丈夫さ・・それに今はメリアスに任せている。お互いしっかり休養を取ろう」

「・・・はい」


パニック状態になっていたタマモを落ち着かせ、ベッドに寝かせる。


「コウキ様はどうしてここに?」

「ん〜・・・話せば長くなるんだけど。俺も少し無茶やり過ぎたのかな?それでメリアスにここに連れて来られた」


そう言って俺もベッドに寝そべりリラックスできる体勢になる。


「そうでしたか・・・その、エイミィ様はどうされましたか?」

「・・・エイミィなら自室で休んでいる、メリアスの話だとお酒に酔ったらしい」

「お酒・・・ではあれは・・・お酒に酔って・・・」


どうやらタマモもあの時現場にいたのだろう・・・まあ、お酒に酔ってあんな行動を取ったと言ったら納得できる・・・普段のアイツだったらそんなことしないだろうし。


・・・別に悲しくなんかないぞ!


「・・・じゃあ、まだチャンスは」


何かボソっと言ったがよく聞き取れなかった。そして、何かスイッチが入ったかのようにいつものように明るい表情を見せる。


「よし!早く元気にならないと!そのためにもまずは栄養のある物を食べないと!」


そう言ってテーブルの上に置かれていた「マナの実」を手に取り一口食べる。多分医療施設が用意した果実だと勘違いしたのだろう。


「あ!・・・・それは!」


果実を一口食べた瞬間、タマモの身体は光りだし近くにいた俺の頭の中に機会っぽい声が響く。


タマモの種族覚醒に成功しました。

妖人族・九尾種から神霊族・稲荷神種へ覚醒しました。


【分析スキル】はレベル9へ上がりました。

妖術スキルは神霊術スキルへ変わりました。



うぁ・・・・また面倒なことになりそうだ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1〜3階層にいるダンジョンモンスターの進化リスト


ゴブリン種:

妖人族・鬼種、ホブゴブリン・亜種、ゴブリン・ウィザード、ゴブリン・ロード


オーガ種:

妖人族・鬼種、オーガ(属性持ち)、妖鬼、トロール、バーバリアン・オーガ、王牙鬼


オーク種:

獣人族・豚種、オーク・ウィザード、ボア・ウォーリアー、怪王猪


リザードマン:

有鱗族・蜥蜴種、リザードマン(属性持ち)、鰐人族、アイアンリザード、恐竜人族


ホーンラビット:

獣人族・兎種、雷角兎、ビッグフット・ラビット


スライム:

メタルスライム、ヒールスライム、スライム(属性持ち)、グラトニースライム

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