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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第七章 ダンジョン交易編
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126話 調印式を終えたので帰還しました

勲章式が受賞された翌日、とうとう待ちに待ったオリジンとテオの交易の調印日がやって来た。場所は城でやるのかと思っていたが、城でやると色々と面倒なことが起きるらしいのと密談をやるなら俺の屋敷で行う方が都合がいいらしい。


「コウキ様、セレナ姫とサイ様たちがご到着されました」

「ああ、ありがとうジェームズ」


ジェームズの報告を受け、俺は玄関に出るとそこには丁度馬車から降りたセレナと才たち。


「コウキさんおはようございます。私たちの都合で約束の日を先延ばしにして本当に申し訳ございませんでした。そしてテオを救っていただいたこと、誠に感謝しています。本来であればコウキさんたちにも勲章をお渡しするはずでしたがこちらの都合でお渡しできなかったことが本当に心苦しいです」


俺に気付くと真っ先にセレナは俺たちの前に現れて頭を下げる。その光景を見たジェームズ達は物凄く驚いたため、俺はすぐに止めさせる。


「頭をあげてください。謝罪の言葉は昨日すでに受け取っていますから」


実は昨日、授章式の後に行われたパーティの最中、セレナに群がる貴族たちを追い返し個室に呼んで謝罪の言葉を受け取っていた。忙しい身だというのに、謝るためにわざわざ貴族たちを追い返すんだからそういう所はしっかりしているなと感心した。


「それに今日は待ちに待った調印の日ですよ。そう言ったことは無しにしましょう・・・さ、入ってください」

「ええ・・ありがとうございます」


セレナたちを中に入れた後、俺たちは屋敷の応接室でさっそく契約を行った。


「では、スイ書類を」

「はい、姫様」


セレナが指示を出すと、スイちゃんがカバンの中から一枚の紙を取り出す。一件普通の契約書の紙であるが、物凄い魔力が込められているのが感じられた。


「こちらは神・シンの加護が加わった特殊な契約書でございます。基本国同士などで行う重要な契約などはこの紙を使って契約を行うのですよ。この契約を行った場合国の法律として登録され、以後国民はそのルールに従わなければならないのです」


へぇ・・そうなんだ。


内容を読んでみると内容は主に商業関係のものだが、しっかりと軍事利用はもちろん国の政治には関わらない事も書かれている。


念のためアルラやゾアにも見せて確認を取った後、俺はサインを入れる。すると契約書が突然光出し、光の粒子となって消えた。


「これで契約は成立です。内容はモニターに登録されていますのでいつでも確認が取れます。もし、契約を破棄するときは互いの合意が無ければできませんので注意してください」


その辺は普通の契約と変わらないな・・・まあ、とりあえずこれで契約は終了したな。


「おめでとうございます、光輝様。これでオリジンとテオプア王国との友好関係の第一歩ですね」


アルラは嬉しそうに言うと、ゾアやグンナルたちも嬉しそうな顔をする。


「できればこのまま同盟関係も結びたいのですがね・・・」

「それはまず商業の様子を見てからにしましょう。同盟もこちらは前向きに検討していますから」

「ええ・・・その時が楽しみです」


契約も終了してひと段落ついたのだが、こんなにあっさり終わるんだったら先延ばしにしなくても良かったんじゃないのか?


「では、さっそく商談を始めましょうか。サイ、準備はできていますか?」

「ああ、そろそろ到着すると思うぞ」

「到着?」


セレナと才が何やらニヤニヤした顔で話し合っているとジェームズがノックして入ってきた。


「コウキ様、屋敷の前に大量の馬車が停車して・・・・」


はい?


