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お狐さまのかえる場所  作者: 杉並よしひと
第三章 お狐様と学校
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「今日、転校生が来るらしいぜ」

 篠田の嬉しそうな声を、僕はめんどくさいなあ、の一心で聴いていた。

 だってさ……。転校生ってあの方しかおらんでしょう。篠田がそれを解ってこれを言ってるわけじゃないけど、知ってる側としてはそれをごまかすのも疲れるんだよなあ。

「どんなヤツだと思う?」

「金髪で色白で礼儀正しい可愛い子だと思うよ」

「……なるほど」

 さすがに、これで気付かない程、篠田も鈍く無かったみたいだ。

「なんだ。知ってるなら教えてくれれば良かったのに」

「色々あってね……。篠田に教えるわけにはいかなかったんだよ……」

 あの日の事を思い出す。ああ、思い出すだけでげんなりするなあ。

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