表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第七章 ダンジョン交易編
130/189

122話 邪神と戦ったら説教されました

『光輝、ダンジョンの魔力について聞きたいことがあるのだけど』

「エイミィ?!」


俺たちの前に現れたモニターに映し出されるエイミィの姿。そしてエイミィに気づかれないようにこっそりと出ていくアルラたち・・・・お前ら薄情者!


『ん?ところで、周りに誰かいるかしら?』

「いや、誰もいないぞ。【傍聴結界】も張ったからいつも通りで大丈夫だ」


ついさっきまでいたけど、逃げられました。


『そう。あ、それで聞きたいことはダンジョンの魔力が少し減少していたのよ。リズアやダンジョンに影響は無いんだけど・・・何かに使った?』


はい、魔物の大群と邪神討伐に使いました・・・・って言えるわけないよな。言ったら絶対怒られる。


「ああ、ちょっと屋敷の改築を・・・・」

『改築だけで大規模魔法何発も使えるほどの魔力を消費するかしら?』

「え・・・まあ、ちょっと実験とかして」

『ふーん・・・まあ、光輝の魔力でもあるから自由にして構わないんだけどね・・・ん?ちょっと!その怪我どうしたのよ!』


エイミィがすぐに俺の体に巻き付けられた包帯を見るや顔がズームアップで俺に迫る。


「こ、これはちょっとした演出で!怪我なんかしていないから!ほら!」


すぐに包帯を取って傷が無いのを見せる。


『演出ってなんの?』

「え?・・・えーと、演劇の?」

『なんで疑問形なのよ?』


ダメだ、適当な嘘を並べては絶対にボロが出る!フル回転しろ!半神半人デミゴッドの頭脳よ!お前の頭脳でこの状況を打破してくれ!


ピ、ピ、ピ、ポーン


光輝は何も思いつかなかった。


使えねえええええ!


『はぁ・・・まあいいわ。あんまり無茶しないでよ』

「ああ、分かってる」

『ところで調印の件だけどそっちは進んでいる?』

「調印?・・・ああ!そう言えばそうだった」


邪神のことですっかり忘れていたぜ


『っちょ!今回それが一番の目的なんだからね!オリジンとテオプア王国の架け橋となる大事なことなんだから!しっかりしてよ!』


エイミィは凄く呆れた様子で俺を見る。もしかして、才がここに来たのもそれについて報告するためだったのかな?


『まったく、遊び過ぎて浮かれているんじゃないでしょうね?・・・やっぱり何か隠しごとしていない?』

「イイエソンナコトアリマセン」

『カタコトになっているわよ・・・本当に今日はどうしちゃったのよ?』


心配そうに見るエイミィ・・・ああ、ダメだそんな瞳で見ないでくれ!


『正直に言いなさいよ。私たちに隠し事は無しよ』

「・・・怒らない?」

『ええ・・・私は慈愛溢れる女神よ』


自分で言うか


「実は・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・


『バッカじゃないの!!!!!!!!!!!!!!』


先生・・・女神様が嘘をつきました


『邪神と戦ったって!しかもゾアじゃなくて光輝が?!なんでそんな無茶をするのよ!テオには才とかもいたのよ!』

「いや、だからさっき説明した通り、才は地脈の整備で疲れていて、ゾアも魔物の大群の相手をしていて・・・・」

『だからって、光輝が相手する必要はないでしょ!フロアボスだって光輝が邪神と遭遇したって聞いたら絶対駆け付けていたわよ。もっと自分を大切にしなさい!』


なんか、以前俺がエイミィを心配してた時とは立場が逆になっているな。


「でも、ほら無傷で倒せたし、俺だって戦力になるんだぞ?」


俺はもう一度包帯をめくって無傷なのを証明するがエイミィは呆れた顔でため息を吐いた。


『・・・まあ、それは凄いけど。せめて私たちに連絡は入れてよ。勝手に戦ってもしものことがあったらどうするのよ』

「・・・ごめんなさい」

『しかし、邪神を無傷で倒すとか。もしかしたらフロアボスより強いかもね』

「いや、あいつらの方が強いだろ?」


正直、俺があいつらと一対一で勝負しても勝てるビジョンが浮かび上がらない。


『まあ、あなたが邪神を倒したって皆が知ったら色々と修行の相手をさせられそうね』

「それは願い下げしたいが・・・」


あいつらと戦うなんて御免だ・・・正直、あいつらの強さを誰よりも理解している自信がある、そして色んな意味で絶対戦いたくはない。


「はぁ・・・まあそういうことだから、テオも色々とドタバタしているんだよ」

『なるほどね・・・分かったわ。一応そっちの被害は無いのよね?』

「ああ、特に被害は出ていないみたいだ。せいぜい地震の影響で物が壊れたぐらいじゃないか?」


エイミィはこちらから何か支援できることは無いかと考えているみたいだが、才達で何とかするだろう。というかそう言った部分は自分たちで何とかするとか言うタイプだな。


『了解・・・今度からちゃんと報告してよね』

「ああ・・・あ、そうだ少し気になることがあるんだ」

『何かしら?』


俺は戦闘中ザズムフが言っていたことを思い出した。


「ザズムフの奴が『あのお方』とか『この世界は失敗』とか言っていたんだよ。何か知っているか?」


それを聞いた瞬間エイミィの顔が深刻になる。


『それ、本当に言っていた?』

「ああ、間違いない。アルラも何か知っていたっぽいんだけど何も話してくれなくて」


ザズムフとの戦闘の後、俺はアルラに何のことかを聞いたのだが『ここでは話せません』と言われて答えてくれなかった。


『・・・・一度落ち着いてから話すべきだと思ったのよ。こっちに戻ったらシンや才を含めて会議を行いましょう』

「ちゃんと包み隠さず話してくれよ」

『分かっているよ。光輝には知ってもらいたいことだし・・・じゃあ、帰って来るのを楽しみにしているね。お土産は美味しいお菓子をお願い』


そう言って連絡が切れると、一気に気力が抜けたように後ろにあったら椅子に座りかける。もしかしたらザズムフと戦った時よりも疲れたんじゃないか?


