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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第七章 ダンジョン交易編
132/189

124話 カジノに行ったら子供たちが無双しました

アルラ達と競馬の観戦を終えた後、プラムから連絡が入ってきた。


『コウキ様、今買い物が終わりました!すごく楽しかったです!』


満面の笑みのプラム、後ろに映るワイトも満足そうな様子で欲しいものは買えたみたいだ。ランカは売店とかで色々と食事をして味を盗んでいたみたいだ。


「楽しんだなら良かったよ・・・こっちも終わったからそっちへ迎えに行くよ」

『はい分かりました』


俺たちは牛車に乗ってアルラ達を回収する。


「皆楽しんだみたいだな」


プラムたちはモニターに映っていた状態と変わらず凄く満足した様子だった。


「はい、色々じっくり見れてとても楽しかったです」

「僕も色んな素材を買えました・・・ちょっと使いすぎたかもしれませんが」


「そうか、それじゃあ屋敷に戻るか」


カジノに行こうかと思っていたがさすがにプラムたちも連れていくのはマズイ。一応子供も入れるようだが、ワイトやプラムにカジノの空気を吸わせたくない気持ちがある。二人共しっかりしているけどまだ子供。ゾアとアルラと違って精神的にまだ子供な部分があるのだからこんなことに身を滅ぼしてほしくない。


「あれ?コウキさん、カジノには行かへんの?」


このまま帰ることになったのに疑問を思ったゾアがポロリとこぼす。


「カジノ?・・・それってどんなところなんですか?」

「簡単に言えば娯楽の場所や・・・様々なゲームがあるメッチャ楽しい場所らしいで」


ゾアが眼を輝かせながら説明するとその輝きが二人に伝染する・・・あ、これは行きたがる目だな・・・・


俺は一度ゾアを睨みつけため息を吐いて二人を見る。この様子だと俺がいないときに勝手に行く可能性があるな・・・それだったら一緒に行ってどういう場所かを教育するほうがいいかもしれない。


「二人共行きたいか?」

「「行きたいです」」


そして俺は二度目のため息を吐いて、ヴァプに歓楽街へ向かうように指示をした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カジノ


俺たちはプラムの用意したドレスに着替え煌びやかな建物に入る。ランカは軍服でいいと言っていたがここはパーティ会場じゃないという理由でプラムに無理やり着せられた。黒のカッコいいドレスでよく似合っている。


防音結界が張られていて外には騒音が漏れないようになっていたが中に入ると音楽やコインのジャラジャラした音が響きまわる。


「すごい、こんなところがあるんですね」


ワイトとプラムは新しい世界が切り開かれたような顔をして辺りを見る・・・できればそんな世界に飛び込むのはもっと先になってほしいと思った。だが、意外とワイトと年の変わらない子供も遊んでいるのが見えた。おそらく貴族の子供だろう。


「いらっしゃいませ、当店は初めてでしょうか?」


やってきたのはタキシードを着たハンサムガイ。


「はい、ここではどうやれば遊べますか?」

「あちらの端末でカジノ専用のコインと交換していただきます。こちらはギルド専用のコインでギルド公認カジノでのみ使用できます。こちらのコインを貯めていただくと景品コーナーにある品と交換できます。換金はできませんのでご注意ください」


そう言ってハンサムガイが手を差し伸べた先には防犯結界によって保護された武器や芸術品、珍しいものが沢山あった。


・・・半分近くがダンジョン産な気がしたが気にしないでおこう。


「ちなみに未成年の方は購入できるコインの上限があります」


まあ当然のルールだよな。この中で未成年なのはワイト、プラム、あとアルラか。ゾアは16歳という設定だから成人の部類になる。カジノっていうからもっと現金が動くのかと思っていたがどちらかというと大規模なゲームセンターみたいな感じみたいだ。アメリカでも昔似たようなゲームセンターで遊んだっけな。


