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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
4章 テストプレイヤーと分岐点

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第80話 レアモンスター

 俺たちはリョウコの指し示す「レアモンスター」の場所へと直行していた。

 ステータスのかなり上がった俺たちの移動速度に余裕でリョウコはついてきていた。森の中を飛ぶかのような感じなんだけど……本当に余裕みたいだな……俺はつらいんだけど……

 リョウコが余裕で走って移動して俺の近くに並走して話しかけてくる。

 その余裕が羨ましい……


「あの、新規プレイヤーってみんなレベル高いんですか?」

「みんなは高くない……はぁ、はぁ」

「良かった……これが全員だったらとんでもないですよね。それにしてもすごいです。見たところパラメータが上位陣の強さとあまり変わらない感じがします」

「……くっ、余裕だな、はぁ、はぁ……」

「先輩だけ余裕なさそうですね……」

「……話しかけないで……息が……」

「体育会系じゃないと厳しいんですねぇ、ナオエ先輩バリバリの体育会系でしたもんね」

「……だから……はなし……かけない……」

「あ、すんません」


 そうだったな……ってか駄目だ、移動しながらしゃべるのは無理だ……呼吸を整えなければ……あれ、ちょっと体が軽く……気が付くとウィンディードさんが風の加護をかけてくれたみたいだ。大分移動は楽に……なったけどつらいのは変わらないな。彼女も風の魔法を纏っても割と普通な表情をしてるし……俺だけか……ついていけないの。やっぱりスキル使いたい……だけど今後の事を考えるとSP残したいからな……我慢だ。


「この辺ですね。あ、邪魔だからやっちゃいますね」


 リョウコが一段速度を上げたと思うと、かなり先にいた妖魔の5人の首が切り落とされていた。とんでもない速度……と切れ味だな。躊躇が一切無いのが恐ろしいとは思ったけど……

 並走していたナオエさんがぼそっと呟く。

「すごいのね……血が吹き出る前に移動してる……」


 リョウコが空中で剣を高速で振って血を払った後、鞘に納刀しながら聞こえていないであろう距離のつぶやきに答える。

「返り血浴びるのはやっぱりいやですからね」


 ……この距離の話し声が聞こえるのか? 相当耳が良いな。

【色々なものが強化されているようですね】

 レベル制っていってたけど……全ステータス強化系のレベルなのか?

【……そうですね、生物としての強さが強くなると考えてください】


 リョウコが周りを気にせずにUIを出して地図を見ているようだった。俺だったら敵が残っていないか確認してキョロキョロするんだけど、敵の察知なんかもできたりするのかな?

 リキさんたちも自分のログを確認しているようだった。

「なんか、俺らにもエーテル分配されてるな……」

「そのようね。リョウコさんの経験値的なものはどうなのかしら?」

「え? 攻撃を仕掛けたりバフもかけて無いのにもらえるんですか? 良いですね……えっと……目減りは……ゲージの桁が増えすぎてわからないですね、倒す前の数字覚えておくしかないかもです……面倒ですね」

「ログを見ればいいんじゃないのか?」

「ログ……ですか? ……ログにはとくには。メッセージのやり取りしか残らない感じですし」

「……同じ環境じゃないと考えた方が良さそうね」

「ほんとに」


「それで、ターゲット?、レアモンスターはどこにいるんだ?」

「……この辺……ですね。周囲二キロで……」

「……それって……このジャングルじゃ大変じゃ……」

「大変ですよ? 隠密してこっそりとしながら探し出して、無防備なところをグサッとやらないと駄目ですね。凄い勢いで逃げるので」


「探知とかは無いのね」

「あ、テストプレイヤーにはレーダーみたいのはないのか?」

「え? そんな便利なのは……斥候職にはスカウトサーチがありますけど、エーテル反応の強いモンスターだけなんですよね……ほら、敵意あると赤い点になるやつみたいな?」

「UIには表示されるんだ……」

「俺らがみつかったのって、エーテル反応の強いモンスター扱いだったってことか……」

「妖魔よりは強いから……そうなんじゃないの?」

「まぁ、大型クラスのエーテル持ってるもんなぁ……俺ら」

「……そうだったのね……」


 ……知らなかった……って事は、エーテル感知できる人間からするとバレバレなのか……なんか隠す方法とかないのかな?

【スキルでそういったものがあるので探してみてはどうでしょう?】

 ……毎回それですか……全部スキルで片付く世界なんだな……


「スキルではあるみたいだけど……」

「? なんの? 話が飛ぶわね……またナビとの会話の続きとか?」

「あ、ごめん、隠す方法、エーテル反応の」

「考えられるものとしては……隠密とか、隠蔽とか、遮断……気配操作……とかかしらね」

「なるほど……」


 ちらりとサチさんを見る。スキルオーブを集めてるはずだから持ってるかも……だな。

「私たちは持ってないわよ?」

「生存するには必要なスキルだなよなぁ……」

「持っていたとしても、逃げるのに特化しているスキルなんだから最後まで生き残るでしょう」

「……あ、そうか。生き残りにくいスキルが落ちてるだけなのか……」

「そういう事になるわね」

「音波のソナーもレーダー的知識が無かったら外れスキル扱いだろ?」

「なるほど……私には有用なんだけどね……物凄く役立ってるんだけど……」


 あ、そか……隠密があるとすれば、道具盗んだり、食料盗んだり……寝込みを襲ったり……やりたい放題だな。それで敵からも他のプレイヤーからも逃げ回ってゲーム終了を狙える貴重なスキルか。

【カタシが欲しそうなスキルですね】

 欲しい。すごく。

 穏便にいろいろと終わらせられそう。隠密して黒結晶壊して終わり……にしてほしいけど、ゲームが終わってないところを見るとそこまで強力な隠密は無いんだろうなぁ。


 それからリョウコがウロウロと気配を消しながら周囲を探る。サチさんの監視するような視線が強い気がした。テストプレイヤーの動向を推測するのに参考にしてるのかな?

