雑兵勇者は仲間に会う
BLのタグをつけさせていただきましたが、全然ディープな方じゃないです。一応それをにおわせる表現を書いたのでつけました。これから少しづつ腐っていくことも、この場で伝えておきます・・・。
「それじゃあシセル君。この屋敷の仲間を紹介しよう。」
忌々しき堕天使がそんなことほざきやがった。
まぁ、でも契約した(無理矢理だし強引にだけど)のは事実だし・・・・
認めるしかないだろう。悔しいけど。・・・・悔しいけど・・・・・・!!!
そう考えると、紹介は大事だろう。相手は魔族だろうし、気をつけなければいけないが。・・・・・怖いなぁ。
「シセルスさん、いい方ばかりですので、緊張しなくてもよろしいですよ。」
デュラハンメイドのヴァニアさんが、僕の心に気づいたようで、フォローを入れてくれた。
ヴァニアさんは魔族だが、とてもいい方だ。短時間だけでそう思わせるほどいい人だ。(人ではないし、首はないが。)
「ありがとうございます、ヴァニアさん。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。これからシセルスさんは、私たちの仲間になるのですから。このくらい、当然のことです」
と、ヴァニアさん。
・・・・めっちゃいい人じゃん・・・・・!人じゃないけど・・・・!!
そんなことを考えながら長い廊下を歩いていると、
「あ、ここが大広間ですね。ここに先ほど呼びましたから・・・・皆さん集まっているはずです。」
「ああ、はい。わかりました。」
「ヴァニアは気がきくな。」
と、シーデル(敬称なんかつけたくない。)は言うと、大広間のドアをギィィィィ・・・と開けた。
「まぁ、入ってくれ。」
僕らが入ると、すぐにハキハキとした女の子の声が聞こえた。
女の子は、レモンのような黄色の大きな瞳と、瞳と同じ色のショートカットの髪が印象的な子だった。
「あ!シーデル様っ!こんにちは!!」
「ああ、メルンじゃないか。ちょっとこっちの新入りに自己紹介してくれないか?」
「はいっ!わかりました!!
「アタシはデレッタ=メルンです!」
「あ、はい。僕はヴィクティディアル=シセルス。シセルでいいです。」
「ふ~ん。シセルね!よろしく~☆」
驚いたことに、メルンさんはヴィクティディアルと聞いても、嫌な顔ひとつしなかった。
「シセルは災難だね~シーデル様のヴィクティディアル拉致って写真撮って配下にしようぜ計画の餌食になっちゃうなんてさ~☆」
何言ってんだあいつ。
いや、そりゃ嫌な顔しねーよな!こんなドッキリみたいな真似して!!
「シセルスさん。メルンさんは魔女なんですよ。」
ヴァニアさんが一つ説明してくれた。
「その通りだよヴァニア!アタシは魔女っ子なんだよ!!」
へぇ。魔法使いなのか。魔族らしいな。
「けっこうメルンさんは上級の魔法使いなんですよ。」
「アタシってば天才さからね~この屋敷の防御もアタシがリーダーみたいなもんなの!!」
「そうなんですか。」
よかった。弱小ではないようだ。
さすがは腐っても昔繁栄していた組織だ。
「シセルもヴィクティディアルだし、強いんでしょ?これからよろしくね~!」
あ、やばい。すごい目を背けたくなった。
ヴァニアさんもすごい困ってるし、
シーデルはクスクス笑ってるしよぉぉぉぉぉぉ!!!!
「いや、たいへん言いにくいんだけど・・・」
「ん?な~に?シセル?」
ニッコリと純粋な笑顔を浮かべるメルンさん。
「実は僕、すごい弱いん・・・」
と言いかけたところで、
「あ!!やっほーいメルター!!メルタもシセルに自己紹介しなよー!!」
いや、話を聞いてくださいメルンさん!!
