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選択したその先へ  作者: 圭作
ある日
20/24

フラグ

 「なぁ、俺は何が悪かったのかなぁ」

 「そうねぇ、またヤラシイ事したからじゃないかしら?」

 「でもさぁ、久しぶりのおっぱいだぜ? いっちゃうだろぉ」

 「そうねぇ、でも泣いていたのでしょ?」

 「そうだけどさぁ。イテテ、まだ痛むやぁ」



 ――――昨夜の出来事を飲みすぎて記憶の曖昧なリサに話すと酸っぱい匂いを漂わせながらも真剣な表情で聞いてくれ、俺はまだヒリヒリと痛む頬を擦りつつカレンとの事を思い出してみた。



 派手に転んで起き上がろうとした時に、たまたま、そうたまたまだ!



 たまたま、カレンの――程よい大きさのふわふわっとしていて、いつまでも触っていたくなるような――おっぱいに手が乗ってしまっただけ。

 

 いわゆる不可抗力ってやつだ。


 そして俺はおっぱいだと気づいた時。

 すぐさま思考を加速させ瞬時に状況を理解しどうするべきか考え抜く。

 

 以前リサのおっぱいを揉みまくりどのような結果を招いたか。

 好き勝手に胸を揉んでいてもあの時はリサが相手だったからこそ許され、母性すら感じさせるような反応だった。


 しかし今回の相手はカレンだ。


 少しだけ、少しだけお兄ちゃんと呼んでほしくてあの手この手で迫っただけで、ろくに会話もしてくれなくなるようなそんな子だ。


 仕方ないが今回のラッキースケベはここで我慢するべきだ。


 そう俺だって成長したんだ。

 

 いつまでもおっぱい程度ではしゃぐガキじゃない。


 決まった。



 そして俺はおっぱいからゆっくりと手を放していく。



 ――その時。



 思ったんだ。


 本当にこのまま手を放してしまってもいいものだろうか。


 こんな体験(ラッキースケベ)はもしかしたらもう二度と味わえないんじゃないだろうか。


 ――――そんな悪魔の囁きが聞こえてきたが、俺は踏みとどまった。



 いや……踏みとどまるのが少し遅かった。



 悪魔の囁きが聞こえてきた時だろう。


 頭では理解していたのにも関わらず自然と手が動き。

 おっぱいを、ぷにっぷにっと揉んでしまっていたみたい。

 どうやら本当に心と体は別の生き物のようだ。


 それに気付いてしまったとき俺の中で何かが弾け。



 (ヒャッハー! 久しぶりのおっぱいだぜぇ!)



 思考を停止し夢中でおっぱいを揉みまくり。

 おっぱいの恐ろしい魔力に憑りつかれたかのごとく。

 調子に乗って揉みまくっていると……。


 「キャ――――ッ」っとカレンが悲鳴をあげ。

 同時にバチンッと痛そうな音が響くと俺は思いっきりビンタされていた。


 そしてカレンは涙目になっていき。



 「お、お、お兄ちゃんにも触られた事ないのにぃーー!」



 カレンは俺を押しのけ泣きながら走り去っていった。


 またやってしまったか。

 そんな後悔と何かをやり遂げた達成感も味わっていると……。


 「こっちだぁー! こっちにいたぞぉ!」


 騒がしいやり取りが聞こえたのか、取り巻き共にも見つかり結局追いかけ回され何とか撒き宿屋に戻り、早朝から町を逃げ出すように俺達は今ダンジョンへと向かっているのだ。



 ――――ダンジョンに向かう道は元鉱山だけあって整備されており、昨夜の長い夜を思い出しながらのんびり歩いていると、リサが急に足を止め子供を諭すように話しかけてきた。


 「マコちゃんも男の子だから昨日の事はしょうがないわよね」

 「そうなんだよー。こう見えて18だからな」

 「でも昨日のはやりすぎよ。謝りましょうね?」

 「でも……許してくれるかなぁ」


 「大丈夫よ! 私もついて行ってあげるから一緒に謝りましょうね」

 「そ、そういう事なら俺も謝ってみようかなぁ」



 ――そして俺はふと思ってしまった。



 「ってなんかお母さんかよッ!」

 「ふふふ、今はお母さんよ?」

 「お、おう……」



 俺はそんなやり取りが少しだけ恥ずかしくなった。

 それに今のリサには勝てそうにない気がする。



 だから……。



 俺は、町に帰り着いたらカレンちゃんに謝りにいくんだ!!



