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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第七章 ダンジョン交易編
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111話 マナの実を食べさせたらまた神獣が誕生しました

南エリア 地上


「獣拳!暴虎兵牙ぼうこひょうが!」


ランカの渾身のストレートパンチによってグラディウス・ホワイト・タイガーの最後の牙が折られる。今彼女の目の前にいるのは猛獣の中でも特に危険クラスに指定されている魔物とは思えないくらい貧相ななりをしていた。牙、爪など武器となりえるモノ全てを砕かれ巨大虎にはもはや戦う手段も意思も失っていた。


「・・・ふぅ。やっと終わったか・・途中ものすごく痛い感じがしたけど・・・・気のせいかな?まあ、とりあえずウチの勝ちや!」


満足そうに怯えるグラディウス・ホワイト・タイガーを撫でるランカ。この戦いの一部始終を見ていた宮廷魔導士たちはもはや絶句しかなかった。


レベル62と言ったら魔王クラスのレベル・・・そんな化け物を一人の女性が赤子の手をひねるかのようにあしらい、戦意を牙と爪と共にへし折ったのだ。


「キューン」


完全にランカに手名付けられた虎は子猫のような鳴き声を上げる。


「そんじゃ戦ったご褒美に回復させるね」


そう言ってカバンから取り出したのは『改良版マナの実』だった。元々奥の手としてアルラから手渡されたものであったが使うことは結局なかった。


ランカに手渡されたマナの実を食べたグラディウス・ホワイト・タイガーは急に青白く光り出し、ランカの頭の中に機械じみた声が響く。


グラディウス・ホワイト・タイガーの進化が行われます。

グラディウス・ホワイト・タイガーはレノ・テンペスト・タイガーに進化しました。


そんな声が消えるとランカの目の前には先ほどの虎とは見違えるほど美しい毛並みを持った白虎が座っている。


「きゅうう!」


まるで生まれたての子供のようにランカに懐く神獣。傷などもすっかり治っており立派な牙や爪が生え、体内にめぐる魔力はさっきの比でなくなった。


「おーい、もう大丈夫だよ。この子はもう襲わないって」

「・・・本当にレベル62のあのグラディウス・ホワイト・タイガーを手懐けてしまったぞ・・・というか今何をしたんだ?」


もう大丈夫と告げるランカに一部始終を見ていた宮廷魔導士たちは信じられない光景にいまだに受け入れ切れていなかった。さっきまでボロボロだった巨大な虎は今ではすっかり元気になっており、むしろパワーアップしているような気がしていた。だが、そんな虎もランカに懐いており攻撃を仕掛けてくる様子はなかった。


