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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
4章 テストプレイヤーと分岐点

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第74話 30日目記念

 30日目


【ぱんぱかぱーん!! 30日間の生存おめでとうございます!! 地球で言ったら一か月たったよ! こちらの世界でも大体ひと月さ!! 正確には今日の昼なんだけどね!】


 朝目覚めて、さて準備しようか……という時に俺たちの頭にやたらテンションの高い「声」と共にファンファーレの生演奏が響き渡った。

 何事かとキョロキョロと周囲を見回していると、色々な人と目が合う。男部屋のみんなも同じような状態みたいだ。


【さてさて、中々攻略が進まないので若干やきもきして来たよ! そんなわけでせっかくなのでランキングの発表と攻略が捗る「ご褒美」をあげるよ!】


 なぜか太鼓の音が鳴り響き……目の前のUIにTOP30!と書かれた文字が浮かび上がり、テキストがグルグルと回転……ってなんでこんな地球の番組っぽい演出なんだ?? ほんと異世界なの? ここ? 地球人が転生したのか? カミは?

【あちらの文化が好きでよく見ている様ですよ】

 ……だよね。転生者の線は薄いか。

【あなたの言葉の裏の読みが鋭すぎる気がします】

 世渡りのためには……必要なんだよね……


 グルグル回った文字がピタピタと止まっていき、名前……ハンドルネームが表示されていく。

 ほとんど英語……ってか日本語でも登録できたのか……本名っぽい人もいるし……

 へ? 俺が最初に登録した『dontmove4』 が表示された……え? ベスト13に入ってるんだけど……俺……あれ? これって何のランキングだ?

 突然、俺の周りに紙吹雪が舞い散り、キラキラとしたものが降ってくる。箱か……思わず手を伸ばす……あれ? 周りの人もキョロキョロしてるけど見えているようには見えないな……リキさんも何か降ってくる物をつかんでいる感じだが……これ、他人に見えて無いのか?


【この世界に降り立ってからのエーテル獲得量ランキングさ! 頑張って妖魔や魔獣を倒してくれたからね。少しばかりのお礼だよ! いやー残念ザンネン、派手に行きたかったんだけど、現在隠密活動中の人もいるみたいだから、表示は個人ベースにしておいたよ! 安心して隠密活動を続けてね!! ってちょっと遅かったか? ああ、ごめんごめん……まぁ、がんばって!】


 ……また誰か知らないプレイヤーに話しかけてるな……

 俺の手の中には二枚のカードが箱から自動的に出てくる……なんかのスマホゲームのガチャの演出みたいだな……

 ……カードも何かのトレーディングカードみたいだし……ほんと地球のゲーム研究家だよカミとやらは……

 え? なにこれ……『帰還』? 指定したエリアの人間をプレイヤーが行った事のある自分の拠点に一瞬にして送還することが出来る……って、なにこれ? テレポート? もう一つは……『物見台』……一瞬にして一キロメートル上空に移動し、緩やかに落ちていく。このカードを使うと、しばらくは落下ダメージを受けない。……何でこんなカード?


 ジンパチさんがいつの間にか俺の横にいた。視線の先は俺の手……

「なんですかそれは? トレーディングカード?」

「あ、これは見えるんですね?」

「ええ、それがご褒美……あ、見て良かったんですか? 隠した方が……」


【みんな落ち着いた様だね……カードは持ち主がゲームオーバーになってもこの世界に残るから、頑張ってトップランカーを狙うといいよ!! 倒せればエーテルもスキルも、とーっても便利なカードまで奪えちゃうよ!! なんて良心的なルール! 良い内容のものもあるから公開するのは君たち次第だよ! 今回は移動系が多いから頑張って活用してね!】


「……あ」

「すみません……見なかったことに……」

「いえ、いいですよ、ここにいるメンバー全員に見られてますから」


 男部屋のメンバーの視線は俺たちに、俺の手元に集まっていた。リキさんの方を見ると、持っているはずのカードをすでに持っていなかった。すごい速さで四次元収納ポーチに入れたのか……さすが攻略組……抜け目がない。

【カタシが少々わきが甘いかと……】

 ……やっぱりそっちか……


【それでは次のランキング発表までバイバイ~!! 頑張って黒結晶を破壊してね!!!】


「次もあるのか……」

「……要するに妖魔と魔獣を倒せって事ですよね、あの話しぶりだと」

「あとはプレイヤー倒せよ……ってことですかね……」

「……」


 退出するような音楽の演出と共にそれからは「声」が聞こえなくなった……

 ランキングに入ったのは……他にはリキさんだけっぽいな。今は女部屋にいて確認できないけどナオエさんとかサチさんも入っている感じか?

