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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第八章 ダンジョン日常編
150/189

140話 新武器試したらレアスキル入手しました

これは俺がワイトから『神剣・リベラル』を手に入れた後の話だ。


「ああ、美しい・・・いつ見ても美しいな」


俺はスライムクッションに寝そべりながらワイトの最高傑作とも言われている剣を眺めていた。


「だけどこんな綺麗な剣なのにスキルが付与されていないのは残念だな・・・うーん、何か隠しスキルとか無いかな」


ワイトから渡された時、この剣を鑑定したらスキルは付いていなかった。まあ、俺は特に剣が使えるって訳じゃないから特に気にしていないが。ぶっちゃけ俺が持っていても宝の持ち腐れって気分だし。


そう思いながらもう一度、剣の詳細を見ると見慣れない文字が出現していた。


神剣・リベラル

品質:最上級

スキル:【リベラル・アーツ】


・・・あれ?


見たこともないスキルが一つ・・・おかしい。確か俺が確認した時にはこんなスキルは付いていなかった。


狼車の時の記憶を遡るが【リベラル・アーツ】というのは無かったはず・・・


「まあ、無いよりある方がいいか。【リベラル・アーツ】ってたしか学問の名前だったよな?大学とかにそんな名前の学部とかあったような・・・」


想像する限り、もの凄い効果がありそうな気はしないのだがあの素材とワイトの技術によって生み出されたんだ。きっと何か凄い効果があるに違いない。


「とりあえず試し切りをするか」


俺はさっそくフロアボス専用のトレーニングフロアである地下46階層へ移動した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

地下46階層


地下46階は何も無い荒野フィールドである。ただし地下45階層並にかなり広いフィールドだ。最初は自然フィールドや加重フィールド、理不尽トラップ地獄、灼熱フィールドとか用意していたのだが3日も経たずにこのフロアの地形がぶっ壊された。改めてフロアボス達の恐ろしたを知ったなあの時は。


だから最初っから更地にしてフロアボス達の要望にそったフィールドを俺が用意する形にした。その方が維持コストが少なくて済むからな。それでも利用されたフィールドは劇的なビフォーアフターになっているのは今ではお約束になっている。もちろん悪い意味でだ。


「さて、試し切りなんだしフィールドはこのままにして・・・とりあえずオブジェクトとして固そうなものを適当に・・・」


俺はモニターのリストに登録されている岩や巨大鉱石などを次々と出現させる。


「とりあえずまずはお約束の藁人形で」


俺は藁人形に向けて思いっきり斬りつける。すると俺の視界が一瞬スローモーション映像みたいにゆっくりと動き出し藁人形に触れた瞬間、元のスピードに戻り藁人形が真っ二つになる。そして振り下ろした剣から斬撃が放たれ、10mくらい地面をえぐった。


これがもしかして達人の領域というものなのか?


「もしかして俺に眠っていた剣士としての才能が目覚め『そんな訳ないでしょ』・・・エイミィ」


自慢気に言っていると上空からエイミィがゆっくりと降りてくるのが見える。ここで残念なことが二つ、一つは俺の独り言を聴かれたこと、そして二つ目はエイミィの服装がスカートじゃなくてワイドパンツであった事だ。


「今日はずいぶんとラフな格好だな」

「そう?今日は娯楽エリアでファッションショーが行われてね。私も参加したのよ・・・当然、優勝は私」


ニッコリとブイサインを送るエイミィ・・・お前が出たら優勝確定だろ・・・いや、メリアスが出たら分からないな。あいつも外見とかは完璧に女神感あるし、色んな意味で最強だからな。


「それはそうと光輝。あなた【剣術スキルEX】を付けたままでしょ」

「あ・・・そういえば」


おれは すぐにモニターで確認するとズラーっとアクティベートされたスキルが表示されていく。そしてその中にはフロアボス達の強力なスキルも含まれていた。


「今の剣技とかもそのスキルのアシスト効果のおかげね」

「なんだ・・・そういえばエイミィ。お前、スキルのことは何でも知っているよな」

「そりゃ、人々に恩恵スキルを与えることが役目出し、この世界に存在するスキルは知り尽くしているわ」


ワォ・・スゲー自信だな。まあ女神なんだし当然か。


「じゃあこの剣に付与されているスキルってなんだ?」

「どれどれ・・・っちょ!光輝、この武器どこで手に入れたの!」


エイミィが剣を見るやいなか、驚愕した様子で剣を握る。


「どこでって。この前ヒヒイロカネって鉱石を手に入れたのは知っているよな。あの鉱石でワイトに作ってもらったんだよ。そしたらスキルがこれしか付いていなくて。これってどんなスキルなんだ?」

「ヒヒイロカネにワイト・・・なるほどね。光輝、その剣最初はスキルは付いていなかったでしょ?」

「ん?ああ、そうなんだ。貰った時に確認したんだがあの時はスキルは付いていなかったんだ」

「まあ、当然よ・・・オリジンが誕生したんだから」


オリジン?この国のことか?