「それじゃあ、楽しむとするか」

『おー』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


負けた・・・開始して30分で予算内で購入したコインを使い切ってしまった。


「だああ!なんであそこで降りなかったんだよ!アホか俺は!」

「まあ、こんなこともありますよ」


俺は悔しそうにブツブツ言っていると後ろにいるランカが宥める。俺が遊んでいる間もずっと俺の護衛をしており、彼女は全く遊んでいなかった。


「別に俺の護衛をしなくても、ランカも遊べばいいのに。給料とか出ているだろ?」

「いえ、ウチはコウキ様の護衛です。それにコウキ様を置いて一人で遊ぶのも・・・」


律儀なことで・・・他の皆はそれぞれ散らばり自分たちが遊びたい場所で遊んでいる。一応、離れ離れにならないため、俺&ランカ、ゾア&ワイト、アルラ&プラムという形で行動している。


「それにしても、本当に俺運ないな」


昔から賭け事には弱いとは思っていたがまさかここまでとは・・・金は沢山あるからまたコインを購入することはできるが、ここでブレーキをかけないと後がヤバいので止めた。とりあえず、他の皆は何をしているのかを見に行くとしよう。


『お~!!』

「ん?何か人が集まっているぞ」

「あそこはポーカーでしょうか?」


俺は人が集まっているポーカーコーナーに行くとワイトがポーカーで遊んでおり、彼の周りに大量のコインタワーが出来上がっていた。観客の野次の中にゾアも発見したので近くまで行った。


「ゾア、そっちはどうだ?」

「あ、コウキさん・・・今すごいことになっているで」


ゾアがニヤニヤした顔でワイトのプレイを見る。


ゲームは始まったばかりみたいでそれぞれが最初のチップコインを出したばかりだ。すると何かおかしいことに気付く。ワイト以外のプレイヤーの眼が一瞬鈍く光ったような気がした。


「なあ、今のって【鑑定スキル】を使ってないか?」

「せやで、これは【スキルポーカー】って言って【鑑定スキル】ありのゲームなんや」


なんやって!・・・あ、またゾアのがうつった。


「鑑定って・・・つまり全員がイカサマありってことなのか?そんなのでゲームになるのかよ?」


相手の情報を読み取ったら勝敗なんてすぐに分かるだろうに。


「いや、そうでもないんや。上に魔法具が吊るされておるやろ?」


ゾアの視線が天井に移り俺たちも上を視えゲルト確かにないか箱みたいなものが吊るされている。


「あれは、【情報撹乱】の魔法が施されておって相手の情報の半分近くを出鱈目な情報に変えて表示させる効果があるんや。参加者はその偽情報を含めて心理戦を行うっちゅうわけや」


なるほど、鑑定しても構わないが表示されている情報には嘘が含まれているわけか。才の【万能鑑定】だったらそんなもの意味をなさないが一般人には良い効果だな。


「まあ、もっともワイトは【鑑定】ではないんやけどな」


ゾアがそう言うとワイトの眼が青白く光る。以前見た時よりもさらに輝き美しい色になっていた。


「ベット・・・コイン2000枚」


ワイトが淡々とコインタワーを前に出すと再び『お~』と声が広がる


「・・・降りる」

「私も降りる」


ワイトの賭け金に畏縮したプレイヤーが次々と降りる中、何やらすごい気迫を放つ男だけが堂々とコインタワーを出す。


「少年・・・いいのか?そんなにかけて」

「・・・・・・」


男は余裕の笑みを見せながらワイトを見下すがワイトは涼しそうな顔で男を見る。


ゴクリ


まるで真剣勝負の決闘の瞬間のように空気に緊張感が広がる。


「では、両者お見せください」


ワイト:8のワンペア

ローリン子爵:2のワンペア



ズゴー!!!!