 そんな無駄なフラグを立てダンジョンへとまた歩き始めていった。



 ――――そして鉱山へと到着し、ゴブリン共を容赦なく蹂躙しつつダンジョンの入口へと向かいさらに3度目だけあって順調に奥へと進み、おやつのドーナッツがないのが心もとなかったが、ここは俺達の庭みたいなもんだぜ? そんな熟練冒険者のごとく無事このダンジョン唯一の分かれ道までやってきた。


 そしてまた俺達は迷っていた。


 前回最深部と思われる大空洞まで行けたものの、その場所には特に変わった仕掛けもなく、ボスが居そうなのはエリアの形だけでたいして危険な気配も感じさせなかったからである。


 だとすると昨日進まなかった右の道の先には隠し扉があるんじゃないか。

 それか何かしらの仕掛けがあるんじゃないだろうか。

 

 何にしても腹も減ったし朝宿屋のオバチャンに用意してもらったサンドイッチをむしゃむしゃと頬張りつつ、真剣な表情でサンドイッチを評価……じゃなくて、進む方向について考えていた。


 因みに俺達はサンドイッチの評価もつけたが100点満点中75点という事でお互い一致し右奥行ってみっかぁ。

 そんな感じで俺達は右奥へと進む事にした。


 右に進むとすぐさまゴブリンエリートが数体出てきたが、熟練冒険者(仮)の俺達の敵じゃなくあっさりと葬り更に奥へと進んでいくと、今度は杖を持った魔法を飛ばしてくる嫌なゴブリンシャーマンが出てくる。


 出合頭にすぐさまシャーマンは杖の先をほわぁ~と淡く光らせ火の玉を飛ばしてき俺は直撃してしまう。

 相変わらず転げまわりたいほど痛かったが、後ろからリサが回復してくれすぐさま倒す事ができた。


 そして今更ながらある事に気が付いた。


 それは杖が光った後、ゴブリンシャーマンの向いてる方向に真っすぐ火の玉が飛んでくる事だ。

 

 アレ……。


 もしかして避けれるんじゃないか。


 なんとなくだけど魔法は狙って放たれたら避けられない。

 そんな風に勝手に思い込んでいたが真っすぐ飛ぶ火の玉と思えば避けれそうな気がしてきたのだ。


 次に出てきたら試してみようとリサにも話し、更に奥へと進んでいった。


 奥に向かう途中残念ながらエリート共ばかりしか出てこず。

 (早く出て来いよ! 試してみたいのに)

 そんな少しだけ気持ちを焦らせながら進んでいくと右の最奥が見えてくる。

 

 ――その時だ。


 そこには杖を持ち、頭には装飾品をつけ、通常のゴブリン達よりも偉そうなゴブリンハンチョウが待ち構えていたのだ。


 シャーマンと同じく杖を持っていることから。

 恐らく魔法攻撃を仕掛けてくるだろう。

 そう考え、まだ気づかれていないみたいなので俺とリサは一旦少しだけ来た道を戻り作戦をたてる事にした。


 そしてリサが提案してきたのは、まず一発ハンチョウにリサが魔法を放ちその注意を引き、俺がその隙に駆け寄りぶった切るという。

 リサにしては珍しい頭脳プレイを提案してきたのだが、俺は魔法を避けれるのか試したかったので、いつも通り俺が突っ込みリサが後衛からサポートする事になった。


 そしてまたハンチョウがいた場所へと戻り、リサに目線で合図を送り、俺はハンチョウに向け駆け出した。


 ――すぐさまハンチョウは気づき杖を突き上げ光らせた。


 遂に来たか。


 内心ほくそ笑み。

 

 ハンチョウの真正面からサッと逸れるように斜めに駆ける。


 そしてやはり、火の玉はハンチョウの真正面へと飛んでいき。

 俺はうまく躱すことに成功した。



 が。


 「あっつっ!」



 多分リサの声が後ろの方から聞こえてきたが。


 振り返る事なく俺はそのままハンチョウとの間合いを詰め殺人強振(デススイング)をぶちこんだ!



 が流石ハンチョウだけあってスキルでも一撃では仕留めきれない。



 ――しかし後ろから今度はリサが怒気をこめたような声で魔法を放つ。


 「――――クラインフレイムッ!!」



 俺が間近にいるにも関わらず撃ちやがったっと思ったのと同時にすぐさま飛びのき、ハンチョウはなすすべもなく直撃し、いつもよりちょっとだけ威力が強そうな魔法に焼かれつくした。


 そしてコロンっと、ハンチョウは何かを落とした。


 すぐさま確認してみると。



 《ハンチョウの杖》


 (まんまだな……)



 拾ってみると少し変わった形をした杖でトコトコと先程の場所からやってきたリサにも杖を見せてみた。

 すると、何かを思い出すような表情をし。


 「杖はもう私は捨てたの。だからいらない!」

 「いや、そうじゃねえよ。この杖なんか変わった形をしてないか?」

 「そういわれればそうねぇ、案外この行き止まりの鍵だったりするのかしら」

 「リサにしては鋭いな」

 

 「なによ! 私はこれでも浜辺の名探偵と言われたこともあるくらいなのよ」


 そんなリサを少しだけ可愛そうな目で見つめ。


 「ほぉら名探偵も何かありそうか探せよ~」


 俺達はこの場所を調べる事にした。




 

久しぶりに更新しました!


またポツポツと更新していきたいと思ってますので

良ければ暇つぶし程度に読んで頂けると嬉しいです。

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