「簡単にいうとこの世界に最初に誕生した物ってこと。まあ私から説明することはできるけどもっと適任者がいるわ」


エイミィはしぶしぶって感じでモニターを開くと誰かに連絡を入れはじめた。するとモニターから見覚えのある青年が映しだされる。


『やぁ、エイミィ、光輝君久しぶり』


エイミィと同じ三大神の一柱のシンだった。


「シン、ここ最近でオリジン武器が生み出されたわよね」

「ええ、確か記録では。ヒヒイロカネを使った両刃剣。名前は『神剣・リベラル』作成者はホワイトリーと登録されているね」


どういうことだ?何でシンがそれを知っているんだ?


『何故、そんなことを知っているんだ?って顔をしているみたいだけど。これでも僕も神様だからね。アルヴラーヴァで起こっている記録を管理するのが仕事さ・・・っでもう一つあってね、光輝君は【鑑定スキル】を使ったことはあるよね?』

「え?まあそりゃしょっちゅう使っているけど」

『疑問に思ったことは無かった?『何で鑑定したらこの名前なんだろう』って?』


あ・・・言われてみれば。説明文とか便利過ぎて気づかなかったけど確かに名前があるってことはそれを名づけた存在がいるはず。


『まあ、それも僕の仕事でね。未だ鑑定スキルに登録されていない物がスキルによって誕生したら僕が名前と詳細を与えて、エイミィがそれに見合ったスキルを与えるんだ。っでその新しく生まれた物を『オリジン』って呼んでいる』


なるほどそんな仕組みになっているんだ。


「今回の武器だけど光輝が鑑定した時にスキルが入っていなかったのはまだ私がスキルを与える前だったからよ」

『まったく、これはあなたの仕事なんですからできれば早急に対応してもらいたいです。僕なんか作られて10秒で名前を付けたんですよ』


10秒で名付けるとか・・・ものすごく名前への重さが感じられなくなったぞ。


『まあスキルが今更になって付与されたのはエイミィの怠惰な行いが原因ってことです』

「っちょ!それじゃ私が悪いみたいじゃないの!」

『事実なのですから仕方ないでしょ?それともスキルを与えるよりも重要なことでもありました?記録では付与されたのは今日の昼頃になっていますよ』


あ、その時間は丁度ファッションショーの昼休憩の時間帯だな。エイミィのやつ昼休憩の合間に入れたのか。


「っぐ!とにかく、オリジンのことは理解できたわね。じゃあシン説明ありがとう」

『え?っちょっと久々にあったのにそれ・』


そう言ってエイミィはシンが言い切る前にモニターを消す・・・これはエイミィが悪くね?


「はぁ・・・じゃあ次はスキルの説明をするわ。簡単にいうとスキルの自由化ね。」


何事もなかったかのように説明しだすエイミィ・・・こいつの神経図太すぎだろ。


「ちなみに光輝の知っている学問のリベラルアーツとは関係無いから。文字通り『自由なスキル』って事」


あ・・・やっぱり。


「スキルの自由化ってどういう意味だ?」

「そうね・・百聞は一見にしかずね。光輝、ナギとエドワードをここに呼んでもいいわよね?」

「え?構わないが」


俺が許可をダストエイミィはすぐにエドおナギに連絡を入れる。エドは分かるが何でナギも?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数分語、俺が用意した転移門から二人がやってきた。


エドはここに来慣れているから平然としているがナギは少しビクビクした様子だった。


「あの、コウキさん。ここって地下46階層ですよね?たしかここはフロアボス専用の場所だとメリアス先生から聞いているのですが」

「ああ、基本ここは一般人立ち入り禁止何だが今日は特別にな。エイミィ、エドは分かるが何でナギも連れてきたんだ?」

「彼が子供達の中で一番魔法の扱いに慣れているからです」


あ・・・エド達がいるから女神モードになっている。


「エドワード、ナギ・・・二人にはあの岩に向けて【ファイアーボール】を撃ってください。ただしエドワードは【詠唱破棄スキル】、【詠唱短縮スキル】、魔法のバフ効果のあるスキルを使用しないでください・・基礎的な攻撃でお願いします」

