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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第一章 ダンジョン創作編
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13話 異世界人と話していたら神が来ました

才と別れた後、俺は食堂に向かった。別に食事は仲居さんに頼めが持ってきてもらえるらしいが、この旅館には食堂が用意されていて、お客さんの前で料理を作ってくれるらしい。


この旅館のお客さんの殆どがそれを見たいがために食堂に行くらしい。


食堂はビュッフェスタイルのように大量の料理が並べてあり、客が自由に取って食べている。所々に人間以外の種族、獣人やエルフの姿が見られる。


「そういえばダンジョン以外で人間以外を見たのは初めてだな」


そう言っていると、大量のステーキ肉が積まれた大皿を持ち上げる獣人の少女の姿がいた。薄い桃色の髪に黒いストライプが入った猫耳と尻尾。無邪気に笑う姿はまるで愛玩動物のように癒される。


「あんな子供も働いているのか・・・・あれ?」


だが獣人少女は料理が並べられているテーブルを素通りして、誰も座っていないテーブルの上に置いた


「いっただきまーす!」


客かい!ってかあの肉全部食う気か?!明らかに大人10人前はあるだろ!


豪快にのせられた大量の肉を少女はナイフとフォークをしっかりと使いこなし食べ始める。最初の仕草とは裏腹に意外と食事のマナーはしっかりしていた。フォークとナイフの持ち方も正しく、音も立てていない。


ファンタジー世界の獣人って野生的なイメージが強いがそういう訳でもないみたいだ。他の客も彼女に釘付けだった。そんな視線を気にせず彼女のペースは落ちることもなく肉を口に入れる。


「(もぐもぐ)・・・・?」


彼女の視線が俺と合うとジーと見つめた後再び食事を始める


「・・・なんだったんだ?」


「なあ、もしかしてあの子、マヤ様じゃないか?」

「本当だ、マヤ様だ。彼女がいるってことは・・・」


他の客たちがヒソヒソと話しているのが聞こえる。


「マヤ、こんなところにいたのか。部屋に戻ったらいなかったから探したぞ」


入り口に振り返ると、浴衣姿の才と後ろには黒髪に褐色肌の少女が後ろにいた・・・・まさか才はロリコンなのか?


「あ、サイお兄ちゃん。ごめんなさい、お腹空いていたから先に来ちゃった」


猫耳少女は面目なさそうな顔をして、猫耳がたれる・・・何この子物凄く可愛いんだけど


「ん?光輝じゃいなか・・・お前もここで飯か?」

「才もここで夕食?」

「ああ、部屋で食べるつもりだったがこいつが部屋からいなくなってな」


才が猫耳少女の頭をなでていると、うれしそうな顔をして尻尾がクネクネと動いている。そして、後ろの褐色肌少女はムスーとした表情で彼女を見ている。


「サイお兄ちゃん、この人誰?さっきからマヤのご飯食べているの見ていたんだけど・・・は!もしかしてマヤのご飯を狙う悪い人?」


いやいや、取らないから


「また、肉大量に取ったんだろ?そりゃ誰だって釘付けになるさ。光輝、紹介する。俺の仲間のマヤだ。・・・まあ、見た通り猫耳の半獣人だ。っで俺の後ろにいるこの子はスイ、俺の秘書をやってもらっている」

「始めまして光輝様。才様の秘書をしています、スイと申します」

「よろしく!コウキってサイお兄ちゃんのお友達?」


礼儀正しく挨拶をするスイと元気に挨拶をするマヤ。


呼び捨てかよ・・・まあいいけど。友達というか、異世界から来た先輩後輩の関係?


「友達・・・まあ、そんなものだな」

「サイ様、やはりここでは目立つかと思います。お食事でしたら我々で運びますから」


後ろに控えているスイちゃんが周りの視線を気にしながら言ってきた。確かに、他の客達はすでにマヤちゃんの肉さらから才に移っていた。そして、その才と立ち話していた俺にも焦点が当たる。


そういえば、才は英雄なんだっけ。そんな人と一緒なら間違いなく注目されるわ


「ああ、やはりこうなるか・・・光輝、お前も来るか?」

「え?でも、邪魔にならないか?」

「大丈夫だ・・・それより急ごう。マヤ、その肉は仲居さんたちが運んでくれるからお前も一緒に来な」

「はーい」


そう言って、俺は才に連れて行かれこの旅館のVIPルームへと案内された。

部屋は俺が泊まった部屋の約5倍の広さ。内装も景色も設備も段違いだ。個室用の温泉まで付いている。まるで高級マンションの一部屋みたいだ。


「うああ・・本当にここ俺が泊まっている旅館と同じか?」

「別にこんな風にしなくてもいいのに・・・『オーナーですから是非VIPルームに泊まってください』とか言われてな。俺はどちらかというと光輝が泊まっている部屋でも十分だったんだけど」