俺達は急いで玄関へ向かうと、城の兵士たちが次々と品を運んでくる。かなり広い玄関も殆ど運ばれてくる品で埋め尽くされていく。


「・・・これは」

「半分はコウキさんたちが注文した品で、もう半分は国を救っていただいたお礼として受け取ってください」

「っちょ!こんなに受け取れませんよ!」

「邪神討伐に地脈の修復を殆ど済ませたんだ、これくらいの褒美は当然だ。爵位と領地って話もあったんだが、そんなもの興味ないだろ?」


才が当然と言いたげな顔で言うがさすがにもらいすぎだろ。


「光輝様、ここはありがたく受け取りましょう。せっかく用意していただいたものですしここで返すのは失礼かと思います」


アルラがそう言うと、セレナが深く頷く。


「・・・分かった。セレナ様、用意していただいた品ありがたくいただきます」

「ええ、どうかオリジンの皆様にお渡しください」


「才、用意した品はこれで全部だぞ」

「大量大量にゃ」


最後の品を運んできたヒュウとマヤちゃんがそう告げる。


「ご苦労様ですヒュウ。第三騎士団の皆さん達には城に帰るように伝えてください」

「了解」


どうやら、さっき荷物を運んできたのはヒュウの部下たちのようだ。


「じゃあ、光輝これがお前たちの頼んだ分の請求書な」


才がそう言うと俺の目の前にモニターが出現し、頼んだ分の額が記された請求書が表示される。俺はすぐにダンジョン銀行(仮)のお金から支払う。


「とりあえず、こちらの取引は成立だな・・・ところでこの荷物はどうするんだ?」

「どうするも何もこのまま転移門で運ぶよ・・・そうだ、もし今時間があるなら一緒にオリジンに来るか?」


そのセリフを待っていました!という風にセレナは嬉しそうな表情で頷く・・・そうとうあそこが気に入ったようだな。


俺はジェームズ達も呼び全員をオリジンへ案内をする・・・1週間ぶりに里帰りだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

リズア・ヴァプ


「お帰りなさい光輝」


出迎えてくれたのはエイミィだ、後ろにはミーシャがいることから多分彼女がエイミィの護衛役として任されているのだろう。相変わらず女神フェイスのエイミィだが少し顔が緩んでいるような気がするが気のせいだろうか?


「ただいま、オリジンの方は問題とかは無いか?」

「ええ、皆いつも通りの生活をしていますよ」


俺は平然とエイミィを挨拶を交わすと、その光景に目を丸くさせた人達が3名。


「ま、まさか本物のエイミィ様?!」

「嘘?!え?・・本当?!」

「あわわわ」


そう言えば、この三人にはあまり俺のことを伝えていなかったな・・・あとでゆっくり説明しておかないとな。


「お久しぶりです、エイミィ様・・・またお会いできて光栄です」

「セレナ姫、お久しぶりです・・・邪神のことは光輝から聞きました。とても大変だったでしょう」

「ええ・・・ですが、コウキさんたちのおかげで王都は殆ど被害を出さずに邪神を討伐できました、それどころか乱された地脈の修復・・・コウキさんたちには感謝しきれません。本当、オリジンにはなんとお礼を言って良いか」

「今回の邪神の件は全て光輝の判断で解決されました。私は感謝されることは何一つしていませんよ」


未だ黙っていたことを根に持っていると言いたげな目で俺を見ると、俺はすぐに目をそらす・・・だからゴメンって。


「ところで、今回はゆっくりしていくのですか?光輝達が帰ってきたことで住民の皆さんは宴を開く準備に取り掛かっていますが」


え?・・・ちょっと早すぎじゃない?


「宴ってことはまたお肉が食べられるのかにゃ?!」

「ええ、最近生産部門の研究で生まれた極上の牛肉ができたのでそれを使います」


それを聞いただけで、マヤちゃんはよだれを垂らす。


「サイ兄ちゃん!」


期待の眼差しで才を見るマヤちゃん・・・なんだろうこの癒しオーラ、凄く和む。


「はぁ、いいぞ。俺は仕事があるから少ししたら帰るぞ」

「そうなのか?」

「ああ、まだギルドの仕事がな・・・」


相変わらず忙しい奴だな


「では、皆さんをご案内します。光輝、テオでお世話になった方々の紹介はそこで行いましょうか」

「そうだな、ジェームズ達の顔を知ってもらうには丁度いいか」


ジェームズ達は頭の上に?マークを浮かべながらついていく。


広場に到着するとすでに道端に大量のバーベキューコンロが並べられて美味しそうな匂いが充満していた。


「「おおおお!」」


眼を輝かせたマヤちゃんとヒュウはさっそく列に並び始める。


「あ、コウキ様。今テオからお戻りになったのですか?」

「エイミィ様!このお肉凄く美味しいですよ」


俺に気付いたナギナミツインズ。兄のナギは丁寧にあいさつをし、妹のナミは嬉しそうに皿に盛られた焼肉を見せる。


「ああ、テオのお土産とか沢山あるから後でゾアのいる研究所に行ってみな」

「「おお~」」


それを聞くと双子は嬉しそうな顔をして研究所へ走り出した。

・・・・後でって言ったのに


「コウキ様。我々もカルラ様に報告をしてきますのでここで失礼します」

「そうか。一応俺からもカルラにお前たちの活躍を言っておくよ」


オウカとランカは少し嬉しそうな顔をするが、グンナルだけは少し悩んでいる様子だ。


「・・・お前はよくやった」


俺はそう言ってグンナルの肩に手を当てて励まし見送った。


その後、オリジンとテオプア王国の交易調印が成功したことを祝して大きな宴が開かれた。


ああ、やっと帰ってきたんだな。

住民たちの楽しそうな声に包まれながら俺は極上の肉を食べながらそう思った。


リアルの仕事が物凄く忙しくなってきたのでしばらく投稿ペースが遅れます。ご了承ください。

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