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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
4章 テストプレイヤーと分岐点

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第87話 隠密プレイヤー?

 リョウコが開いたままの宝箱の前でしばらく動かずに何かを考えているようだった。

 俺たちが明ける前に既に開いてたんだけど……妖魔が開けたのか?


「おかしいですね……宝箱が開いてる……」

「妖魔が開けたんじゃないのか?」

「妖魔が開けてるのを見た事はないんですよね……鍵が違うでしょ?」


 まぁ、宝箱を見る限りは妖魔の文明とは違う感じだな。

「確かに文明の進み方が違う宝箱……に見えるかもね」

「妖魔の着ているもの見る限りは……文明がもっと低く見えるもんな」

「すでに誰かが先行して開けた……と考えるべきかしら?」

「……ホコリりもかぶってませんし、開けて間もなくって感じですが……」


 それからも空いた宝箱にしか遭遇しない感じだった。誰かがすでに攻略をした後に妖魔が湧いた……って感じか?

 それでも俺たちは残敵を倒しながらダンジョンの奥へと進んでいく。半日って言ってたけど、2,3時間で終わりそうな勢いだな。ナオエさんのスキルがダンジョン探索においてはチートすぎるな。まぁ……オタカラが無いので空振り感が強くなって来たけど……


「待って。その部屋からなんか変な感じが……」

「? ワタシのマホウデハワカラナイヨ?」


 あれ? ウィンディードさんの探知の方が凄いんじゃなかったっけか?

「えっとね、探知には引っかからないんだけど、音波の方のソナーだと、なんかいる感じなんだよね……人型なのかなぁ……」

「もしや霊的な何か?」

「そうかも……」


「どの辺に見える……いるんだ?」

「あの辺」


 ナオエさんの指差した方向を見ると、部屋の隅だな……

 そして指を刺した方向が少しずつずれていく……動いているのか……


「言葉分かるかわからないけど、出てこい、バレてるぞ……あ、ウィンディの言葉の方がいいのか?」

「え、通訳します?」

「あ、リョウコの言葉だったら通じるのか……」

「あ、確かに……いるのはバレてます、姿を現しなさいー? こんな感じですかね?」


「……」


 反応なしか……ナオエさんの視線は一点を見つめたままだから消えて無い感じだな。

 サチさんが俺の肘をつんつんする。

「ね、ねぇ、折角だから『爆発』のスキルを撃ってみてもいい?」

「ちょ、サチ、まだお宝探し終わってないだろ?!」

「弱い爆発を隙間なく打ってみるのよ。そうしたら生物だったら……けがはするとは思うけど、たぶん生きていると思うの」

「……当たり所悪かったら……死ぬんじゃないか?」

「その時はその時で……」


「……え? ちょ、ちょっと、待ってくれ! 降参だ!!」


 突然何もない空間に男性が出現する。姿を見る限りは……新規プレイヤーの方か? 装備も現地調達の延長線上に見えるし、バックパックなんかもしょってないし……


 ……サチさん……もしかして脅しだったのか……


「……根性無しね……」


 サチさんの楽しそうな笑顔が消え、真顔になっていた。

 脅しじゃなかった様だ。


「すごいですね……突然出てきた」

「隠密系のスキルなのかしら?」

「姿が見えないのね……どう戦えばいいんだろ?」

「音は跳ね返さなかったんだろ? だとすると、見えなくなるスキルじゃないか?」

「ようするに透明人間的なものなの?」

「だとすると定番の対処方法だと……牛乳とか色付きの水をかけるとかか?」

「え? 色付きの水は無いな……ナオエさんがいないとやりたい放題ってことか?」

「……モラルがある人ならいいのだけれども……どうかしら?」

「……奪っておいた方がいいんじゃないか?」


 なんかみんな……驚きよりも透明人間に対する対処方法を話し合ってるような……ってか目の前の人の表情がどんどん変わってくんだけど……


「おい、待ってくれ……あ、情報がある……殺さないでくれ……」

 不穏な空気を察してか、男性プレイヤーが軽く後ろに下がりつつ後ろの方に手を隠す……アイテムポーチから何か取り出す気か?


「あ、カタシくん、檻に入れておいて」

「ん? あ、おっけ」


「……え? 檻?? なんだ?? 壁? 見えない何かが……スキルか……「牢獄」とかか?」


 目の前の男性プレイヤーが目の前に現れた『固定の檻』を触って形状を確かめていた。いきなり気が付くって事は……エーテルの反応には気づく人間って事か。


「すごいな……空間に檻を作れる……それか空間自体を操れる能力か……しくじったか……」


 男性プレイヤーはポーチから手を出して手をひらひらして降参のポーズをする。

 逃げ出す準備をしてたんだな……ってか、このメンツから逃げられる……訳ないと思うんだけど……何かいいアイテムを持ってた……とかか。


「それで、えーっとお名前は?」

「……トオルだ。俺をどうするつもりだ?」

「敵対しなければ解放しますが……どうしよう? このスキルは野放しにできないような……」


「え? ちょっとまってくれ。姿を見えなくするだけのスキルだぞ? そこまで警戒は……」


 トオルさんが雰囲気を察してか、最後までセリフを言いきらなかった。まぁ、俺も感じるくらいだからな……女性陣の警戒が何故かマックスになっている様に見える。

「すごいですね……姿を消せるだけで単身でこの難易度のダンジョンに挑戦をするんですか?」

「エーテル反応がそれなりに高い感じね。かなりの魔獣と妖魔をやってる感じ?」

「装備を見る限りは……ダンジョンをかなり攻略している様に見えますが……」

「大分いいアクセサリーに見えますね。付加効果も高そうな……」


 確かにこの隠密プレイヤー、トオルさんの装備は……なんか豪華だ。シンプルなんだけど装飾された装備やら、何やら指輪みたいのをつけていたり……ゲームみたいな設定だから、指輪を付けたらパワーアップ……とかなんだろうか?


