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学校が終わって家に戻る。
いつも通り、家には誰もいない。
仕方なく、近くの公園に遊びに行く。
たくさんの子供たちが遊んでいる。
でも、いつも通りぼくは、ひとり。
こっちに引っ越して一か月。
父親の転勤だから仕方ない。
母親もパートを見つけた。
「来年には中学受験なんだから、お母さんも働かないとね」
そして、その後には決まって、
「だから、勉強がんばってちょうだい」
父親はいつも遅くに酔っ払って帰ってくる。
そして、母親と口げんかが始まる。
これじゃ、勉強も集中できるわけない。
父親は会社じゃエリートらしい。
だから、転勤も多い。転勤するたびに
偉くなると言っていた。
ぼくにも、そうなるように言うけど・・・
たくさん勉強して偉くなってその結果が
こうなら、偉くなんかなりたくない。
ぼくは今日も塾を休んで、公園に来た。
こっちじゃ、友達もいない。
でも、引っ越す前にもいたのかなと思ったりする。
引っ越すとき、涙を流してくれたクラスのみんな。
だったけど、引っ越して一か月で誰からも連絡はなくなった。
「元気にしてる?」とか「また遊びにいくよ」
とか、最初はメールをくれてたのに・・・
きっと新しい場所でも同じなんだろな。
そう思うと、ぼくはクラスの中に進んで入れない。
自然と、周りの人間もぼくを避けていく。
塾ではみんながライバル。
だから、余計に友達なんてムリ。
数日前からこの公園で塾が終わるまで時間つぶし。
ぼく以外、みんな楽しそうに見える。
ぼーっと考えながら眺めていたとき、
ベンチの端っこで子供を抱いてる女性を見つけた。
なんか、ぼくと同じように寂しそうに見えた。
気になってちょっと近づいてみた。
どっちもちっとも動かない。
寝ているのかな。
ぼくは、こっそりと後ろに回る。
ひっそりと二人を覗いてみた。
すると目に入ったのは子供じゃなく、
大きなクマのぬいぐるみだった。




