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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
4章 テストプレイヤーと分岐点

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第77話 妖魔の王?


 リョウコは自分の発言の反応に戸惑っているようだった。


「ああ、失言でした……はぁ……先輩たちもそんな目をするんですね……死にゲーすぎるんですよ、この世界……先輩だから安心して……思わずポロっと出ちゃいました……」

「……」

「言っちゃったから最後まで言いますけど、何か巻き戻る時まで生き残ってないと記憶が引き継がれないっぽいんですよね。最後5人しか残ってなかったし」

「え?」

「……五人……」

「記憶の引継ぎ……」


 ……なんだそりゃ……ってことは、リョウコはタイムループしているとかそんな感じなのか? アーゼさん、マジか?

【……】

 本気???

【……】


「……マジなのか……アーゼさん」



「「「……!!!」」」


「あ、語りすぎちゃいました……えっと、そっちのルールは……どうなってるんでしょう? もしかしたらクリアできるように新規プレイヤーを入れたのかもしれませんし」

「……ああ、そっちは難しいルール……なんだな。俺らは簡単だ、黒結晶を壊すか」

「最後のプレイヤーになればいいはずよ、だから私たちは……」


 勢いよく断言するナオエさんの言葉をサチさんが遮る。

「……いえ、違うわ「残りの「スキルオーブ所持者」が一人になった時だ」と言ってたわね」

「……え? そうだっけ?」

「ええ、記憶力はかなりいい方なの。管理者の話のせいで場の雰囲気が殺し合い推奨みたいになってしまっていたけど……」


 リョウコは話を聞いて納得していた。

「それでPVP……いきなり襲ってくるやつらがいたんですね」

「まぁ、見た目日本人なら……プレイヤーって思うもんな」

「良い装備持ってそうだったら……まぁ、襲うやつもいるかもな」


「あ、ちょっと待ってください……そのルールだとプレイヤー以外にも「スキルオーブ」を持っている人がいたら終了になりませんね」

「……たしかに」


 サチさんがしばらく考えたあとリョウコに疑問の目を向ける。

「……あなた達はもっていないのかしら?」

「スキルオーブってのは知らないですね。死んでも持っていたモノを落とすだけなので……」

「空中に浮く光り輝くものなのだけれども……見た事ないかしら?」

「……そりゃ光るモノと言ったら……魔法とかですか? あとは転移用のポータルは空中で光ってたか……」


 俺たちは互いに目を合わせる。

 リョウコは行動は変だけど頭は良いから騙してくる可能性はあるけど……本当にわからない感じだな。俺たちが襲われる可能性は低い……のか?


「……本当に知らないみたいね」

「みたいだな」

「ステータスの上げ方も違いそうだな……」

「さっきレベルとか言ってたような?」


「あ、あれ? 私、なんか的外れなこと言いました??」


 確実にゲームの仕様が違うみたいなのは確定はした。だけどスキルを奪えるとかは話した方がいいのだろうか? 試されても困るからなぁ……リョウコは討伐ランキングで一位だったわけだし、そもそも動きが見えないくらい早かったし……


【カタシ、あそこにエーテルだまりが出来ていますね】

 え?

【おそらく崩落に巻き込まれた妖魔のものでしょう】

 あ、ほんとだ、崩落現場の中央にかなり大きめのが……って、でかすぎじゃないか?? この距離であの大きさって……岩盤が崩落したら妖魔を倒した事になったとかか? 

 ん? あに光溜まりもリョウコ、「テストプレイヤー」には見えるのかな?


「なぁ、リョウコ、あそこの陥没した場所に何か見えないか?」

「え? 瓦礫ですか? 何かいいアイテムでもあります? ってなんもないじゃないですか!」

「そうか……」

「……ん? 変な感じは受けますが……一体何が見えるんです?」


 見えないみたいだな……

【その様ですね】

 ってことは、さっきのはすっとぼけでもなく、本当に発見できていなかったのかもな。

 リョウコを警戒していた仲間が視線を俺が指差した方向を見ると本気で驚く。

「うお! なんだあれ!?」

「すごいわね……今まで見た中で一番ね」

「生き残りを巻き込んだから?」


 やっぱり「新規プレイヤー」は全員見えるみたいだな。仕様……と言うより根本から何かが違うのかもしれない。


「え? 何を言ってるんですか??」


 リョウコが俺を見て説明を求める目をしてくるが……あのエーテルだまりはおそらくかなりのステータスアップになるよな……

 新規プレイヤーの俺たちは全員が椅子から立ち上がっていた。

 あれは取らねば! パワーアップだ! ってか今までで最高じゃないか??


