思い出の装備
次に目を覚ますと朝だった。
どうやら昨日はベッドに倒れこんだあと、眠ってしまったらしい。
せっかく夕飯を作ってもらったのに申し訳ない事をしたなと思いながらベッドから起き上がり、辺りを見回し自分のいる所がしらゆり亭の一室だとわかり、昨日の出来事が夢じゃ無い事がわかった。
そして朝の挨拶と昨日寝過ごしてしまった事を謝る僕は部屋をでた。
部屋を出るとリリーとミーシャさんは起きていたらしく簡単な掃き掃除をしていた。
僕はそんな2人を見つけて
「おはようございます。昨日は、せっかく夕食を作っていただいたのに寝てしまっていたようですみました。」と挨拶をした。
挨拶をした僕に気づいたリリーは、持っていた箒を壁に立てかけて
「お兄ちゃんおはよう」と言って駆け寄ってきた。
ミーシャさんはそんなリリーを見て微笑みながら「おはようございます。昨日はそうとう疲れてたんですね、今から私たちも朝食にするんですが、良かったら一緒にどうですか?」と聞いてきた。
「はい・・・そうみたいです。ご飯は、ご迷惑じゃないならお願い出来ますか?」
と言って、昨日は食べなかったのに朝食を食べる事に若干の罪悪感があったが、昨日から何も食べていなくて空腹だったので好意に甘える事にした。
それを聞いたミーシャさんは
「大丈夫ですよ。でも、温めなおすのに少し時間がかかるから着替えを渡すから着替えて待っててね」
と言って着替えを取りにいき僕に渡すと料理を温めに行った。
渡された服は、上下とも紺色で少しゆったりとした服だった。
そして残された僕は、一回部屋に戻って着替えを済ませて部屋を出ると着替えを待っていたリリーは「いこっ♪」と言って僕の手を引いて、2人が暮らしている宿の一室に案内した。
部屋の中は、15畳程のリビングの他に3部屋あり結構広々とした感じだ。
そしてなぜ部屋に連れてこられたかと言うと、旦那さんが生きていた時は食堂をやっていたらしいが今はやっていないからだ。
それもそうだろう、今この宿屋はリリーとミーシャさんの2人でやっているので食堂まで手が回らないのだろう。
そして僕は引っ張られながらも食卓テーブルがある所に行き、リリーの隣に座った。
隣に座ったリリーはすごくご機嫌で理由を聞いてみると
「昨日は一緒に食べれなかっけど、お兄ちゃんとご飯を一緒に食べられるなんてなんか家族が増えたみたいで嬉しいの」
と言って笑っている。
そうか、リリーは一緒にご飯を食べる事を楽しみにしてたのに悪いことをしたな・・・。
これからはできるだけ一緒に食べようと思い、昨日のお詫びにリリーの頭を撫でてあげると、リリーはなぜ頭を撫でられたのかわかってないだろうが『えへへ』と言って僕を見上げて笑った。
そうして待っていると「お待たせしました」と言って、朝食を持ってミーシャさんがやってきた。
朝食は野菜のスープにパンにサラダと朝食にしては豪華だった。
そして朝食を三人分テーブルに置くと、ミーシャさんは僕の前に座り「いただきます」と言ってみんなで朝食を食べはじめた。
ミーシャさんの作った料理は、今まで食べた料理の中でベスト3に入るほど美味しくて
野菜のスープは野菜がよく煮込まれていて、口にいれたらとろけるぐらい柔らかく、素朴な味ながら野菜の旨味が出ていて美味しかった。
サラダも、野菜の味を引き立てるようなドレッシングがかけられていて、こちらも美味しかった。
ただパンは少しパサパサしてあまり美味しくなかったが、他は文句の付けようの無いぐらい美味しかったしタダでご飯を食べさせてもらっているので贅沢は言えない。
美味しくご飯を食べ終わり食器を片付けると、ミーシャさんは食後のお茶を出してくれた。
出してくれたお茶を飲んでいると、ミーシャは「そう言えばマコトさんはハンターになるんですよね?」と聞いてきたので僕は
「はい」と答えると「じゃあ少し待っててください」と言って席をたった。
そして待っているとミーシャさんは大きな木箱を持って戻ってくると
「ハンターになるなら良かったら使ってください」と言って木箱を僕に差し出した。
差し出された木箱の中を覗くと中には、ガイラスさんが着ていたようなプレートアーマーと長さが120センチ程の長さの剣にナイフが一本入っていた。
中を見た中を見て驚いた僕は「こ、これは」とミーシャさんにたずねると
「亡くなった旦那の物です」と答えた。
どうやらリリーのお父さんは、宿屋をやる前はハンターをしていたらしい。
その言葉を聞いて改めて中を見ると、プレートアーマーにはいくつも細かい傷があり、剣にも使用感があったがどちらもミーシャさんが手入れをしていたのかとても綺麗にしてあってとても大切にしているものだとわかった。
それを見て僕は、2人にしたらこれは形見だしこんな大切なものもらえないと思っているとミーシャさんは
「使わないで保管しているよりも、マコトさんに使ってもらったほうが旦那も喜ぶと思うので良かったら使ってください」
と言って、リリーは「お父さんの形見で大切なものだけど、お兄ちゃんに怪我をして欲しくないし私も、お母さんが言ってたようにお兄ちゃんに使ってもらったほうがお父さんも喜ぶとおもうの」と言ってくれた。
そんな2人の優しさに僕は、涙が出そうになったがなんとか堪えて
「ありがとうございます。大切に使います」と言って形見の装備をもらった。
それを聞いたリリーは「お兄ちゃんつけてみて!」と言ってお願いしてきたので、さっそくプレートアーマーを着け剣はひだりの腰の辺りにつけた。
するとリリーは「お兄ちゃんカッコイイ!!」と言って抱きついてきて、ミーシャさんは僕の姿を見て、旦那さんと重ねて見たのか少し涙目になりながら小声で
「ありがとうございます」と言っていた。
そんな2人の姿を見て僕は、今は何ができるがわからないけど早く役にたてるようになろうと心に誓った。
週に2、3回の更新と言っていましたが気づいたら毎日更新してました(*^^*)
これからもできるだけ毎日更新できるように頑張りますので応援よろしくお願いします(๑>◡<๑)
なお感想や評価、誤字脱字、アドバイスなどいただけたと思います。
ではまた次回ヾ(*´∀`*)ノ