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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
4章 テストプレイヤーと分岐点

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第85話 テストプレイヤーへの支給品?

 §  §  §  §


 食事と後片付けを終え、もう寝ようかと準備をしている間に、リョウコがホームから何やら取り出してくる。それにしてもひどい目をしている。どうやら寝不足だったみたいだな、

 あれから一晩中やり直しの前の事を悩んでいたんだろうな……


「……余りものになってしまうんですけど、新規プレイヤーも使えますかね?」

「ん?」


 薬入りの瓶? なんか……俗にいう「ポーション」みたいだな……あとは槍と大剣……弓?

「強化はしてないんですけど、弱い妖魔の武器や防具くらいなら安々と切り裂けるので、使えたらくらいですが」

「? 武器が切れるくらい?」

「なんかすごくない?」


 大分豪華な武器に見えるな。デザインがファンタジーというよりSFが混じっている様な不思議な武器に見える。それこそソシャゲに出てきそうな武器だ。

「……普段使っている武器は剣だよな、何でこんな違う種類の武器持ってるんだ?」

「ミッションの報酬だったり、アチーブメントの報酬だったりで貰えるんですよ。仲間内で融通はするんですけど、未強化だとダメージが少なかったりする気がするので……余っちゃうんですよね」

「……ダメージって……数字化されるのか?」

「あ、さすがにそれは……敵の装甲を簡単に切れたりしないか……くらいの感じですね」

「……装甲を切る……」


 皮鎧とか鎧ごとぶった切る……的な感じか? 槍を投げるときも基本的に鎧のないところを狙うし、皮鎧に当たったら弾かれたり刺さりが悪い時が多いし……


「私たちには無い発想ね……」

「そうだな。隙間を突き刺す……だよなぁ……」

「装甲ごと叩き潰す……はあるが……」

「それはリキさんだけでしょ……」


 リキさんがSFな大剣をぶんぶん振り回しだす。あの質量も軽々か……どれ……え? 剣も普通の重さなんだけど……軽いわけじゃないのか……リキさんのスキルってどんだけ身体能力を強化してるんだ???


 サチさんが薬瓶を持って物珍しそうに観察をしていた。

「このカラフルな液体が入ってる瓶はなにかしら?」

「ポーションとかじゃね?」

「……ポーション?」

「ゲームとかでよく出てくる、飲むとHPとかMPが回復するやつです」

「……たしか……減ると死んじゃうグラフみたいなやつよね?」

「そうです、それですね……グラフ……」


「この世界にもあるの?」

「……傷が治るだけとか?」

「SPが回復するのか?」


 リョウコはああやっぱり……的な表情をしながら解説をしてくれる。やっぱり仕様が色々と違うみたいだ。

「あ、私たちにはHPゲージがありまして、ゲージが無くなると普通の人間みたいに怪我するようになるんですよ」

「何それ……」

「シールド的なナニカみたいだな」


 サチさんが四次元収納ポーチにポーションを入れて何やら操作をしている。

「これを飲むと瞬時にHPとMPが回復する(微量)と書いてあるわ」

「あ、そうか、ポーチにいれて解説読めばいいのか」


「新規プレイヤーはストレージにいれないと解説読めないんですね」

「って事は、そっちは……入れなくても読めるのか」

「はい、レベルやスキルが上がるとUI上の情報が増える感じですね。あと一度使用すると似たものは表示されたりします」


 試しにリョウコの持ってきた剣を入れてみる。

「スラッシュソード(+0)・中級者向けの剣。妖魔の皮の鎧はたやすく引き裂く。斬撃に対して10%のボーナス・スキル発動速度+10%」

 ……なんだこれ? スキル発動速度って??


 リキさんがシンプルで近代的なデザインの大剣と妖魔の将軍の大剣を両手に二つ持ちながら悩んでいた。ってか、重量凄いと思うんだけど……ほんとどうなってんの??

「なぁ、妖魔の将軍の大剣と、この大剣はどっちがつえーんだろ?」

「あ、ボスからのドロップはそっちの方が強い場合が多いみたいですが……すごいですね、大剣の二刀流なんて……レア職業でも持てる人いなかったような……」

「……試してみたいわね……」

「これからここで寝るんだろ? 音で魔獣とかよってきちゃうだろ?」

「そうね」


 リキさんの視線が大木の方を向いている。あれを切る気だったのか? ってかパワーアップ系のスキルってすごいもんだな……ゲームで言ったら脳筋ビルドってやつか?