「えーっと、装備はやるから……見逃してくれ。くそっ……全く壊れない……どうなってんだ……」


 何やら見えないところでナイフを出してやってたみたいだけど……『固定』の檻は切れないような? ってか、リキさんの攻撃にも耐えきるほど頑丈な檻……なんだよな。煙にでもならないと逃げれないような?


「あ~……情報があるんだ……それは俺を殺しても引き出せないと思う……どうだ?」

「どんな情報です?」

「ああ、鬼人族の街とか、違うルールでこの世界をプレイしているやつらの話やら、ダンジョンの場所やら、妖魔のダンジョンの奥の話さ……お? 興味持ったか?」


 妖魔のダンジョンの奥の話……は聞いてみたいけど……あとは知ってる情報だな。むしろリョウコとウィンディードさんがいれば地上の話は彼の持っている情報以上に全部わかりそうなんだけど。


「カタシ君、どう思う?」

「そうだな……情報よりも彼が俺たちや仲間に害を及ぼさないか……そっちの方が気になるな」

「そうね、彼からはエーテル量がそれなりに高く感じるから……かなりの生物を殺している可能性が高いわね……」

「あと、スキルが『姿隠し』だけとも限らないだろ? ナオエが居なかったら俺とサチだけだったらスルーしてたぜ」

「そうね……後ろからぐさり……とやられてたかもしれないわね……ナオエさんがいてよかったわ」


「ちょ、ちょっと待ってくれ、俺は人はやってない! 何で人を殺してきた前提で話を進めてるんだ! 寝てる妖魔をチクっとやっただけだ。本当なんだ! 俺はダンジョン専門で……」


 ああ、やっぱり寝てるところをグサッとやった感じか。まぁ、俺も隠密持ってたら……妖魔の砦の夜に忍び込んでグサグサやっちゃうね。ステータス稼ぎ放題だな……食料も奪っちゃえばいいんだし……羨ましいスキルだ……

【彼を殺してしまうのですか?】

 ……それはちょっとなぁ……プレイヤーを積極的に狩らない性格だったら……いいんだけど……


「……私、あなたのスキルが欲しくなっちゃった……」


 ナオエさんが結構真剣な目でトオルさんを見ている。

 これは脅しか? 本音か?? あれ? どっちだ?


「ちょ、ちょと、待って、俺が死んだら、このバッグにある妖魔のダンジョンのお宝やら、よくわからない魔法の薬とか、ステータスアップの指輪とか手に入らないぞ? それでもいいのか??」


「……へぇ、そんなに持ってるんだ?」

「あ、あああるぞ、ちょっとまって……イテッ!!」


 何かを四次元収納ポーチから取ろうとした手をナオエさんの槍の柄が直撃していた。

「不審な動きをしない……魔法のアイテムなんてあったら困っちゃうから……」

「……そんな……ああ、これは……やべぇ感じか……」


 トオルさんの表情が絶望へと変わっていく……ちょっと可哀想になって来たな……何かこれってイジメとかの「いじめる側」なんじゃないの??


「ナオエさん……あなた、どこまでが演技なの?」

「え?」

「必要な情報は全部引き出せた気がするぞ?」

「そうだな。死んだら四次元収納ポーチのものが手に入らない……って言ってたからな」


 ナオエさんが仲間の言葉を理解するのに少しの時間を要した様だった。

 一度でもプレイヤーの死に立ち会っていたら、アイテムポーチの中身が全部外に出て大変……ってのを知ってるわけだから……殺した事、人が死んだ場所にいたことが無い人なんだよね。

「……あ、そうか」


「……マジだったのか……」

「まぁ、欲しいスキルではあるけど、制限はあるでしょ?」

「ごめんなさい……私に隠密系のスキルがあれば……妖魔の砦とか一人で攻略できそうだし……ダンジョンも行けるって思って……」


 ……見えない伸びる槍が音も無く突き刺さり……敵側からしたら相手の場所が分からずに伸びる見えない槍の雨が降る……やばいな。SP消費が低ければ……チートレベルのスキルだな。ダンジョンも片っ端から踏破……


「確かにナオエなら……やれそうだな」

「貴方ならできそうね」


 話を聞いているだけだったリョウコが俺の脇腹を肘で小突く。

「先輩、もしかして、プレイヤーを殺すと「スキルオーブ」が取れるんですか?」

「……あー、そうだったかなぁ……」

「そんな警戒しなくても大丈夫ですよ、私は使えないんですから……あ、そうか、動けない様にして運べば……スキルオーブを持っていくのと同じですね……」


 リョウコの視線がトオルさんの手足を見る。危ない発想を理解したトオルさんが本気で慌てだす。

「!!! 話す! 話すから!! あと、ポーチの中身も上げるから! 勘弁してくれ!!」


 最後のリョウコの発言が止めになったようだった……

 ……殺気がこもってたから……手足でも切り落としそうな勢いだったな……

 恐ろしい人だ。


 §  §  §  §


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