「・・・・・・・・・わかった。」
ボソッと声が聞こえた気がしたと思った瞬間、黒いローブを着て、フードをガボッと被った男が目の前にいた。
「僕はデレッタ=メルタ。メルンの双子の弟です・・・。」
メルンさんと正反対だなぁ・・・・。
横で見ていたメルンさんが急にメルタさんのフードを持ち、
「もー!メルタ!室内でフードかぶってるとハゲるよ!!」
「え、メルンやめっ・・・」
バサッとフードを脱がした。
・・・・・そこにいたのは美少年だった。
サラサラな、肩につくくらいの色素の薄い金髪。メルンさんによく似た大きな瞳。そして、童顔で小さい顔。・・・美少年だ(※大事なことなので2回言いました)
さすが美少女のメルンさんの弟だ。
「うう・・・・ほら・・・ジロジロ見てるよ・・・」
それはあなたの顔が美しすぎるからです。
「あの・・・すみません・・・顔、見ないでください・・・」
メルタさんは心底恥ずかしそうに顔を背ける。
「なんでそんな隠すんですか?そんな綺麗な顔なのに。」
「うう・・・そんなお世辞はいいですって・・・僕なんかどうせ、石の下に住むダンゴムシの足くらいの存在なんですから・・・」
どんだけネガティブ思考なんだよ。
「いや、ほんとに綺麗ですよ。羨ましいくらい。」
というかメルタさんがダンゴムシの足なら僕なんか
ミドリムシの葉緑体くらいの存在だろう。
「あの、お世辞は・・・・」
「お世辞じゃないですって!メルタさんは本当に綺麗ですよ!
僕、メルタさんの顔好きですよ!だから自信を持ってください!」
つい大声で叫んでしまった。
「いや、シセル君。君の趣味はわかったから、そんな恥ずかしいことを大声で叫ぶのはやめてくれないかな?」
シーデル、そんな意味じゃないぞ。
まず、こんな綺麗すぎる顔を嫌いになる人なんてそうはいないだろう。
「シセメル・・・っと。ヘタレ攻めにヘタレ受けですか・・・」
ヴァニアさんがそんなことを呟いて、メモ帳にガリガリという音をたててペンを走らせていた。
「僕の顔を好きって言ってくれる人がいた・・・」
メルタさんはなにやら嬉しそうな顔を浮かべていた。
「ありがとうございます・・・
ヴィクティディアルさん・・・ところでお名前は?」
メルタさんはにこにこと笑いながら聞いた。
やはり、笑った顔の方が可愛らしい。
男には見えないほど。
「ああ、僕の名前はヴィクティディアル=シセルス。・・・長いですし、シセルでいいですよ。」
「わかりました。シセルって呼んでもいいですか?あと・・・僕のお友達になってほしいな・・・なんて・・・。」
「いいですよ。じゃあ・・・僕もメルタって呼んでもいいですか?」
「よろこんで!」
「ふふっ・・・シセル君。お友達ができてよかったね?」
シーデルがまたクスクス笑ってやがる。
まぁ、確かに魔族だらけの屋敷で不安だったけど、メルタのようないい友達が持てると安心できる。
・・・そういえば、僕には友達がいなかったような気がする。
小さい頃から僕は社会的にはいなかったようなものなのだから。ヴィクティディアル家では皆、強くなければならない。名誉と名前を守るために。だから一族の影の勇者は家から出てはいけなかった。そう思うと、僕にとってここは初めての外の世界でもあるのだ。
「どうしたんだ?シセル君。そんな哀愁たっぷりの顔をして。」
「なんでもないですよ。シーデルさん。」
「さんじゃなくて様で呼んでくれないかな?