「・・・なんや、別に襲ったりしないって。それより、ゾア様たちはどうなっている?」

「あ、はい!先ほどケイト様から連絡があり地脈の修復は完了したと・・・それでこれから別の作業に取り掛かるそうなので引き続きここの警備を頼むと・・・」

「なるほど・・・ならウチもここに残って『ランカ、今ええか?』・・ゾア様?」


次の行動を映ろうとしたときゾアから直接連絡が入った。


『上の様子は大体把握しておる。一度コウキさんの所に戻って合流してもらえんか?』

「そちらは大丈夫でしょうか?」

『修復作業は終わったんやけど、別の作業に今取り掛かっておるんや。ちょっとこっちから連絡しづらいから、ランカの方から連絡してもらえんか?』

「御意」


通信を切ったランカはそのまま神獣の背中に乗る。


「聞いていた通り、私はこれからコウキ様の所へ戻る。アンタら、しっかり仕事しいや!」

『は、はい!お姐様!』

「・・・お姐様?」


なんのことかさっぱりのままオウカは光輝たちのいる別荘へ向かう。


彼女は気づいていなかっただろうが、マナの実を与えたことは正解の選択肢であったのだ。


レノ・テンペスト・タイガーが仲間になった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

西エリア


「よしよし、いい子ね」


麻痺蔓パラライズヴァインをゆっくりと外し、ぐったりとなったエンペラー・ヴェレを撫でるアルラ。その後ろには睡眠薬で眠らされたヒスイの部下たち。


「アルラ、こんなことをして良いのか?」


不安そうにオウカが質問するがアルラは全く気にしていない様子だった。


「はい、これから行うことはさすがに他国に見せることはできませんから・・・やはり、この子呪われています」


アルラがエンペラー・ヴェレをを触っていると黒いオーラらしきものが彼女に纏わりつく。


「アルラ!」

「大丈夫です、この程度の呪いなら」


そう言ってアルラが魔力を手に集中させると黒いオーラが一瞬で消滅する。


「拡散する呪いですか・・・やはり仕掛けたのはザズムフですね・・・ヒスイさんたちが接近戦をしなくて本当に良かったです。オウカさんあれ使わせてもらいますね」

「まあ、元々アルラからもらったものだから構わないが」


そう言いながらアルラはオウカが身に着けていたマジックポーチから青白く輝く実を取り出した。


『改良版マナの実』


「アルラ・・・いったい何を?」

「このままではこの子は結果的に呪いで死んでしまいます・・・オウカさん、回復薬の準備もお願いします」


アルラはそうっとマナの実をエンペラー・ヴェレに食べさせると、先ほど見せた激しい光とは打って変わって優しい光に包み込まれる。


そして彼女たちの脳内に機械じみた声が響く。


エンペラー・ヴェレの進化が行われます。

エンペラー・ヴェレはレノ・フェニックスに進化しました。


漆黒の姿が一変、美しく輝く虹色の鳥に変わる。大きさはアルラが抱っこできるくらいまで小さくなっているものの、その体に流れる魔力は『レノ』の名にふさわしいほど膨大であった。


「オウカさん、一度、あの光が出た場所へ向かいましょう。何か分かるかもしれません」

「了解した・・・ところでここに眠っている者たちはどうする?」


オウカが目を向けた先にはぐっすりと眠っている忍者装束の兵士。


「置いておいて大丈夫でしょう・・・さ、行きましょう」


そう言ってアルラは神鳥を抱えながらオウカと共に光の柱が現れた場所へ向かった。


アルラはレノ・フェニックスをゲットした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

北エリア


「うにゃあああ!」

「マヤ!」


ザズムフの体から溢れだす真っ黒いオーラ。そのオーラは二本の職種のようにウネウネと動き、マヤを吹き飛ばした。


「・・・マヤ!すぐに武器を捨てて!」

「了解にゃ!」


スイの指示に従ってすぐさま手甲を脱ぎ捨てるマヤ。ザズムフの攻撃を防いだ手甲はよく見ると防いだヶ所が黒く変色していきドンドン浸食していくのが見えた。


「ほお、いい判断だな?もしかして俺の攻撃の正体はもう知っているのか?」

「これでも、シン様の元で働いていましたからね。邪神のことについては色々と聞いていました、もちろんあなたの得意な『呪法』のことも」


そう言ってスイは武器を構える。


「フヒヒヒ・・・いいじゃん、面白そうじゃんか!」


そう笑いながらザズムフの体からさらに2本の黒い触手オーラが現れる

ガチギレの形相のヒュウが屋根の上から見下ろしていた。


「これならどうだ?」


合計4本の触手がスイに襲おうとした瞬間、黒いオーラはものすごい勢いで紅色の氷に覆われ始める。


「おい、クソデブ。俺の大事な妹に触手プレイとかふざけているのか?」


ガチギレの形相のヒュウが屋根の上から見下ろしていた。


「兄さん!」

「フヒヒ、またシンの気配のする奴が来た『翡雷針』・・ピギャアア!」


いやらしそうに、ヒュウを見るザズムフ、その顔は新たな獲物を見つけた狂った狩人のように・・・だが、次の4本の苦無が一斉に触手へ突き刺さり翠の雷が一斉にザズムフを襲う。


「どうやらまだ拙者の出番はあるみたいでござるな」


そして駆け付けたヒスイも現れる。


「次から次へと・・・いいぜ、てめえらまとめて呪い殺してやる!」


英雄組 vs 邪神ザズムフ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


NG編

合計4本の触手がスイに襲おうとした瞬間、黒いオーラはものすごい勢いで紅色の氷に覆われ始める。


「おい、クソデブ。俺の大事な妹に触手プレイとかふざけているのか?」


ガチギレの形相のヒュウが屋根の上から見下ろしていた。


「兄さん!」



「やるなら触手からヌメリを出しやがれ!シチュエーションをもっと考えろバカ野郎!」



「バカはそっちでしょ!」


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