カードを開いた瞬間、俺は前斜めにコケタ。


「しょぼ!っちょ!ワンペア勝負ってなんだよ」


せめてデカい手で勝負してよ。


『おおお!!!』


しかし、周りの観客は拍手しながらワイトを称える。


「マジっすか」


ちなみに後で聞いたのだが、ワイトは進化したことによって『精神干渉』というチート能力を得たそうだ。この能力は相手の感情などに影響を与えることができ、興奮状態にしたり、自信を無くさせたりすることができるそうだ。


ちなみに作戦を考えたのはゾアのため、お仕置きレベルを上げることにした。

ワイトに悪知恵を教えるなって!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


悪目立ちさせないためゾアとワイトにはポーカーで遊ぶことを禁止にさせた後、俺とランカは再びカジノの中を歩き回った。


「しかし、本当に面白い所だな。リズアにもこういう娯楽を増やした方がいいかな?」

「そうですね。リズアの一番の娯楽と言ったらフロアボス様の戦いの観戦ですが、やはりそれだけというのは少し物足りないでしょう」


ここ最近グラムに挑む冒険者は増えてきたから中継頻度はかなり上がっているんだよな。相変わらず圧倒的な力でねじ伏せて苦戦らしい苦戦は全くないのだが。


住民たちも飽きずに盛り上がるがずっとそれだけというのは確かに物足りない。施設の建設以外にもいろんなものを建てる必要があるな・・・


「さて、どこに行こうかな」


すでに予算を使い切った俺はただどんな遊びがあるかを見て楽しむだけなのだが、ダンジョンの新しいコンテンツとして見ているとこれはこれで楽しかった。


「あ、コウキ様・・・どうしたのですか?」


やってきたのはプラムだ。アルラは一緒じゃないらしく今は一人みたいだ。


「ん?ちょっとダンジョンに使えそうなものはないかなと思って色々と見て回っているんだ。プラムこそどうしたんだ?アルラと一緒じゃないのか?」

「少し、目が回ったので休憩を・・・アルラさんでしたらあそこにいます。凄いんですよアルラさん、さっきからずっと当てているんです!」

「アルラが?」


そう言って、プラムが俺たちを引っ張って連れてきたのはスロットコーナー。そこには物凄い人だかりでポーカーエリアから移動してきたワイトとゾアもいた。


「なあ、何が起きているんだ?」

「あ、コウキ様・・・あれを見てください」


俺はワイト達の元へ歩き質問すると、ワイトの視線の先に巨大なスロットの前にチョコンと座った少女の姿が見えた。そしてその周りには大量のコインが入った箱が積み上げられている・・・・どこのパチンコのプロですか?


アルラは黙々とスロットを回してはボタンを押して絵柄をそろえていく。そして、ギルドのエンブレムが横一列に揃うと大きなファンファーレみたいな音楽が流れ再びジャラジャラと入り口からコインがあふれ出る。


「・・・あ、光輝様。なんか遊んでみたらずっとコインが出てきて・・・壊していませんよね?これで4台目なんです!」


オロオロとしたアルラがだ、スロットの上には『ULTRA JACKPOT』と表示されている。


これがビギナーズラックというものなのか?!いやいや、ありえんだろ!


「・・・アルラ、ズルとかしていないよな?」

「へ?・・・なにもしていませんよ。普通にコインを入れて回しただけです」

「【運強化】スキルとか持っていないよな?」

「この世界に『運』というステータスはありませんよ」

「超まじで?」

「はい、超まじです」

「運良すぎじゃね?」

「そうでしょうか?」


俺の質問に淡々と答えるアルラ・・・神よ!なぜこの子にはこんなに運を持っているんだ!・・・あ、元神だったか。


後にカジノに『幸運の妖精』と『蒼目の死神』が現れるという噂が流れるようになり、とある貴族の娘がカジノに入り浸るようになったことは彼らは知らない。


アルラは『超絶幸運少女』の称号を手に入れた

アルラは作中キャラの中で屈指の幸運の持ち主という設定です。

どれくらいかというと、某殺人ゲームに登場する幸運キャラの良い部分だけ取ったような幸運の持ち主です。天然キャラという面もあるので、某RPGのドジっ子天使にも近いかと思います。

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