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振り返れば奴がいる

「なんか結局俺ら能力使ってるな」

 学校からの帰り道、長谷川はせがわが笑いながら言った。

「まぁ、立花たちばなの言っていることは気になるが、だからと言って立花が絶対と言うわけじゃないしな・・・」

 太陽たいようの言っている、立花が言っていたことというのは一か月前に言った「こんな異常な能力が私たちに無害なわけが無い」というものだ。

「それに別に使い過ぎてるわけじゃないからな。仮に害があったとしても今位なら特に何も起こらないんじゃないか?」

 そう太陽は続けた。

「確かにそうだな・・・そう言えば最近立花さんと一緒にいないな?」

「ああ、前まで一緒にいたのはドッペルゲンガーっていう問題があったからだ。こうしてドッペルゲンガーに会っちゃって、能力者になってからは特に問題も起こってないし、軽い情報交換くらいはしているがそれ以上は最近は無いな」

「まぁ、あまりずっといても変な噂が立つかもしれないし、それが無難なのかもな」

 確かに一か月前に比べたら立花と二人きりで話し合うという事はかなり少なくなった。そのことに太陽は若干の寂しさと言うか物足りなさを感じてはいた。

 そして、長谷川の言う通り変な噂が立つ可能性は高い。一か月前にも大きく広まることはなかったが、太陽と立花は何かあるんじゃないかと言う噂はちらほら耳に入ることは会ったのだ。そんな噂が立ってしまうのは太陽はともかく立花に迷惑がかかってしまう事もある。そのため無闇に二人きりで話し合うのは難しくなってしまったのだ。

「そうだな・・・とりあえずドッペルゲンガーの問題は終わっちゃったわけだし、今のところは俺と立花が一緒にいないという事は平和ってことでいいんじゃないか?」

 太陽は何かを押し殺したように笑みを浮かべながら冗談っぽく言った。

「良くないわ」

 突然太陽と長谷川のすぐ後ろで声を上げたのは、今まさに噂をしていた立花楓かえで本人であった。

「え?・・・うおっ!?」

「た、立花!?」

 大袈裟にも思える長谷川のリアクションに先を越され、リアクションをとるタイミングを逃した太陽は驚きの表情を浮かべながらもただ立花の名を呼ぶことしか出来なかった。

「この間もそうだがお前って音もなく近づいてくるときがあるな・・・」

 冷静を装いながら太陽は言った。

「別に脅かそうとしてるわけじゃないわ。元々私は静かに歩くタイプなの。そして、毎回日向君たちは話に夢中になってるから私に気付かないだけ」

 立花は人差し指を立てて丁寧な解説をした。


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