「え?・・・ファイアーボールですか?」


未だに状況がつかめていないナギは少しぽかんとした様子で答える。


「エイミィ様には何か深い考えがあるのだろう。ナギ、言われた通りにやるぞ」

「は、はい!」


二人が並び同時に魔法を唱え始める。エドは魔法関係のスキルをオフにしたから発動時間がナギと同じくらいになっている。


「「ファイアーボール!」」


そして二人が一斉にファイアーボールを放つと同時に岩に激突。ただし明らかにエドのファイアーボールの方が威力がある。


「さすがエドワード様です」

「いや、ナギもその年で正確に当てられたのだから十分にスジは良い」


エドワードは少し嬉しそうにナギを褒める。


「光輝、今の二人の魔法を見て気付いたことはありますか?」

「気付いたこと?・・・同じファイアーボールでもエドの方が威力が高かったことか?」

「0点・・・ではヒント。早さです」

「早さ?・・・そういえば、エドのファイアーボールもナギのファイアーボールも動きは全く同じだったな。あと大きさとかも」


普通に考えればエドの魔法の方が早いイメージがあるし、大きさも同じとはいかないはず。だが二人のファイアーボールは全く同じだった。威力はおそらくレベル差によるもの。この辺はなんとなくゲームと同じだな。というか今更だがこの世界ってゲーム要素がものすごく強いよな・・・異世界設定の定番だけど。


「正解。これはこの世界の『理』です。スキルはいかなる使用者でも動きは同じなのです。ファイアーボールなら時速40km、直径10cmというのが決まっています」

「なるほどエイミィが伝えたいことは分かった。だけどそれとこのスキルとどう関係があるんだ?」

「では次は光輝がファイアーボールを放ってください。もちろん剣を構えた状態で」

「俺が?まあ使えなくは無いが」


剣を構えてファイアーボールってことはゲームに登場する魔法剣士のようなイメージかな?

俺は剣に魔法を込めながら火の玉をイメージする・・・すると剣の先っぽから巨大な火の玉が出現する・・大きさは直径3mはある。


「っちょ!俺間違いなくファイアーボールを出したはずだよな!何だよこの大きさ!」

「それがその剣の効果です。スキルにおける『理』を解除し、自由に魔法の形態や威力を調整することができるのです」


つまり、魔法でも俺のイメージシタ通りになるわけか。


「って・・・なんか凄く魔力吸われている気分なんだが」

「それは当然です。魔法の形や威力などは全て光輝が管理するのですからそれを維持するための消費魔力も加算されます。ほら、あの岩にめがけて撃ってみてください」

「っく!おら!」


俺は剣を振りおろし先端に出現したファイアーボールを解き放つ。明らかにエド達のファイアーボールとは桁違いに早い。だが、ファイアーボールは見事に岩とは別の方向に向かっていく。


「うげ!ここで外すのはカッコ悪・・・ってあれ?」


ファイアーボールはそのままそれていくかと思ったが次の瞬間まるでカットボールのように大きく曲がり始め岩に激突・・・まるでダイナマイトでもぶっ放したかのような威力だった。


「術の速度に動き・・・これらも光輝の自由に操作することが可能なのです」


スゲー・・・こんなことが可能なのか。こりゃ、想像以上にとんでもない武器を手に入れたんじゃないか?


「さすがコウキ様。それがコウキ様の新たな力ということですね」


エドは何故か感動したかのように眼をキラキラさせながら俺を見る。いや、凄いのは俺じゃなくてこの剣な。


「まあ扱いはかなり難しいスキルなのですが想像力がある光輝なら問題ないでしょう」

「これは要練習だな」


まさに自由自在のスキルってことか・・・これは色々と面白いことが試せそうだな。


「あ、そうでした。ナギ・・・今回のことは他言は厳禁とします。もし破ったりしたら今後のお昼の給食にあなただけおかずを少なくします」


メッチャ軽い処罰だな!


「と、当然しゃべりません!もしナミとかに知られたら後が怖いし」


ナミに恐れているのか給食の現象が怖いのかはこの際どうでもいいがこの様子ならナギも離すことは無いだろう。


「今日はありがとうな、なんか復習みたいなのに付きあわせてしまって」

「いえいえ、この程度お安い御用です。それにコウキ様の新たな力を見られたこと。それこそ我にとって最高の褒美。我も更に精進できる可能性をしれたのですから」

「ぼ、僕も凄い勉強になりました!」


エド達はそう言っていたが、いずれはちゃんと形にして返さないとな。


そしてしばらくエド達を交えて剣の実験を行い有意義な時間を過ごした。

リベラル・アーツ

スキルの動作を操作できるスキル。

ゲームでいう自由度の高いモーション編集、形状編集が可能になる。

・【魔法スキル】の場合、速度、形、動作の編集が可能。

・【強化スキル】の場合、強化する加減がより詳細に可能になる。

・【生産スキル】の場合、アレンジがしやすくなる。

・【ゴッドスキル】の場合、効果なし。

・スキルに使用する魔力はその分増加する。

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