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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第七章 ダンジョン交易編
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116話 フラグが建てられたらすぐに回収されました

「どうやら、向こうの『俺』は死んだみたいだな。やれやれあれほど英雄を見くびるなと忠告をしたはずなのに・・・やはり、力の薄い奴は知性が欠けすぎているな」


光輝の屋敷へ向けて森を突き進むのは豪華な服装を身に纏った細い身体を持った男性。名前はゴルマラス・レーモン伯爵・・・テオ王国の貴族であり、邪神・ザズムフに憑りつかれた犠牲者でもある。


「・・・地脈の流れは安定化されている、加えて俺が流した憎悪の感情まで何者かに消されているな」


地面に手を当てながら地脈の流れを確認し、舌打ちをする。


「しかも、ご丁寧にもう乱れさせないように結界まで付与されてやがる・・・こりゃしばらくこの土地は弄れないな」


ゾア、アルラ、才によって正常化された地脈、さらにワイトによって地脈に流れる憎悪の取り除きに地脈への干渉妨害の魔法が加わえられザズムフは打つ手がなかった。


「やはり、奴らは我々にとって邪魔だ、ここで排除するしかないな」


そう言い聞かせ、ザズムフの体からどす黒いオーラを纏わせ地面に魔法陣を描く。


「さて、災害をばらまこうじゃないか!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

才が西エリアで邪神を撃破する10分前


俺のモニターに「侵入者あり」という警告メッセージが表示されすぐに確認を入れる。


「・・・侵入者?・・・場所は・・ああ」


俺はモニターを確認すると納得しながら天井を見上げる。そして何やらガタゴト物音が聞こえ、さらに物凄い魔力が流れてくる。


「コウキ様!まさか邪神がここに?!」


グンナルたちが武器を構えて天井を見るがすぐに止めさせる。


「いや、大丈夫だ・・・どうやら不良少年が帰っただけみたいだ。かなりイメチェンして」


俺がそう言ってクスリと笑うと、プラムもすぐに気づき急いで二階へ向かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・ふぅ、大丈夫だよね?プラムたちは・・・よしいないね。今のうちに着替えないと」


簡易型転送陣で地中から帰還したワイトは全身泥だらけの服をすぐに脱ぎ捨て新しい服に着替える。


「さてどうしようかな・・・とりあえず、ゾアに言われた通りイメチェンしたと誤魔化し『随分イメチェンしたようだな?』・・・」


慌てていたせいなのか、プラムと光輝が来ていたことに気づかなかったワイトはゆっくりと声のする方向へ眼を向ける。


「よ、ワイト・・・随分と髪の毛が綺麗になっているじゃないか?」


目の前には腕を組んだ光輝とプラムが立っていた。


「コ、コウキ様・・・どうしてここに?」

「モニターに『侵入者あり』と表示されていたからな・・・敵かと思ったらお前だったんだよ」


光輝の侵入者センサーに反応する条件は、玄関以外の所から敷地に入ること、もう一つが敷地内で転移魔法で侵入してきたときのどちらかである。


「そ、そうなんですか」

「それで?ワイト、その姿の説明はしてくれるよな?」

「それは・・・・」


ワイトは必死に言葉を選ぼうと頭を回すがその頭は光輝が取り出したハリセンによって叩かれる。


「アイタ!コウキ様、なんですかその武器は!」

「お仕置き用に俺が作った特製ハリセンだ・・・どんな耐性を持つ相手にも必ずのけぞる効果がある」


元々はなんちゃって武器として作ったもので、ダメージ0という効果が付与されている。ゾアにでもプレゼントしようと用意していたものなのだがとりあえずこれはお預け決定だな。ちなみに、ピコピコハンマータイプも作ってある。


「すごい・・・そんな武器があるなんて『バッシーン』・・・あが!」


ワイトが何やら俺の作った武器に関心したようにハリセンに食いついたため、もう一回叩いておく・・・なんか楽しいなこれ。


「それで?なんで神霊族になっているんだ?その姿になるにはマナの実を食べないとなれないはずだが?」

「・・・えーと、ゾア様から地脈に流れている感情を取り除くために必要だと言われ食べました」


隠し通せないと判断したのか、元々無理だと分かっていたのかワイトはすぐに白状する。


「なるほどな・・・それでその姿に・・・しかも色々と覚えているな【鍛冶スキル】なんか10にまで上がっているぞ」

「え?!本当ですか?」


ワイトも急いでステータスを確認する。


「本当だ・・・これならもしかしたら・・・」


ワイトは何やら考えだすが反省の色が無いためもう一発ハリセンで叩いておく。


「はぁ・・・少しは反省しな・・・それと、お疲れ様」


俺はそう言ってワイトの頭に手を乗せてちょっと強めに撫でた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

リビング


「さて、予想外の進化ラッシュが起きたわけだが。アルラ、邪神はやっぱりここを攻めて来ると思うか?」


アルラがボルテックス・カイザー・バイソンがここを攻めてきたと聞いたとき彼女は凄く驚いていた。地脈という点において奴らが攻める理由が無いからだ。だが、別の理由ならある。


俺とアルラの存在。


「おそらく、あちら側は私たちの存在に気付いていると思います。そうでもしなければレベル50以上を20頭もここへ送り出すとはとても思えません」

「だよな・・・そうなるとやっぱり昨日か一昨日辺りに正体がバレたとか?」

「可能性はあります。あちら側の力はかなり弱まっていますから、人の多いこの王都では格好の隠れ場所でしょう」


まあ、どこで見られたのかはこの際どうでも良い。これからどうするかだな・・っとそんな時、とんでもないタイミングでゾアから連絡が入る。


『もしもし、コウキさん?今大丈夫ですか?』

「ゾア!お前、なぜワイトを連れだした!」

『あはは、申し訳ございません。どうしても、ワイトの協力が必要だったもんで。今、英雄の兄ちゃんたちが邪神の一人を倒したところですわ』


ゾアが邪神の一人と言ったということはあいつももう一人いることに気づいているのか?


「才達が邪神を?!」

『ええ、ワイが到着した時にはすでに終わっておりました。そんで邪神がもう一人いると英雄の兄ちゃんが知ったみたいなんです』


なるほど、才が【万能鑑定】で邪神の情報を引きずり出したのか。


『そんで今、超特急でそっちに向かっているところなんです』

「超特急って・・・なんで?」

『邪神がお前の屋敷の近くにいるんだよ!』


俺が質問すると、ゾアの後ろにいた才が叫ぶ。


そして『フラグ回収乙』と言いたくなるくらいのタイミングで外から何かが爆発したような轟音が響く。


「・・・かなりヤバそうだな」


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