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ダンジョン作ったら無理ゲーになりました(旧)  作者: 緑葉
第七章 ダンジョン交易編
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105話 調査をしたら邪神が絡んでいました

テオ王国 観光三日目


ゾアとアルラは夜通しで屋敷周辺の地脈修復作業と調査に取り掛かってもらい、二人が戻ってきたのは早朝だった。


「二人共、お疲れ様・・・それで調査の結果どうだった?」

「はい・・・良い知らせが2つ、悪い知らせが3つあるんやけど、どっちを先に聞きますか?」


悪い方が多いのがすごく不安だな。


「・・・まずは良いニュースから聞かせてくれ」

「ほい、まず屋敷周辺の地脈の流れの修復は完了したで。これでこの辺りに地震が発生することは無くなりました」

「そうか、ありがとう・・・それでもう一つは?」

「ほい、正直良いニュースかどうか分からないんやけど、地脈の乱す証拠らしきものを発見しました。やはり人為的に地脈を乱されていたみたいやで」


なるほど、確かに証拠を見つけたのは良いことだがこれはますますマズイことになったな。


ゾアがモニターを開くと確かに何かの儀式を行っていた祭壇らしきものが映し出されている。なるほど、これで地脈を乱していたのか・・・だけど一体誰が?


「・・・それで悪いニュースは?」

「・・・ええ、それがこれです」


ゾアが次のモニターを映し出すと、上空から見た王都の映像や、周辺の村の映像が映し出されていた。すでに何人かが外に出て農作業や店の準備などしている。


「・・・まさか」


そしてゾアが【魔力感知】フィルターをかけると禍々しいオーラみたいなものが心臓の鼓動のように流れているのが見えた。


「王都やその周辺の地脈はかなり危険な状態になっています」


俺でもヤバイのがこの映像を見てよく分かる・・・これってかなり危険なんじゃないか?


「そんでもう2つ。この地脈の流れはどんどん不安定になっている状態なんや。まるで風船に次々と空気を大量に吹き込み続けているような感じで、もしこのまま地脈が乱れ続けて破裂寸前状態で刺激を与えたら」

「与えたら?」

「地脈の自然エネルギーが地中のマグマとともに溢れだし、王都は火の海となるでしょう」


・・・マジかよ


「そして最後の悪いニュースなんやけど、この事件。黒幕は邪神やとアルラが言っとるんや」

「・・・邪神か」


俺がアルラを見るとコクリと頷く。だが邪神が動いているならある意味納得だ。


「おそらく、テオの人間に憑依して今もテオに潜伏している可能性があります。王都の地脈だけ規模が違いすぎます、おそらく屋敷周辺の祭壇は地脈を乱す実験だったのかと思います」


つまり邪神の狙いは王都の崩壊。


「はぁ・・・本当に大変なことになってきたな。才になんて説明しよう」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一方才はというと


「光輝の奴、重要な話があるって言っていたが何のことなんだ?」

「さぁ?ですがあの様子からしてかなり深刻な様子でした」

「もしかして、明日の調印は取り消しにしてほしいとかだったりして」

「な!そんなこと絶対に許しません!」


馬車の中には才、スイ、ヒュウ、セレナの四名が乗っていた。今日は定期的に才とセレナの朝食日であったため、才から光輝の話を聞きセレナも同行すると言い出したのだ。


「まあ、直接会って聞けばいいさ・・・到着するまでまだ時間があるみたいだし俺は仕事でもしている」


『この仕事依存症が!』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「コウキ様、サイ様御一行がお見えになりました」


御一行?呼んだのは才だけだけど・・・スイちゃんも付いてきたのか?


「よ、光輝何か重要な話みたいだが『コウキさん!テオに何か問題でもあったのですか!こちらで何か不手際があったのですか?!』・・・おい」


玄関で才が挨拶をすると、押し寄せるようにセレナが入ってきた・・・テオに問題って、地脈のことに気づいているのか?


「セレナ・・・ああ、とても重要な問題だ・・・今後の関係に関わるほどの」


そう言うと、セレナの顔が真っ青になり一瞬足元がふらついた。


「・・・兄さんのせいですよ」

「マジかい」


何やら、スイちゃんとヒュウが驚いた様子だがなんか話が読めない。


「セレナも来ているなら丁度いい・・・執務室に来てもらえないか?」


とりあえず立ち話できる内容じゃないから執務室へ案内した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

執務室にはオリジンメンバーがすでに待機していた。


「なあ、光輝何があったんだ?テオに問題があるって言っていたが昨日の観光で気に障ることでもあったのか?」

「・・・なにか勘違いしているみたいだけど。交易のことじゃないぞ・・・いや、間接的に交易に関わるか」


王都が崩壊かねない問題だからな。


「・・・まだるっこしい話は抜きにして本題を頼む」


ヒュウが少しイラっとしたのか話を切り出した。


「ああ、悪い。ゾアあの映像を才たちに見せてやってくれ」

「ほい」


ゾアがモニターを開き、才達に王都の映像を見せた。


「これは?」

「今現在、ワイの遠隔映像記録機が王都の上空を撮影している映像や」

「まるでドロー〇だな」


気持ちは分かるぞヒュウ。


「そんで、こっちが【魔力感知フィルター】で見た映像や」


【魔力感知フィルター】に切り替え禍々しいオーラが王都全体に不自然な動きで流れているのを見て才達が息をのんだ。


「コウキさん、これは何ですか?!」

「王都に流れる地脈の動きを可視化させたものです・・・専門家によりますと、地脈の動きがかなり乱れているそうなのです」


俺がゾアたちをチラッと見てセレナに説明した。


「・・・そんな、こんなことが起きているなんてまったく気づきませんでした」

「なあ、光輝。もしかして、ここ最近の地震も地脈が関係しているのか?」

「ああ。加えて魔物の凶暴化や昨日の巨大ヘルモスも地脈が関わっていた」


そう説明すると、才も納得した様子で映像を再び見る。


「王都や地面に対して【万能鑑定】なんか使ったことが無いから全く気付かなかった・・・なるほど、地脈が原因だったのか」

「だが、いくら何でも地脈がこんな風に乱れることなんてありえないぞ!本来地脈は多少乱れることがあっても自然現象として循環させる。こんな不自然に詰まったらいつ暴発するか・・・・邪神」


ヒュウが言いかけた瞬間、邪神という答えにたどり着いた。


「邪神なら可能だ、こんなふざけた仕掛けができるのは!」

「っちょ!ヒュウあなただけ勝手に納得していないで私たちにも説明しなさい」


「簡単に言うと、邪神が王都を崩壊しようとしているわけだ」


『な、なんだって!』


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