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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第七章 ダンジョン交易編
135/189

127話 フロアボスが調子に乗ったのでOSHIOKIしました

今回はちょっとギャグパートになります。

「フフフ・・・ようやくだ・・・ようやくアレが完成した」


俺の目の前には大量の設計図で埋め尽くされたモニターが表示されている。


「素材良し、作動テストも完了、エラーチェックもOK・・・」


最終確認を終えた後、俺は行動を移すことにした。


全ては住民のため・・・・そして、あいつのために


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日、俺はリズアで暮らす子供たちを街の娯楽エリアに呼んだ。娯楽と言ってもまだ大きめの公園や週に一回行われる街のイベント会場くらいしかないが、今日新たに新しい娯楽を作ることにした。


「コウキ様、どうしたのですか?僕たちを呼んで?」


ナギは少し眠そうな顔で俺に質問した。もうお昼なのにこの眠気、おそらく徹夜で魔法具を作っていたのだろう。


「まあちょっと、皆にプレゼントをしたいと思ってな」

「プレゼントですか?」

「そうだ・・・これを見よ!」


俺は『光化学迷彩』を解除して目の前に巨大な施設を子供たちに見せる。


『おおおお!!!』


子供たちの目の前には『オリジンパーク』と書かれた看板に大量の遊具施設・・・そう、遊園地がそこにあった。規模はそこまで大きくないが、思いつく遊具は全てそろえてある。


それを見た瞬間子供たちの眼はまさに希望で満ちた輝きを見せた・・・イメージしやすいように言うと椎茸目である。


「今日からここが君たちの新しい遊び場だよ」


『やったああああ』


子供たちのテンションはまさにフルバースト状態で興奮していた。


「コウキ様!あれは!?」

「あれはメリーゴーラウンド。乗り物に乗ってグルグル回るやつだ」

「コウキ様、あれは?」

「あれは、コーヒーカップ。ハンドルを回して回転して遊ぶものだ」

「コウキ様!あれは?!」

「あれはジェットコースター。ものすごいスピードでレールの上を走る乗り物だ」


定番な乗り物は大抵用意しておいた


「あの!これどうやって乗ればいいのですか?」

「ああ、入り口に入ってモニターで操作すれば中に入れるよ。準備が整ったら動き出す仕組みだ。だから皆好きなところに行ってきな」


俺がそう言うとまるで蜘蛛の巣を散らすかのようにそれぞれ遊びたい場所へ向かう。

うんうん、子供たちはこう元気じゃないとな。


それから数時間、子供たちは閉園時間になるまで遊びつくした。


・・・・正直甘く見ていた、子供たちの体力恐ろしすぎだろ。あんだけ遊んでまだ余裕な顔をしているぞ。


「コウキ様!ありがとうございます!」

『ありがとうございます!』


ナギを始め子供たちは一斉に笑顔で感謝した。こういう笑顔を見ると作った甲斐があったと思うよ・・・目的はまだあるんだが。


「遊ぶのもいいけど。ちゃんと勉強もしなよ・・・じゃないと俺がメリアスとエイミィに叱られるんだから」


勉強を疎かにする原因を作ったとか言われてあの二人に何か言われるのは正直ごめんだ。


『はーい』


子供たちは素直にそう返事する。本当、ウチの子供たちって素直だな。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


そして、子供たちが帰った後、ようやくメインがやって来た。


「コウキさん、何かオモロイもん作ったと聞いたんですけど何を作ったのですか?」


やって来たのは作業服の姿のままのゾアだった。


「ああ、子供たちに遊具を作ったんだけどお前にも楽しんでもらおうかなと思って」

「へぇ・・・じゃあ、ワイは特別ゲストっちゅうわけやな・・・せやけど、なんで子供たちを帰した後にするんです?一応、呼ばれればすぐにでも行けたんですけど」

「まあ、まずは子供たちに楽しんでもらいたいってのがあってな。それに、フロアボスが叫ぶ姿とか子供たちに見せられないだろ?」

「ははは・・・コウキさん、ワイはフロアボスやで?叫ぶなんて・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ぎゃああああああああ!スマンセン!スンマセン!マジで止めてくれ!」


ゾアの絶叫は遊園地全体に響き渡る。ちなみに、ゾアが入った後防音結界と光化学迷彩でゾアの情けない姿は知られないようにしてある。


「はぁはぁ・・・何ちゅう恐ろしいものを作ったんですか!」


ゾアの顔は冷や汗などでかなり酷い状態になっている・・・まあ、まだ余裕がありそうだな。俺は再びリモコンで『鎖』と安全ベルトで固定したゾアをジェットコースターに乗せて動かす。


「いぃぃぃやあああああ!」


とても裏ダンジョンのフロアボスとは思えない情けない姿であるがまあ、こういう弱点がある方が面白いよな・・・弱点ある方が可愛げがるってもんだ。


「言っとくが、ワイトを勝手に連れ出したことや、カジノでイカサマさせた罰はこの程度じゃないからな。次はコーヒーカップだ・・・お前専用にレッドモードにしてある。普段の三倍は回るぞ」

「っちょ、まじでマズイですって!」


それから一時間ほどゾアへのお仕置きが続き、二度とワイトに変な悪知恵を与えないことを約束させた。


後にゾアは遊園地には近づこうとしなくなったのは言うまでもない。

ゾアの弱点:揺れる乗り物(ただし自分が作った魔法具は平気)


次回はしばらくオリジンでの日常編を書いていこうかと思います。住民たちの普段見せない私生活なども書く予定です。

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