「あ、いましたね。あれです」

「ん? 鹿?」

「うっすらと輝いている様な……」

「……本当にモンスターなの?」


 確かにレアっぽいけど……なんか、こう、神々しい何かを感じるんだけど……いいのか? あれをやっちゃって? つぶらな瞳をしている様に見えるんだけど。むしろお友達になりたい何かを感じる。


「ではやっちゃいますね。見てて下さいね」


 リョウコがエーテルの力の「何か」を手のひらにため始めると、ウィンディードさんが慌てて彼女を抱きかかえ方向を無理やり変えさせる。


「マッテ!! XXXXX!! XXXXコロスXXX!!』

『待って!! あれは駄目!! 聖獣様を殺すなんて!!』

「えっ?!」


 ……というか、リョウコを「ぶん投げ」た。すごい力だな……


「あ、ちょっ……ああ、もう!!」


 ドン!!!!


 リョウコが綺麗に受け身を取りながらエーテルを安全な上の方に放ち……かなり太い木の幹が吹き飛んだ……な。えぐれてる。怖いくらいだな……かめはめ波みたいだな。

「凄い威力だな……」

「視認できる速度でよかったわね……対応は出来そう」

「テストプレイヤーは……本当にゲームみたいな技が出せるのね……」

「悪い方向で予想通りね」

「エネルギー弾って感じだな」


「あ~逃げられた……」


 リョウコが投げられた先でがっかりするも、ウィンディードさんがつかつかと怒りながら歩み寄っていく。口調もなんか怒ってるから怒ってるんだろうな、言葉分からんけど。


『聖獣様はこの地の悪い穢れを集めて浄化してくれている有難い生き物なんです! 殺してしまったらこの地の穢れが溜まってしまって住めなくなってしまいます!』

「え? 本当ですか?」

『本当です! 何を考えてるんですか!』

「あ、その~経験値稼ぎに……強くなれるんですよ。倒すと」

『……なんてこと……そんな事のために! 最近、この島が荒れてきているのは……あなた達のせいだったの?』

「……その可能性もありますね……はは……」

『そんな他人事な!! あなたのせいでこの島の住人の命を危機にさらすんですよ!?』

「は、はい……それに関しましては……その知らなかったので……」

『知らないで済まされるとでも?』

「ごめんなさい……善処いたします……」


 何か電話でクレーマー対応している部署に来た気分だけど、とりあえず言葉が分からないから聞かないとか。

「ウィンディードさんはなんて?」

「……あの、彼女を止めてください……凄い感情表現ですね……えっと、レアモンスターは「聖獣様」と言われる、この地の穢れを無くしてくれる生き物……みたいですね」

「……穢れ、あの黒い靄とかを浄化してくれる感じか?」

「……え? 浄化?」


「そうね、あのセイジュウサマからは嫌な感じを受けなかったわね」

「なんか、神様の獣みたいな感じだったよな」

「あれが、レアモンスター? ミッションのターゲットだとしたら……あの生物が邪魔……って事になるんだけれども……話を聞いていると、益獣……この島のためになる動物じゃないの?」


 浄化してくれる生物……タニシみたいなものか?

【なんですかそれは? ああ、水中をきれいにしてくれる貝のことですね……大きくは違っていないのですけど……聖獣と比べるなんて……】

 なるほど……アーゼさんにとっても聖獣、益獣ってやつに見えるのか……

【そうではないのですか? 穢れを払うのですから】

 まぁ、そうなんだけどね……運営って二つあって対立している……もしくは、片方は何かしらの意図をもって動いているとしか思えないな。

【……なるほど……そうなりますか……調査するべきですね……】


「あれ? ……あ、そうか……って事は、この情報は……ミッションの趣旨って……」

「まぁ、ミッションをこなしていくと、島に人が住めなくなるかもなぁ……」

「テストプレイヤーにとっては……そういうストーリー展開なの?」

「ストーリーって……うーん……全滅に傾いてる感じだったから……そうかもしれませんねぇ……」

「そんな中で最後まで生き延びたらボーナスか……」

「かなり厳しいゲームの様ね……」


 かなり常識的な行動が出来る……いや、破天荒な時も多いリョウコでさえこんな感じか……本当にゲーム感覚が強いんだな。ってか、この島の生物が本物って……思っても無さそうだな……

 そんな事を思ってどうすればいいか迷っていると、聖獣様のいた辺りに人影が見え、こちらを指さして騒ぎ始める。


「あ! やっぱりいました!!」

「おいおい! 『人参娘』さんよ!! なにしてくれんの!?」

「どこ向けてエナジーボルト撃ってるの! 逃げちゃっただろ!!!」


 あ、いつだか見た「テストプレイヤー」の格好をしている……「パーティを組んでる」って感じだな。

 5人……男性4人、女性一人……男性の一人はとても強いエーテルを感じるけど……おそらくやりあったら……勝てるだろうな……

【そうですね、一人以外はこの間のテストプレイヤーほどのエーテルは観測できませんね】

 えっ? 強さが分かるの? その能力を俺に貸してくれ……戦闘力とか見れる機能欲しい。

【戦闘力……なるほど、ゲーム的思考を加速させる機能ですね。面白いので提案してみようかと思います】

 ……ゲーム的って……ゲームの仕様だらけじゃない? この世界。


 リョウコが軽く相手を警戒しながらこちらのほうに来て、俺の後ろに隠れる様にすがってくる。

「セイナちゃん……いるし……」


 苦手な相手……なんだろうなぁ……よく壁にされてたっけ……


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