 リョウコが俺たちの作った木の小屋を見上げてうっとりしていた。大分精神が落ち着いてきた様だ。

「なんか、木の上の小屋って……ファンタジーですよね……私もそっちがいいなぁ……」

「あー、五人分しかやってないから……」

「それじゃぁ、久々に添い寝してあげましょうか?」

「……ちょ、ちょっと待て……そんな記憶は……」


 あれ? なんか変な視線を強く、複数感じるんだけど……

「……あ、覚えてません? ……学生の時の雑魚寝ですけどね」

「リョウコ……誤解の与えるような言い方は……その、なんだ……」


 俺は仲間を見回すが、リキさん以外目をそらして合わせてくれない……あれ?

 リョウコも気が付いた様で周りを見たあと、なんかニヤニヤしてる……またからかって遊んでるのか……しまったな……現実での失敗談で遊ばれそうだ……拠点に連れて行く気が無くなってきた……

【……カタシはあれですね。もう少し男女の機敏に敏感になった方が良さそうですね】

 ……? なんで? ちゃんとお付き合いしてる人はいたし……あ、でもフラれちゃったから……そうでもないのか?

【……まぁ、人生色々ありますね……管理者が面白がりそうですが……】


 うーん、俺はあまり面白くないんだけどなぁ……


 §  §  §  §


 31日目


 特に何事も無く朝を迎える。

 寝るときに女性陣の方は何やら遅くまで話していた様だが……


 アヤノさんに作ってもらっていた携帯食などを食べ、出発の準備をしていた。

 ホームから出てきたリョウコがUIを操作すると、かなりの大きさのテントが光の粒子となって消えていった。なんかすごいSFっぽいんだけど……


「おはようございます……寝られました?」

「ああ、もちろん。夜中の番だったから、ちょい寝不足気味だけどね」

「……見張りしないと駄目って大変ですね……」

「ホームはいいよな……夜はぐっすり寝れそうだ……」

「安全地帯を作らないと駄目なので、ホーム設置できるところは限られてるんですよねぇ」

「……テストプレイヤーの街的な……集合場所が出来る感じかなのか?」

「そうですね。ギルドごとに集落が出来る感じで、人数が増えると魔獣が近づくとアラート鳴らせるんですよね……私はボッチになってしまったので使えませんが……」

「……そうか……」


「あれ? もう週明けでしたか……ミッションが更新されてる……」

 リョウコがUIを操作していくと、自嘲気味な笑いから突然真面目な表情に変わっていく。


「あ、先輩……大変な事になってます」

「なんでだ?」

「ウィークリーミッションで鬼人族の風姫討伐が出ました……エリアはこの周囲5キロメートル四方を指定されてますね」


 鬼人族の風姫……風の魔法が得意な鬼人族……ふと俺の視線がウィンディードさんで止まる。目が合うと困惑した表情から無理に微笑んでくれた。かわいい……じゃなかった。

「……え? それって、ウィンディードさんを討伐するってこと?」

「はい、おそらく……」

「……ウィンディ、姫様だったの?」

「随分ワイルドな……姫なのね」

「かわいいのは正義だな」

「あなたは何を言ってるの……」


 全員の視線を受けたウィンディードさんが狼狽え始める。

『あ、その……違うんです。……この地方の領主の娘なだけで、姫では、我々の部族にはしっかりとした姫がいますので! 物語に出てくるような姫ではないです! リョウコ、通訳をおねがいします』


「……あ、そうか……言葉が分からないんでしたね。通訳しますね……ここの領主の娘だそうです」

『!!!』


「姫っちゃ姫だな」

「姫かぁ……」

「戦国時代って、領主の娘は姫扱いよね?」

「たまに上品な仕草するのはそれだったのね」

「まぁ、字も上手いからな」


 ウィンディードさんの困惑は続く。なんか俺らの反応がおかしいのか?

「……えっと、通訳しますね。どう見ても姫だろ? だそうです」

『そんな……笑われないなんて……がさつで男より強いから貰い手なんてないなんて言われていたのに……』

「……あ~それは……通訳しておきませんね……」


 落ち着つかずにそわそわしているウィンディードさんをよそに俺たちは相談を始める。

 ってかやばいよね? 今、緊急事態だよな?

