リリー①
*SIDE リリー*
今はお母さんな頼まれてポポの実を採りに行く近くの森に来ている。
ポポの実は今が旬でとても甘くて私も好きだけど森に採りに行くのは嫌だった。
なぜなら普段はそんなことは無いが今は魔物達は繁殖期で活発だし、普段は森の奥にしかいないのにこの奥にしかいないのにこの時期は下の方まで降りてきているからだ。
そして「はぁー」とため息を1つ吐いて気が滅入りそうになりながらもポポの実を探しながら歩いているとどこからともかく
『ギャーギャー』というゴブリンの鳴き声が聞こえてきた。
「一応お母さんから採取用だがナイフは借りてきているからきっと大丈夫。」
不安になったわたしは自分に言い聞かせるように独り言を呟く。
でもやっぱり怖いものは怖いのでさっさとポポの実を採って帰ろうと少し小走りになりながら探した。
そうして探すこと20分ぐらい探すとポポの木を見つけ安堵しながら木に近寄り手早くナイフでポポの実を採っていく。
ポポの実も結構取れたので家に帰ろうとしていると1番恐れている事が起きてしまった。
さっきの鳴き声はゴブリンのものだったのだ。
ゴブリン自体は冒険者からしたら集団じゃなければ駆け出しの者でも狩れるぐらいのレベルの魔物だが私は冒険者じゃなければ武器になるものはナイフ一本とはっきり言って心もとない。
ゴブリンは突然出てくると跳び上がり襲いかかってきた。
突然の事で「きゃーーー」と叫んでいる間に組み敷かれてしまい服を破かれた。
ゴブリンはきっと繁殖のために私を犯して孕ませるつもりだ・・・そう思うと涙が出てきた。
必死に抵抗したがうまく力が入らず私はもうダメだと思っているとさっきまで私を犯そうとしていたゴブリンが何ものかによって吹き飛ばされた。
突然の事で唖然としていると急に「あいつの相手は僕がするから逃げて。」と言われた。
しかしあまりの出来事に私は逃げる事も忘れて「逃げて」と言った人に見惚れていた。
男の人?私よりすこし年上ぐらいだ・・・それにしても黒髪黒目なんて珍しいな。
私は見たことないがお母さんに聞いた話によると大陸の東側の一部に住んでいて独特の文化を持っているらしい。
そんなふうに男の人を見ているとゴブリンとの戦闘が始まった。
男の人の戦い方は優雅に踊っているよで綺麗だ。
対するゴブリンは知能も低いので持っている剣を適当に振っているだけで男の人には当たらない。
誰が見ても男の人の方が有利に見えるが武器を持っていないのか殴っているだけでゴブリンに決定打を与えられていなかった。
しかしその均衡も私が落としたナイフを男の人が拾った事によりすぐにやぶられ一瞬で決着がついた。
私はあまりに呆気ない幕切れになにが起きたのか理解できずにボーッとしていると戦闘を終えた男の人が「あの、大丈夫ですか?」たずねてきた。
いけない、いけない。ビックリしてボーッとしちゃってた。
私は意識を男の人に戻すとゴブリンと男の人を交互に見て戦闘が終わった事を理解し感謝の言葉を出そうとしたが
「あ、あの・・その・・・危ない所をた、助けて・・・」まで言うと急に涙が出てきた。
この人にありがとうございましたって言わなきゃいけないのに何で涙が出てくるの?
私は急に出てきた涙に困惑していると涙を流している姿を見て男の人は私を抱きしめてくれた。
一瞬ビクッとしてしまったが男の人は「もう大丈夫だよ」と言って抱きしめながら頭を撫でてくれた。
そんなに優しくされたらもっと涙が出ちゃうよ。
そして私は無意識に何かを求めるように男の人の背中に手を回し頭を胸板に押し付けて子供のように泣いた。
ひとしきり泣くと私は自分のしていることに気づき恥ずかしくなってしまいすぐに背中に回していた手を自分の胸の前までもってきて俯いた。
私ってば初対面の人に何してるんだろう。
もう恥ずかしすぎて顔が熱いよ・・・でも泣いている間優しく頭を撫でてくれたしお兄ちゃんがいたらこんな感じなのかな?
そんな事を思っていると恥ずかしがっている私を見て男の人も抱きしめるのをやめてしまい開放されてしまい私は離れる瞬間寂しくなり「あっ」と声をもらしてしまった。
しかし男の人は気づいていないようだ。
男の人はもう一度私に大丈夫か聞いてきたがまだ顔が火照っていてあまり見せられる顔じゃなかったので大丈夫と言うこととありがとうございましたといいまたうつむいた。
そしてお互い会話がなくなってしまい気まずい雰囲気がながれてしまい男の人は必死に会話を探しているような感じがして私もこのまま気まずいのはいけないと思い話題を探しているとお互い名前もまだ知らない事に気づき自己紹介した。
そして男の人の名前がマコトさんだとわかった。
マコトさんか♪お兄ちゃんって呼びたいけどいきなりお兄ちゃんって呼んだらダメかな・・・?いやいや、やっぱりいきなりお兄ちゃん何て呼んだら変な子に思われちゃうし今は心の中だけでお兄ちゃんって呼ぶことにしよう・・・ってさっきお兄ちゃん家名を言わなかった?!