「一旦話を中断して取りに行きましょう。他のプレイヤーに取られる前に」

「そうだな……あれだと……どれだけステータスが上がるんだ??」

「妖魔討伐戦の時よりもらえそうね……カタシくんこっちに」

「そうね、なるべくひと塊で移動をした方が公平に分けられると思うわ……ナオエさんお願い」

「すげぇな、ちょっとワクワクしてきた……あ、カタシ、崩落に備えてくれよ、崩れるかも」

「わかってる……」


 どう見てもこの前見たエーテルだまりの数倍の大きさの光の球体の塊……というより雲だな。

 俺たちはナオエさんの持つ槍の柄を全員でつかみ彼女の『伸びる』で一気に移動をする。

 エーテルだまりに近づいていくと体に光がまとわりつき吸収されていく感じがあった。


【HP+12.31 MP+13.48  STR +12.00 DEX +12.01 AGI +14.11 INT +12.36 MND +25.11  SP+30.25 ……】


 ……なんじゃこりゃ……今までのパワーアップ分もらったくらいなんだけど??


「すごいわね……ボスクラスを倒した時以上ね……」

「砦何個分って感じだな……」

「この下に相当数の妖魔がいたってこと?」

「……まぁ、あれだけの妖魔が湧いて出てきたんだし、そうだろうねぇ……」


 遠くの方からリョウコの声が聞こえる。

「あ、あの! 何をやってるんですか!??」

「あ~説明は後でする!」

「……全部吸収……できたみたいね」

「力が湧き出てくる……感じはしないもんなんだな……」

「かなりのパワーアップのはずなのに」


「先輩~~~~い!」

「あ、戻るわ……ナオエさんよろしく」

「わかったわ、ほいっと」

 ナオエさが両手に持った槍をうまい事操作して俺たちを簡単にもといた場所へと連れて行ってくれる。なんか軽々だな。さらにパワーアップしたのか……恐ろしい。


「ほんと便利なスキルよね」

「制御が難しそうだけどな」

「スキルレベルもあがったから……さらに無茶できるかもね」

「……ほんとね……スキルは全体的にまんべんなく上がってくれるものなのね」

「……スキル数は制限しないと……上げにくくなるかもな……使ったやつだけ上がって欲しいんだけどな……」


 リョウコがほくほく顔になった俺たちを見て戸惑っていた。

「あの、一体? 私には見えないナニカがあったんですか? 強い力は感じたんですけど……」

「ああ……エーテルだまりって言われている、ステータスアップする光の玉が大量にあったんだ」

「ステータスアップ?? レベルアップってことですか?」

「え? うーん、まぁ、ストレングスとか、パラメータごとに上がる仕様みたいだぞ?」

「……成長の仕様も違うんですね……私たちはクラシカルなレベルアップと経験値システムなんですけど……」

「経験値システム……」

「倒した魔獣や妖魔からもらえる感じか」

「そうですね。ほんとゲームみたいにもらえるんですよ。ただ一撃入れたり、バフかけたり、その場にいないともらえなかったりで面倒なんですよね。大体モンスターの拠点に行かないと経験値もらえなかったりしますし」


 リョウコが残念そうに崩落現場を見てぼそっと呟く。


「はぁ、良い稼ぎができたダンジョンが無くなっちゃってますからねぇ……」

「え? ダンジョン?」

「……ええ、先輩たちは知らないと思うんですけど、そこの崩落したダンジョン、妖魔の将軍とか妖魔の王とかがいて、中ボスクラスの妖魔がほぼ無限に湧いて出てくるいい経験値稼ぎになるダンジョンだったんですよ」

「……え?」


「……湧いて出てくる……」

「まぁ、湧いて出てたな……」

「そういう世界なのかしら……」

「……妖魔の王?」


「ええ、妖魔の王を倒すと湧きがストップしますので倒さない様に見かけたら戻ればかなり効率よく稼げたんですよ」


 あれ? 確か……前倒したのは妖魔の将軍……だったっけ?

【確かそうですね、妖魔ジ・ガ族の将軍と出てますね】

 確認ありがとう……ってことは王は今死んだ感じか。

【何故そう思うのです?】

 あー、ほら、ステータス沢山あがったじゃない?

【気をつけて……】


 ガラガラガラ……


 地面の穴のあった方から崩落するような、奇妙な音が鳴っていた。

 アーゼさんのあの感じだと恐らく……


「また崩落するのか?」

「それにしては小規模な音ね」


 ガラガラガラ……


 リョウコが不安そうにキョロキョロとしだす。

「あの……崩落現場の近くなんですから……逃げないんですか?」

「まぁ、カタシくんがいるしねぇ……」

「そうね。足場を作ってくれるから地震には強いわね」

「ほんと便利なスキルだよなぁ……」


 リョウコが俺を見て若干安堵した感じになっていた。

「先輩のスキル、新規プレイヤーでもレアだったんですね」

「ん? ああ、色々あってな、みんな個性があって面白いぞ?」

「私たちの場合は大体ビルドが同じになって来てしまって……ちょっとつまらない……じゃなかった。なんか音が大きくなってますよ!」


 ガラガラガラ……ドン!!!!