 みんなの視線が集まっていたのでカードを裏返し全員に見える様に公開する。これ、見られても別にどうってことのないカードだよね……


「……すげぇ、この世界で「ルーラ」つかえんのか?」

「ホームポイントへのテレポート?」

「ゲームオーバーになりそうになったら使うやつか」

「物見台……ってよくゲームである周囲見渡すやつだよな? ハングライダーとか作れば滑空して移動距離を稼げるかもな……」

「使ってみたいけど、使い切りだよね……多分」


 ……あ、そうか……使い切りか……全然説明して無かったな……「カミ」は……

 なんか使えないと思った『物見台』の方が使えそうな気がしてきた……


「妖魔の砦で結構妖魔倒してステータス上がったけど……それでもトップ30に入らなかったってことは……」

「やっぱり島の中じゃもっとやってる人間が多いって事かぁ……1000人は来たってはなしだろ?」

「頭割りだからじゃない? 500匹の妖魔を20人で割るんだから……」

「あ、そうか……25匹……どちらかというと下から数えた方が早いか」

「攻略組にいないとやっぱりだめっしょ?」

「やっぱりそうだよなぁ……今日は20匹倒したとか自慢してたしなぁ……」


 拠点組が色々と推測を話し合っている……完全に欄外だから本当に雑談になってるな……

 俺がランキングに入ったのって、妖魔が鬼人族の砦に進行した際のつゆ払いで大量の妖魔をやったおかげだろうし……そうするとナオエさんはかなり上位か……あれ? リキさんは?いつのまにかいなくなっていた。サチさんと相談に行ったのかな?


「……それにしてもランキング……日本語打てたんだね。最初の入力、英語だけだったんだけど……」

「ああ、確かに、上位陣に日本語名が結構いるな。なんでだ?」

「キーボードの切り替えとかは無かったと思うけど……」

「「馬に人参娘」って笑える」

「ほかにも変なハンドル多いぞ?」

「え? どれどれ……」


 ……あれ? ものすごく聞いた覚えのあるハンドルネームだな……偶然の一致は無いよな? なんでだろ? 俺も色々と疑問だけど……とりあえずナオエさんと話さないとな。


 騒がしい部屋から出ると、朝日に照らされた見張り台の上にナオエさん、サチさん、リキさんが集まって話をしていた。

 俺が階段を上っていくとナオエさんがすぐにこちらに気が付いてこちらを振り返る。

「おはよう。どうだった?」

「おはよう。どうだった……って、カードの内容? 順位?」

「カードの内容の方かな。使えそうなのあった?」

「……そうね、『帰還』『城壁』『送還』『牢獄』……そして『ラストダンジョン直行券』……」

「……え? 最後の……なに?」


 サチさんが一枚のカードの裏表をじっくりと見たあとナオエさんにカードを返す。あれが『ラストダンジョン直行券』か? なんか金色の淵になってるし。

「そうなのよね……『帰還』は全員に配布されているみたいなのだけれども、ほかの物に関しては色々な種類があるみたいなの……エーテル的なものを流しても詳細は出ないわね……」

「さすがに……『ラストダンジョン直行券』は……ヤバい気がするな……」

「ええ、もしかしたら……敵性生物がいない場所かもしれないけど……」

「黒い霧を纏ったやつらがうようよいたらゲームオーバー確定だろうなぁ……」

「今の私たちでは無理ね」


 ……俺は思わず喜んでしまったんだけど……確かにレベル上げもしてない状態でいきなりラストダンジョンに直行したら……まぁ、死ぬよね……すぐに『帰還』を使う羽目になりそうだし。


「カタシくんは二枚なんだよね?」

「お、おう……なぜかランキングに入ってたからな……ってナオエさんも入ってるだろ?」

「うん……入ってる……」


 ……なんか言いにくそうだな……俺はさっきのランキングのログを見てみる……それっぽいのは……あ Kanetugu ……これか……え? 3位? ……まじか?