「とりあえず……全力で逃げるか……」

「そうね、時間の猶予は? リョウコさん、そのウィークリーミッションはいつ告知されたの?」

「あ、はい、深夜3時になりますね」

「……って事はもう2時間くらいたってるってことか?」

「日の出とともに行動するのはあちらでも同じですので、今見たとは思いますが」


「あ、ここから2キロのところに、転移用の祠ポイント……複数ありますね」

「って事は、すぐにここに来る?」

「そうですねぇ……色々なチームが来るかとは思います……他に大きなミッションはありませんし、報酬をみると……主力組が来るかも……」

「ってことは、拠点方向に逃げると……場所を知らせる事になるから迂回しないとか……」


 リョウコが地図を見たあと、ウィンディードさんをまじまじと見つめる。

「あ、一つアイディアがあります。鬼人族に見えなければいいんですから」

「え?」

「まぁ、嫌がらなければ……ですけどね」


「???」


 リョウコのからかうような視線を受けたウィンディードさんは、さらに困惑をしていた。


 §  §  §  §


 俺たちは拠点と逆方向へと高速で進んでいた。

 ウィンディードさんを守るように、あまり注意が向かない様に陣形を組んでいる感じだった。

 確かに……森が騒がしくなってるな。俺たちだけの影響ではないだろう。何かが侵入してきた……そんな感じのあわただしさだ。


「あ、来ますね。前方右方向……この感じだと接触してくる感じですかね?」

「私も感じるわ。それなりの強さの個体が五ね」

「……レーダーなしによくわかりますね」

「ええ、色々とスキルを組み合わせてるの」

「……私も複合探知スキル欲しいな」


 ……え? あ、そうか、気配察知+音波でなんかやってるのか?

【ナオエは努力家ですからね。色々と試している様ですよ?】

 なるほどね……


 俺もしばらくすると、前方から高速で飛び回る人間のような気配を感じる。

 相手は無警戒な感じだ。まっすぐこっちに来てるな。俺たちが敵……とは思っていないようだ。先頭を走っていたリョウコが立ち止まる。念のためウィンディードさんはリキさんの後ろに隠れてもらう。まぁ……この姿を見ても別に大丈夫だろう……とは思うけど。


「お! 「人参娘」じゃんか!」

「お前も来てたのか!」

「え? 「人参」ちゃん以外、名前表示が違う?? 新規プレイヤー?」

「追放されたって聞いたけど……新規プレイヤーと組んだから?」

「なるほどねぇ」


 ……警戒、本当にしないな。強いエーテル反応を感じる。装備もなんか、リョウコがたくさんいる感じだな。ってかSF系のソシャゲの装備みたいだ。


「あ~皆さんお久しぶり。魔獣討伐戦以来ですね」

「何だ、美味しい所だけ持っていったやつが……」

「「人参」ちゃんも、風姫討伐?」

「はい、様子見だけ……すぐに来たのですがみつからなさそうな上に、人が多いので違うダンジョンに行こうかと」


「ほら、やっぱり出遅れたよ」

「討伐……ってか、鬼ごっこ系のミッションかぁ……このジャングルじゃ……下手すればかくれんぼか……」

「やっぱりなぁ……」

「ってか、新規プレイヤー……と一緒なのが驚きなんだけど……」

「逃げないな……なんでだ?」


「あ、この人たちは強い新規プレイヤーです。星3クラスの大型魔獣もあっさり倒してました」

「星3倒せるのか!」

「って事は、私たちと同じくらい?」

「新規プレイヤーは逃げるだけじゃないんだな……」

「敵意も感じないな」

「装備も豪華……ってか、「人参」ちゃん、いらないの渡したの?」


 ……なんか、彼らの話を聞いていると……俺たち新規プレイヤーはしっかりPVP(対人戦)やってるんだな……って感じてしまうな。徒党を組んだプレイヤーに近づこうとは……思わないよな。スキル奪われちゃうんだし。


「しっかし……何だよ、そいつの格好?」

「恐竜スーツか……この辺恐竜タイプが多いのか?」

「まぁ、隠密度アップの効果はあっただろ?」

「って、話してる場合じゃないんじゃないの?」

「だな、それじゃ俺らはここで、あ、フリーだったら俺らのチーム来なよ。来たくなったらメッセージ送ってくれよ」

「キックされた人をむやみに誘わない!」

「そうだった……それじゃ」


 上手くやり過ごせたか……良かった。ミッション優先って事は報酬が相当いいんだろうなぁ……

「ほら、大丈夫だったでしょ? あの人たちは友好的なお人好しなんです」

「まぁ、そうだな。ありがとな」

「はい♪」


 可愛い恐竜のぬいぐるみスーツを纏ったウィンディードさんは、かわいい恐竜の口から見える瞳は羞恥にそまっていた。

「ウィンディ……良かったわね?」

「ハズカシカッタ……ミラレルイヤ……」


「それにしても、なんで着ぐるみなんて支給されたんだ?」

「あーこれは、序盤のレア恐竜捕獲作戦の時用なんですよ。着ると恐竜に気が付かれないんです」

「なにその……インチキみたいな」

「……そうですよね……現実だと……とてもインチキですね……」


 俺たちは逃げる様にそのエリアから離れて行った。

 丁度、拠点の帰路の道中に「ダンジョン」があるのでそちらを見に行くことになった


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