仮にも僕は君の主人なんだから。催促するようで悪いけどね。」
なにこいつ思いっきり催促してるじゃねぇか。
「・・・悪かったですね!シーデル様!」
ああっ!なんで様なんてつけなくちゃいけないんだよっ・・・
そんな僕を見てか、シーデルはまた笑い始めた。
やべぇ、すごいこいつ殴りたい。
「イライラする気持ちもわかります。
ですがシセルスさん。落ち着いてください。」
ヴァニアさんがなだめる。
「・・・・そして、進展があったら教えてくださいね(ボソッ)」
ヴァニアさんがなんか小さな声で何かを呟いたようだが、聞こえなかった。
「さて、次は誰を紹介しようか・・・」
なんかシーデルのテンションが上がってやがる。
「よくお目にかかる方のほうがよろしいですよね。」
ヴァニアさんがそっと言う。
「まぁ、そういうことだな。」
「じゃあ、戦闘職のやつを紹介するか。」
「おーい、ガルシアーちょっとこっち来てくれ!」
シーデルはガルシアという人を呼んだみたいだ。
「あらシーデル様・・・私に何か用かしら?」
なにこの人すっごいキャラ濃いじゃんかよ。
でも、スタイルとか顔立ちは上の上に入るくらいの美人だ。
「シセル君、見とれるのも鼻が伸びるのも分かるぞ、
彼女はなんてったってサキュバスなんだからな。」
サキュバス。聞いたことはある。
美しい美貌の魔族で・・・・男をたぶらかすんだっけ?
「でも、ガルシアは戦闘力もなかなか高いんだよ。」
へぇ。サキュバスって戦闘力も高いのか。
「ふふっ、お褒めにあずかり光栄ですわ。シーデル様。」
「どういたしまして?」
「あの・・・えっと、ガルシアさん?」
ガルシアさんは僕のほうを振り向くとにこっと笑った。
「あら?あなたは?」
と彼女は聞いてきた。声が妙に色っぽい。
「あ、はい・・・僕は、ヴィクティディアル=シセルスです。」
つい、声まで緊張してしまった。
「ええ、シセルス君ね。わかったわ。
私はコルデミノ=ガルシアよ。よろしくね、シセルス君。」
ガルシアさんが再びにこっと笑う。
ううっ・・・美人すぎる・・・・
「はい、ガルシアさん。よろしくお願いします。」
やはり少し声はかたかった。
ガルシアさんは、僕との自己紹介を終えると、
もう一人誰かを呼んできた。
厳密に言うと人じゃないのだけど・・・まぁいいだろう。
「モラ!!!新入りさんが来たわよ~!!」
モラ、という名前の人らしい。
・・・もうこの際人と呼ぶことにしよう。
「なんだ?ガルシア。新入りだと?」
「ええ、そうよ。ウィクティディアル=シセルス君。」
ガルシアさんはニコリ、と微笑み僕を紹介した。
「あ、どうも初めまして・・・・」
僕はペコリと頭を下げた。
すると、モラさんは、怪訝そうに顔をしかめた。
「ヴィクティディアル・・・・?」
「そう。ヴィクティディアルの子孫よ。」
ガルシアさんはまだニコリと笑う。
「なんでヴィクティディアルがここにいるんだ・・・ッ!」
モラさんは低い声でそう言った。
いや、言ったというより唸ったに近い。
地響きしそうなほど低い声。声質はいいのだが、怒ったような怖い声を発していた。
「・・・・ッ!!しまった・・・・モラはだめだ!!」
あのシーデルでさえ焦った顔をした。
「モラは昔からこの一派にいてな・・・
ヴィクティディアルに深い恨みを持ってるんだ・・・」
「ええええっ?!」
ちょ、それやばいじゃないか。僕なんか襲われたら即死なんだぞ?!