そして、しばらくしてから薄情者集団がノックして部屋に入って来る。俺が軽くジト目で睨むと全員が眼をそらす・・・コイツらめ・・・


「光輝様、その様子ですとエイミィ様にお話をされたのですね」

「ああ、色々と嘘を突き通そうと思ったが後でバレたときのリスクを考えたらって思ってな」

「それは賢明な判断だと思います。神に嘘をつくのは良くありませんから」


さっき、神様が嘘をついたがな。


「とりあえず、これでもあっちとの問題は解決しただろう。残りは・・・『光輝、やっとつながった。今いいか?』・・・こっちだな」


タイミングよく才から連絡が入り応答する。


「ああ、大丈夫だ。もしかして調印のことか?」

「あ・・ああ、それの件もあるのだが」


おや、違うのか?


「ゾアとアルラが地脈の修復をしてくれただろ?それでセレナが二人に勲章を与えたいそうなんだ」


勲章か・・・そう言えば、二人は貰っていなかったな


「ん?二人ってことは俺たちにはないのか?」


別に欲しい勲章をもう一つ欲しいってわけじゃないんだが少し気になったから聞いてみた。


『実はそのことで少し面倒なことが起きてな。邪神との戦闘は一般人には公開しないって方向になっているんだ』

「は?」


つまり、才の話はこうだ


今回の事件は邪神は関わっておらず。何故か王都に流れる地脈が酷く荒れてしまい、その修復にゾアとアルラが手伝い修復したということにするらしい。ランカは地脈の乱れで山からやってきた巨大な魔物を撃退したということで報奨金は貰えるらしいが、邪神と戦闘を行った俺とグンナル、加えて才には何もないらしい。


『本当に申し訳ないと思っている。だが、やはり邪神との戦闘は公表しないとセレナたちと話し合ったんだ。もちろん、別口でお前たちにもデカい報奨金を渡すことにはなっている』


それを聞いていたゾアとアルラは何故か凄く不満そうな顔をしていた。


「才さん、光輝様は邪神の一人を討伐したのですよ!なのにそれを公表しないのはどういうことですか?」

「せや、むしろワイらの中で一番の戦果をあげたのはコウキさんと兄ちゃんの方じゃないのか?なのに周りから称賛されないのは正直納得できへん・・・しかもそれを金で解決しようってのも気に食わんな」


『二人の言うことはもっともだし、俺もそれが良い選択肢だとは思っていない。だが、もし邪神と戦い勝利したことが公になった場合どうなると思う?』

「そりゃ、皆から称賛されてコウキさんの名は広く知られるやろうな?」

『そうだ・・・そして、貴族ってのはそう言った名声を使いたがる輩が多いんだ。必ず光輝を政治利用するために近づく奴が現れるはずだ』


なるほどね、つまり才は俺をそう言った貴族のゴタゴタに巻き込まないための配慮という訳か。


『それに、邪神を犠牲無しに討伐したという情報が流れてみろ。光輝に関わりをもつ奴らにも迷惑がかかる』


ああ、なんとなく才の言っていることが想像できる。特にワイトやプラムなんかはここにしばらくいるわけだし絶対何かしてくる奴は出そうだな。


「分かった、俺は勲章とかには特に興味無いし。このことを知っているのは才達だけか?」

『一応、邪神と戦ったのを知っているのは俺たち以外はいない。大臣と一部の貴族たちは邪神が関わっていることぐらいしか知らないから、戦ったことは知らない』


なうほど、なら俺の心配はいらないな。


「それで、ゾアとアルラにはちゃんとその辺の配慮はしてくれるんだよな?」

『二人には地脈の乱れの修復に貢献したということで3等を渡すつもりだ。もちろん、政治利用とかそういう面もしっかりと釘を刺しておく』


俺の時より上だな・・・まあ国の崩壊を阻止したわけだし当然か。


『本当なら2等以上なんだがそうなると個人で修復したってことがバレるから協力して修復したってことになって3等という形になった。ちなみにランカは4等だ』


まあ、皆もそんなに名誉とか欲しがるタイプじゃないから気にしないか。


「そういう理由なら納得やけど」

「私もその説明で納得しました・・・それで邪神の存在はいずれ公開するのですか?」

『ああ、少しほとぼりが冷めてからってなるな。このタイミングで公表したら絶対地脈の乱れと関係があると思うやつがでるからな』


まあ、そうだよな・・・こういう情報操作とか聞いているとかなり重大機密を話している気になる。


『言っとくが、これは国の上層部しか知らない重大機密だからな、絶対に他言無用だ』


あ、やっぱりかなり重要な内容でしたか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