呆れたような表情を浮かべながら才たちは縁側の近くに置かれている椅子に座った。


「そういえば、何で俺も連れてきたんだ?話だったら明日するつもりだったんじゃ?」

「・・・気付かなかったのですか?サイ様に親しく話していたのが周りの客に見られていたのですよ。あのままコウキ様を置いていったら間違いなく、質問攻めされていました。サイ様と繋がりを持とうとする人は大勢います、ストーカーまがいなことされたことも何度かありました・・・当然、そういった輩は二度と出来ないように釘を刺しておきますが」


スイちゃんに説明されてなんとなく想像できた。以前会社で有名芸能人と知り合いだと言った先輩が後輩社員から色々と質問されていたのを覚えている。才ほどの有名人だったら俺を使ってつながりを持とうと考えるかもしれない。


「なるほど。あ、だから俺の部屋に入るときも防諜結界を張ったのか」

「そういうことだ。まあ、とりあえず今は飯にしよう。料理の味は俺が保障する」


そしてタイミング良く、ミキティさんや他の仲居さんたちが料理を運んできてくれる。


「これって、やっぱり」


ビュッフェに並んでいた料理の殆どは異世界らしく俺が見たことも無い料理ばかりだった。だが、中には異世界には似つかない料理も並んでいた。てんぷら、味噌汁、トンカツにエビフライ、その他見たことがあるものばかりだ。


「てんぷらに味噌汁・・・なんで、この世界に・・・まさか!」

「俺がここの料理長に教えた。他にも地球の料理はギルドがある町にならもう伝わっているはずだ」


異世界で地球の料理を再現させる話はよくある。だが、その再現は非常に難しいことが多い。エイミィから食材について聞いたことがあるが、殆どが地球には無い食材らしい。だから、地球の料理を再現するにはかなり苦労するだろうなと思っていた。


「いただきます・・・・うまい!まさか、異世界で日本食が食えるとは・・・この味噌汁も旨い!」

「うみゃ・・・やっぱり、とんかつは最強!」


気が付いたら、才の隣でとんかつをほうばるマヤの姿が・・・相変わらず食事をする姿勢やマナーはしっかりしている。


「しかし、マヤちゃんのマナーしっかりしているな。食堂でもまるでお嬢様みたいな食べ方をしていたぞ」

「才お兄ちゃんが教えてくれたの!食事をするときは行儀良く食べないと他の人のご飯が美味しくなくなるって。マヤ、皆もご飯美味しく食べて貰いたいの!」


なるほど、才の教育のたまものって訳か。スイちゃんも才の隣で行儀良く食事をしている。気がつくと大量に積まれていた肉はなくなっていた


「しかし、よく食べるねマヤちゃん。来る前もステーキ食べていなかったか?」

「いっぱい食べると大きくなれるから、食べられるときは食べておくの!」


そうかそうか・・・ああ、なんか癒されるな。これはぜったいギルドの中ではマスコット扱いされるな。


ってか俺のダンジョンの癒しって誰だ?まだ、フロアボス達との交流がまだだったからな・・・あまりよく知らないや。


「サイ様、コウキ様とお話をするのでしたら私達は席を外したほうがいいのでは?」

「別にいても構いませんよ」

「いや、すまないが外していてくれ。防諜結界は張っておくから、お前達は部屋に言っていてくれ」

「・・・かしこまりました。マヤ、行きますよ」

「もぐもぐ・・・了解!」


食事を終えた後、スイとマヤは別の部屋に入っていた。そして、俺と才だけになると才は再びモニターを操作して結界を張った。


「さて、明日話すとか言ったのにすぐ再開するのもかっこ悪いが・・かなり重要なことだからここで話すとしようか。光輝、神と連絡は取れるか?」

「え?出来るけど・・・・」


正直いくら同じ地球出身だからといっていきなりエイミィと連絡させるのは難しい。出来れば俺は才を信じたいけどリスクがある。


俺が悩んでいると、なんちゅータイミングなのかエイミィから連絡が来た。


「輝元気?連絡が来ないから、心配しちゃったよ。でもその様子だとちゃんと町に着いたみたいだね」


本当に神か?と思うくらいご機嫌な返事をするエイミィがモニターに映しだされた。

登場人物紹介に才、スイ、マヤ、ウィリアム、シン、セフィロトを追加しました。そちらも是非見てみてください。感想なども受け付けています。


http://ncode.syosetu.com/n0988dr/1/


始めは才を主人公にして、第二部作で光輝の話しにしようかと思っていましたが、完走できる自信が無くボツとなりました(汗)。

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