「あ、あのモラさんッ!!落ち着いてください!!」
僕は命乞いでもするかのようにモラさんに頼んだ。
「・・・・そうだな。」
モラさんは寂しそうにふっと息を吐くと、後ろに蠢いていたオーラみたいなものを消した。
「俺だって馬鹿じゃない・・・お前に復讐したところで無意味なことはわかる。」
「・・・え?」
魔族って血が頭に上りやすい人ばっかだと思ってたが、案外そうでもないみたいだ。
「お前、においがしねぇんだよ。」
モラさんは吐き捨てるようにそう言った。
「訂正。においはするが、ヴィクティディアルのにおいっつーか強いやつのにおいがしねぇんだよ」
「あの・・・モラさん、それはそれで傷つくんですけど・・・」
「それどころか、弱いやつのにおいもしねぇし・・・
お前いったい何者なんだよ?」
モラさんの言葉に嘘はなさそうだ。そんな気がする。
「じゃあ、僕が中くらいのやつなんじゃないですか?」
「いや、それは違うな。それはそれでにおいがすんだよ。」
「でも、俺が嫌いじゃねぇにおいだ。だからお前に復讐しねぇ。」
「ねぇ、モラ。」
「なんだよガルシア。」
静かに横で話を聞いていたガルシアさんがにこっと微笑み、こう告げた。
「さっきのセリフだけ聞くとモラ、あんた変態ホモっぽいわよ?」
言っちゃいけないセリフをズバっと言った。
「シセルスさん・・・・、あなたどれだけフラグ立てれば気が済むんですか」
そう言いながら、ヴァニアさんはガリガリとメモ帳にペンをすごい速さで走らせていた。
「次は俺様系攻めにヘタレ受けですか・・・ヘタレ×ヘタレもいいですが、この王道もいいですね・・・」
ヴァニアさんは、またもや意味のわからないことを呟いていたが、なにか僕の本能が悪寒を発しているので聞かないことにした。
「ばっ、馬鹿言えガルシアっ!!そんな訳ねぇだろ!!」
モラさんは顔を赤くして必死に反論していた。
「・・・はぁ。あんたインキュバスのくせに昔っから表情はよく顔に出るわ余裕はないわなのよねー」
「うっせぇ!!俺はある程度戦えるから淫夢なんか見せれなくってもいいんだよっ!!」
「相変わらずモラはインキュバス失格ねー」
「うっ・・・別に戦えるからいいだろ!!」
「夢魔としてどうよ、それ。」
「(撃沈)」
ど、そうやらモラさんはインキュバスらしい。
「あ・・・あとっモラさん自己紹介してもらっても・・・・」
「・・・あ、ああ。俺はガレビジュリ=モラ。さっきの会話でわかったと思うがインキュバスだ。」
「ところで、モラさん、ガルシアさんと仲良さそうでしたが、どんな関係で?」
実はさっきからちょっと気になってたんだ。なんかガルシアさんキャラ変わってたし・・・
もしかして2人は恋人なんじゃないか・・・?
「ああ、幼馴染みだからな・・・ずっと一緒だったから口も悪くなるだろ。」
「あはは・・・恋人だと思ってました・・・」
「んな訳ねぇよ。一応ガルシアは彼氏いるしな。」
「・・・・それサキュバスとしてどうなんですか・・・」
「まぁ、ガルシアの彼氏はここにいるけど、サキュバスの特性も知ってるしな。許してるらしいぞ。」
「器広っ!!!」
「ま、またその彼氏にもいつか会うだろうし。楽しみにしとけ。」
「は、はい。楽しみです。」
「あと・・・・シセルス。」
「はい?なんです?モラさん。あとシセルでいいんですけど・・・」
「ん、じゃあシセル。」
「・・・すまん、なんでもない。」
「?あ、ならいいんですけど・・・・」
そんな会話をしていると、またヴァニアさんはメモ帳にガリガリ書き出すし、ガルシアさんはため息をついていた。
「話は終わったか?シセル君?」
ずっと壁に持たれていたシーデルが急に話しかけてきた。
「ああ、まだいたんですか?」
「少しづつシセル君口が悪くなってきてるよね?」
「あはは、当然の報いじゃないですかw」
「そうですね。それに関してはシセルスさんに同意です。」
「シセル君、ヴァニア、そろそろ私も怒るぞ?w」
「あの、自己紹介はこのくらいにしたいです。」
正直言って、今、かなり眠たいのだ。
「あら、まだ残ってるんですけど・・・」
