お兄ちゃん?!
僕は、初めて体験する“何かを斬る”と言う感触をナイフごしに感じ顔を真っ青にし、吐きそうになりながらもそれを我慢して少女の元に行く事にした。
少女の元に行くといまだにボーッとしてその場にへたり込んだままだった。
「あの、大丈夫ですか?」
僕がそう聞くと少女はゴブリン?と僕を交互に見たあとやっと何が起こったのが理解できたのか詰まりながらも言葉を発してくれた。
「あ、あの・・・その・・・危ない所をた、助けて・・・」
しかし余程怖かったのかそこまで言うと『うっ・・ぅぅ・・』と声を押し殺したように泣きはじめてしまった。
無理もない。誰だってあんなものに犯されそうになれば怖いし、ましてやこんな小さい子が耐えられるはずが無いだろう。
そう思うと僕は無意識に少女を抱きしめていた。
一瞬ビクッとしたが「もう大丈夫だよ」と言いながら頭を撫でてあげると少女は
「ぅぅ・・うわぁぁぁん、怖かったよー」
と押し殺したような泣き声からしだいに大きな泣き声に変わっていき手を僕の背中に回し顔を胸板に押しつけるように泣いた。
そうして少女はひとしきり泣くと今の状況に気づいたのか背中に回していた手を自分の胸の前に持ってきて頬を赤らめながら俯いてしまった。
そこで僕も自分がやっている行為に気づき少女をはなし僕も頬を赤らめた。
離す瞬間少女が「あっ」と小さく言ったような気がしたがきっと気のせいだろう。
今思えば泣いていたとは言え彼女いない歴=年齢の僕からしたら抱きしめるなんて行為がよくできたと思う。
「え、えっと・・・大丈夫ですか?」
さっきまでの行為が恥ずかしかったが落ち着いた少女にもう一度大丈夫か確認した。
「あっ、はい。ゴブリンに襲われて危ない所を助けていただき本当にありがとうございました。」
しかしお互いさっきの事もありまだ気恥ずかしさがあり会話が続かず沈黙してしまい少女はまた俯いてしまった。
やっぱりさっきのやつはゴブリンだったのか。
って違う違う。このまま沈黙していても気まずいし何か喋らないと・・・
沈黙ばかりで気まずいし僕は何か喋ることを考えていたが何も思いうかばずいまだにお互い無言のままだった。
一方少女の方も無言のままでは気まずいと思っていて何か喋ることを考えていた。
すると少女は何かを思い出したように顔を上げた。
「そういえば助けていただいたのにまだ名前も言ってませんでしたね。」
と言うと『えへへ』と言って下を出した。
その姿はとても可愛らしく僕はドキッとしたが少女はそのまま自己紹介を続けた。
「私はこの近くのリプタン村に住んでいますリリーって言います。」
「僕は金城真って言います。よかったら真って読んでください。」
そうしてお互い自己紹介し終わるとリリーは驚いた顔をして質問をしてきた。
「マコトさんって貴族なんですか!?」
リリーの疑問がわからなかったが「いえ、貴族じゃなく普通の家ですよ。」と答えた。
僕がそう言うとリリーはまた驚いてしまった。
「家名があるし着ている服だって見たことないような服ですごく高そうだったからてっきり貴族かと思いました。」
そう言うとリリーは僕の服を改めて見ている。
確かにリリーの着ている服は僕の学ランに比べるとあまり作りが良さそうに見えない。
あとどうやら家名は貴族達ぐらいしか使わないらしい。
「僕はかなり遠くの場所から来ましてそこでは家名があるのが普通だったので家名も名乗りましたが貴族達ぐらいしか家名がないならこれからはマコトだけを名乗ったほうがいいですよね?」
「その方が良いですね。あ、あとマコトさんの方が多分年上ですし敬語じゃなくて良いですよ。」
「わかり・・わかったよ。リリーも敬語じゃなくて普通に話してね。」
すると不思議な事にさっきまで普通だったリリーがまた顔を赤らめた。
「う、うん。そうだマコトさんは泊まる場所とか決めてる?」
そう言えば泊まる事とかまったく考えてなかった。
泊まるって事はお金もいるし一銭も持ってない僕は泊まることはできないから野宿しかないしどうにかしてお金を稼がないと食べ物も食べられないしどうしよう。
そんな事を考えているとリリーが心配そうに声をかけてきた。
「えっと・・泊まる所をまだ決めてないなら私の家にこない?私の家は宿屋をやってるから部屋はいっぱいあるし・・。」
「えっ?!悪いよ。それに泊まるお金もないし・・・。」
後半は恥ずかしかったの小声になったが近くにいた事もあり聞こえたようだ。
「大丈夫!命の恩人からおかなんかとれないよ。それにお母さんに言ったら絶対大丈夫って言うよ。」
リリーはそう言ったがこのまま好意に甘えるのは良くないと思ったし元からの日本人気質の僕は悪い気持ちになり
「ありがとう。でも宿代は必ず働いて返すよ。」
と言った。
しかしリリーはそんな遠慮する僕を見て
「むぅー、お兄ちゃんは遠慮しすぎだよ!」
お、お兄ちゃん?!いやいや、きっと幻聴だろう。でもしっかりお兄ちゃんって聞こえたしなー・・・
そしてどうしても幻聴に聞こえなかった僕は聞いてみた。
「お、お兄ちゃんって言うのは・・・」
そう聞くとリリー恥ずかしそうに頬を赤らめ上目遣いで僕を見ると
「あっ・・え、えっと・・・お兄ちゃんって呼んじゃダメかなぁ?」
と聞いてきた。
か、かわいすぎる・・・って今は違うだろ。
どこかで似たようなツッコミをした気がしたが今はとりあえず意識の外に持っていく。
「リ、リリーがそう呼びたいなら別に良いよ。」
そう言うとリリーはとても嬉しそうな顔をした。
僕は一人っ子だったのでわからないがきっと妹がいたらこんな感じなのかなーと思い嬉しそうな顔をしているリリーの頭を撫でてあげた。
撫でられたリリーの方は目を細め嬉しそうに笑っている。
しばらく撫でていると「あっ」と言って急にリリーが立ち上がり
「そろそろ帰らないとお母さんが心配するから帰ろ。」
と言いながら僕に手を差し出した。
僕は差し出された手をつかみ立ち上がるてそのまま手をつないだままリリーと村に戻るために歩きはじめた。
どうも、へっぽこ作者の三缶ポン酢ですm(_ _)m
今回もぐだぐだ感満載で読んで頂いてる方に申し訳なく思います(;_;)
本当にいつになったら成長するのかって感じですがどうか見放さないで暖かい目で見守って頂けたらと思います。
なお誤字脱字、アドバイスなど教えていただけたと思います。
ではまた次回ヾ(*´∀`*)ノ