そう思った時には「マコトさんって貴族何ですか?!」って聞いていた。
そうしたら何でもないような「普通の家ですよ」って言った。
東側の一部の人は独特の文化を持っているといしやっぱりお兄ちゃんもそうなのかな?
そんな事を思いなが話しているとお兄ちゃんはやっぱり遠くから来たって言ってるしやっぱり東側の人なんだと思った。
すると急にお兄ちゃんがまたそこに戻ってしまうと思ったらなんとも言えない喪失感にかられた。
せっかく出会えたのにお兄ちゃんと離れるなんて嫌だよ・・・
そう思うと普段なら絶対そんな事はしないがお兄ちゃんと離れたくなかった私は大胆になっていて
「そう言えば泊まるとこは決めてる?」と聞いた。
するとお兄ちゃんは何かを思い出したように焦りはじめた。
やっぱりどっか言っちゃうのかな?
そう思うと寂しくなり焦りながらも離れたくなかった私は近くにいてもらうために
「え、えっと・・・泊まるとこをまだ決めてないなら私の家に来ない?私の家は宿屋をやっているから部屋はいっぱいあるよ。」
といってなんとか引き留めようとした。
するとお兄ちゃんは遠慮がちに
「えっ?!悪いよ。それに泊まるお金もないし・・・」
と後半は小声で言った。
なんだ、どっか行くんじゃないだ・・・。
そう思うと安堵感と同時に遠慮しているお兄ちゃんに私は少しムッとした。
私はお兄ちゃんとこんなに一緒にいたいと思っているのにおにはちがうんだ。
でもお兄ちゃんは何も悪くない。
お兄ちゃんはお金がないって言ってたし本当はただの私のわがままだって事はわかっていたけどどっかに行ってしまうと思っていた私は我慢できなかった。
そしてお兄ちゃんと離れたくなかった私は少し興奮気味に「大丈夫!命の恩人からお金なんか取れないよ。それにお母さん言ったら絶対大丈夫って言うよ」と言って引きとめようとした。
お兄ちゃんは私の熱意が伝わったのか「ありがとう。でも宿代は必ず働いて返すよ。」と言って泊まる事を了承してくれた。
でもまだ遠慮していた。
もぉー、お兄ちゃんは私が面倒見てあげるのに。
素直に好意?を受け取らないお兄ちゃんに私の感情が悪化していき駄々をこねていると
「むぅー、お兄ちゃんは遠慮しすぎだよ。」
と心の中で思っていることをついつい言葉に出してしまい焦った。
やっぱりいきなり言われたお兄ちゃんは混乱している・・・。
いきなりお兄ちゃんって呼ばれてお兄ちゃんも迷惑だったかな?
でももう読んじゃったしなるようになれと思いながらも内心恥ずかしかったし拒絶されたらどうしようと思い泣きそうになっているのを我慢して
「あっ、え、えっと・・・お兄ちゃんって呼んじゃダメかな?」と聞いてみた。
するとお兄ちゃんは「リ、リリーが呼びたいなら別にいいよ。」と言って私がお兄ちゃんって呼ぶことを許してくれた。
えへへ、お兄ちゃんって呼ぶことを許してくれたー♪
そしてあまりにも嬉しくなり笑っているとお兄ちゃんはまた頭を撫でてくれた。
たったそれだけの事だが私はとても幸せな気持ちになり心があったかくなった。
そうしてしばらく頭を撫でてもらっているとお母さんのお使いでここに来ている事を思い出し「あっ」と言ってその場に立ち上がり
「そろそろ帰らないとお母さんが心配するから帰ろ」と言ってお兄ちゃんに手を差し出しお兄ちゃんは私の手を取り立ち上がるとそのまま手をつないだまま村まであるいてくれた。
そうしてわたしは1人心の中でこれからもずっと一緒だからねとつぶやき歩いた。
今回はリリー視点でお送りしました(*^^*)
それにしても話の進み具合がおそくて申し訳ないですm(_ _)m
もう5話目と言うのにまだ村にすら行けてないとは情けないです(;_;)
頭の中では結構進んでいるのですがいざ書いているとあれこれ出てきて付けたしたりして書いているとどうしても鈍亀マーチになってしまうんです。
そんなダメダメ作者ですが見放さないで下さるとありがたいです。
なお誤字脱字、アドバイスなど教えていただけたと思います。
ではまた次回ヾ(*´∀`*)ノ