「すみません。ちょっと眠たくって。」
「そうなんですか?ではまた明日にしましょう。朧げに覚えても意味がないので。」
「はい。ごめんなさい。」
「いえいえ、大丈夫ですよ・・・・あ、シセルスさんのお部屋までご案内しますね。」
(なんだろうこの疎外感・・・・)
シーデルは一人(´・ω・`)としていた。
部屋は広くて綺麗で、ホテルの一室みたいだった。
・・・・あ、ここ僕が最初にいた部屋か。
へーここからここが僕の部屋になるのか。
・・・なんでだろう。こんな状況なのにちょっと嬉しがっている自分がいる。
まぁ、何かの気の迷い・・・・でもないか。
シーデルの野郎はともかく、
優しくってちゃんと「僕」を見てくれているデュラハンメイドのヴァニアさん。
・・・僕の家のメイドさんはみんな「僕」じゃなくって「ヴィクティディアル」を見ていたし。
ハキハキとした性格の明るくて可愛らしい魔法使いのメルンさん。
そして、その双子の弟メルタ。
・・・メルタとは初めての友達だな・・・魔族といってもすっごいいい人だし・・・仲良くなれたらいいなぁ・・・
そして、サキュバスのガルシアさん。
スタイル良かったな。
あとインキュバスのモラさん。
最初はちょっと怖そうだと思ったけどいい人っぽそう・・・。
「明日も楽しみだな」
そう、ボソッと呟いたことに僕自身も気づかなかった。
「あ、言い忘れてました!!明日の朝、起こしにいきますからね!」
ヴァニアさんの大きな声が響く。
「ふぁーい・・・・」
僕は寝ぼけた声で返事をした。聞こえたようで良かった。
そうして、僕は深い眠りについていった。
「俺のスペシャルが通じない相手、か・・・。」
シセルたちが去ったあとモラは一人考えにふけっていた。
そこに、一人の美女がやってきた。
「あらモラ。どうしたのよ?」
「・・・ガルシアか。いや、ちょっとな。ほら、シセルのことなんだがな。」
「シセルス君がどうしたのよ?」
「俺、あいつのにおいがいまいち理解できねぇんだよ・・・」
「ああ、そんなこと言ってたわね。珍しいわ。」
ガルシアは表情も変えずそう言った。
「だろ?俺もこんなの初めての感覚だ。いつもはすぐににおいで相手を見極められるのに。」
「強い弱いとかのほかに、善人、悪人・・・自分の相手への感情・・・いろいろなものがにおうのよね?」
「ああ。そうだよ。おれのスペシャル、『絶対嗅覚』はな。」
「ふーん・・・で、どんなにおいがするの?シセルス君は?」
「ああ、なんかな、甘いような酸っぱいような苦いような・・・そんな不思議な匂いだ。」
「・・・・あんたはそのにおい、好きなの?」
ガルシアは少し冷や汗を垂らしつつ尋ねた。
「ああ。大好きだ。虜になるような快感のにおい・・・そんな感じだ。」
ガルシアの嫌な予感は的中した。
いや、まだ正解はわからないが、なんとなくそのにおいが意味するものをガルシアは察した。
「・・・・・・・そっか。じゃあ私急ぐから。」
多分、そのにおいが意味するものは・・・・・・・
「はぁ。またヴァニアが喜ぶわね。」
一方、ここはある魔族の一派の潜むアジト。
そこで響く元気な子供のような声。
「よーしっ!!!依頼完了っ!!!」
「お疲れ様です、カルメル様。」
「おうっ!!ゲルム!報告書頼むなっ!!」
「心得ております。」
「じゃあもう家帰るんだよな?」
「はい。そうですよ。」
「んーー!!1週間ぶりか!」
「そうでありますね。」
「元気かなーシセル兄。」
「元気なんじゃありませんか?」
「早くシセル兄に会いたいなー!!」
「ほんと、カルメル様はシセルス様がお好きなんですね。」
「ああっ!!兄ちゃん大好き!!」
「ちょっと早く帰ろうぜ!」
「了解いたしました。」
そう会話する2人の後ろにあるアジトは、もう平地のようになっており、壊滅、そう。その言葉がぴったり似合っていた。
その一派は壊滅したのだ。1人の光の勇者の手によって。
やはり新キャラを書いていくのは楽しいですね!!
話は進みませんが、私はこういうのを書くのが大好きです!
次回もまだまだ書く予定ですので、お付き合いしてもらえれば幸いです。