「ハンドルネームを教えてくれないのよね、ナオエさん」

「俺らなんてそのままだからな……」

「こうなると知っていたら特定できない名前にしたのに……」

「名前のところ本名を入力って思ったんだよなぁ……さすがに予測できなかったぜ」


「Kongo Riki」「Tukisita Sachi 」……これか? あれ? 夫婦じゃないのか? 9位、15位……ってあの強さで9位か……この世界にどれだけ強い人間がいるんだろ……ってあれ? ナオエさん?

 俺がナオエさんを見るとまたフイっとあちらを見てしまう。たまに姿が見えないけど、そういう事なんだろうな……


「あ、直江兼続ね……」

「ん? 戦国武将?」

「……そうです……」


 サチさんが気が付いた様だった。まぁ、中学の時もネタにしてたからなぁ……周りにはナオエちゃんと呼ばせずにナオちゃん……とか言われてたか……


「ナオちゃんか……懐かしいな……」

「!!!!」


 ナオエさんが俺を凝視したあと顔を真っ赤にして下を向いてしまう……あ、さすがにこの年になってその呼び方は駄目か……最初はそうやって呼んでた気がする……周りがそう呼んでたから流れで……

【あなたはたまに……なんというか、鈍感になるのが問題かと思います】

 ……え? なんで? 中学の時じゃない? あまりその辺の機敏に疎くて……愛称予備はなれなれしすぎたか?


「俺はどう反応していいかわからないんだが……」

「なにかしら……話が進まないわね……分かったわ、進めるわね。返事のタイムリミットは今日って言ってたけど、このカードの配布でちょっと事情が変わりそうね。今日も割と近くに二つほどフリーのスキルオーブが発生したみたいだから、それまでに返答をしてくれると嬉しいわ」

「……カード次第ではかなりバランスが崩れるからなぁ……」

「……え? そんなにバランスブレーカーなのか?」


「ああ、『帰還』が、一人じゃなくて任意の周囲にいる人間全員にかかるし、『送還』……見た事のある場所にまとめて移動……ってのもできる。今までかなりのネックだった大規模移動が出来る事になるんだ」

「なるほど……無茶して攻略して……駄目だと思ったら『帰還』か……」

「「管理者」がまた来るって言ってたから、30日後にまた支給されそうなのよね……それを見込んで攻略するとなると、かなり攻略が進むことになるわね」


 ゲーム的な死に戻り……ではないけど、ギリギリまで頑張って帰還できるのなら……探索速度がかなり上がりそうだな……


 それからもカードの使い方や、攻略法の議論をする。ナオエさんも立ち直って途中から参加していた。そんなに「ナオちゃん」呼びが心に来たんだろうか?


 それにしても……俺はランキングのログを見て気になったことがあったんだよね……

 ……この一番のやつ……「馬に人参娘」このハンドルは見覚えがあるんだよね……アイツもこの世界に来てるのか? ……まさかな……いや、このハンドルはほかに見たこと無いし……

 会社の後輩のゲーマー女子がこの世界に来ているのか……あいつなら攻略しそうだけど……来てるのかな……仲間になってくれるんだろうか? 

 ちょっと不安になって来た。割と効率重視の人間だから……俺なんか置いていかれそうだ……


 俺の不安に呼応してか、なんか心の奥で重い音が……あれ? 違うな……実際にしているのか??


 ゴゴゴゴゴゴ……ズーーーーン!! ドドーン!! ゴゴゴゴゴ……


 すごい地鳴りと共に落下するような崩れるような音が鳴り響く。


「スキル??」

「地震??」

「違うわね……地すべり……って感じじゃないかしら?」

「……あっちは……妖魔の拠点があった方向ね」

「……崩れたのか?」


 やばいな……地面の蓋が外れたら妖魔が湧き出てくるんじゃないの??

 俺は全員と目を合わせると、急いで現場へと急行した。

 とりあえず料理を作っているアヤノさんには手を上げて知らせて……くそっ、今日の朝ごはんは魚か!! 焼きたてがうまいのに!! 帰って来てからのお楽しみだ!


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