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プロローグ
「君は、あなたは特別な存在だ。」
このようなセリフを親から言われた。何て言うのはよくあることだ。
それは親にとっては子供を特別に思うことは当然であるからだ。
しかし、成長していくにつれて、自分は大して特別ではないことに気付いてしまう。
そして、ちょうど高校生と言うのが特別かそうでないかの分岐点となる事が多い。
テストで1位をとる。部活でエースになる。恋人ができる。これらのことが高校生活であれば、彼らは特別だったと言えるだろう。
しかし、そんな特別になれるのはほんの一握りである。それ以外の人はお世辞にも特別と言うのは難しいだろう。
だからこそ、人々は特別を願って、高校選びから気を遣ったり、勉強に力を入れたり、全力でトレーニングや練習をしたり、カッコよく、かわいくなろうと化粧や髪型などに細心の注意を払ったりするのだ。
それが高校デビューというものである。
「では、僕がその高校デビューとやらにもう一花咲かせてやろうじゃないか」
どこからかそんな声が聞こえた気がした。