 地面から剣を握った手が出てくる。なんかすごい覇気の様な怪しげなオーラを身にまとってるな……いつだかの将軍と同じか?


 ドン!! 


 もう片方の手が地面から生えてくると同時に上半身が見える。豪華な装備のはずだが……鎧の隙間からは血と泥で固まった何か違うものに見えた。土の大魔神みたいだな。


「……何かボロボロね……」

「すごいわね、あのオーラを纏って地中を進んできたのかしら?」

「……え? あれはもかして妖魔の王……あ、妖魔の王って出てる……」

「おい、そんなこと言ってる場合じゃないんじゃないか? 今、チャンスだろ?」


「そうね、あ、カタシさん、相手の下半身周りの岩を固めてくださる?」

「え? ああ、おっけ、ほいっと」


 下半身まわりはあの辺だろうなぁ……なんか異変に気が付いた妖魔の王がじたばたし出してる。

 あ、そうか、これで相手は完全に身動きが取れないのか。かわいそうに……下半身を埋められたまま戦うのか。


 二本の槍がすさまじい速度で相手の剣を持っている手を貫き、磔にする。それと同時にサチさんの放った『歪む』スキルで左肩あたりがひしゃげ、リキさんが無防備な頭を……


「ちょ、ちょっと待ってください、一撃入れさせてください!!!」


 リョウコがとんでもない速度で相手の左腕を切り飛ば……あれ? 当たっただけ? 切り傷は入ったか?

 全員の注意がそっちを向いているうちにリキさんがこの間拾った妖魔の将軍の大剣を相手の頭上に振り下ろす。


 グシャッ!!! ドコン!!


 まるでトマトを割るかのように妖魔の王の頭が爆散する。


【妖魔・怒れる妖魔ジ・ガ族の王 を討伐 HP+7.52 MP+7.76  STR +7.03 DEX +7.44 AGI +7.61 INT +8.63 MND +8.54  SP+10.51 ……】


 すごいステータスアップだ……いやぁ……なんか棚ぼた的な貰い方だな。

 この前の苦労して倒した妖魔の将軍よりもらえてるって……


 いつの間に隣に戻って来ていたリョウコが振り返りながらつぶやく。

「なんか私たちより便利ですね……スキルが……って、ええ? ダンジョン踏破ボーナス?? あれ……先輩たちは?」


 光るUIを操作しながらリョウコが嬉しそうな顔をしている。なんかもらえたみたいだな。

「俺はステータスアップだけだな。ダンジョン踏破とかは出てない」

「……ルールが違うんですね……仕様かな?」


 リキさんが体中血まみれになりながらこっちに戻ってくる。

「うへっ……ちょ……血だらけになっちまった」

「ちょっと、加減しなさい……ってボス相手にそれは難しいわね……」

「ステータスがかなり上がって操作しきれなかった……のと、この剣すごいわ。豆腐みたいに相手の頭を叩き潰した……」


「……すごいですね……魔人化した妖魔の王をあんな簡単に……」

「すごいのか?」

「ええ、魔法の剣じゃないとあそこまでは……そこのダンジョンでドロップしやすかったんですが……」

「ドロップ……」


「一旦拠点に戻りたいんだが……血が全身に……ってか頭からかかってない?」

「酷いわね……川で落とせるかしら……」

「ああ、それくらいなら私が何とかしますよ。色々ともらえてしまいましたので」


 リョウコが何やらエーテルを放出すると、俺たちの分からない言語で呪文らしきものを唱える。

「『万能なるエーテルよ! かの者を不浄から開放せよ! 『浄化!』』


 リョウコが聞き取れない呪文を唱え終えると、リキさんにまとわりついていた血が綺麗に霧散していく。『浄化』のスキル……とも違うな。あれは汚れを抽出して分離してたし……


「魔法を使えるのね、便利ね」

「呪文があるのね……聞き取れないけど……私たちにも使えるのかしら?」


「……え? 日本語ですよ?? あれ?」

「日本語には聞こえなかったな」

「ああ、俺もわからなかったな」


「……もしかして翻訳機能が違うとか……ですかねぇ……」


 俺たちがUIでステータスやログを確認していると、上空から声が聞こえる。

「大丈夫ですかー!!!」

「ミンナ! ダイジョウブ??」


 ショウコさんがウィンディードさんを抱えて飛んできていた。

 心配して様子を見に来てくれたんだな。とりあえず手を振っておこう。


「こっちは大丈夫だ! 怪我人無し!」

「それは良かった!!」

「スゴイ、コワレテルネー」


「……え??! 風の鬼姫ぇ??!??」


 隣にいたリョウコだけは半歩下がって驚いているようだった……知り合い?


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