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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
2章 新たな仲間と拠点づくり

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第50話 仕事の割り振りと今後

 19日目 昼


「黄金の鷲」のメンバーが落ち着いてきたので、とりあえず拠点の城壁づくりを優先してSPが減ってきたら色々考えましょう……と言う事になり分担して作業を行う事になった。


 ・薪の作成、伐採した木(以前倒したままの大木)を解体チーム

 住黒カンジさん、乾ライラさん、天海カイトさん、滑川サツナさん、下城ヨウカさん 


 ・城壁を作り足すグループ

 俺 ジンパチさん アヤノさん リンカさん


 ・妖魔索敵見張り撃退グループ

 ナオエさん、ウィンディードさん


 ジンパチさんが作成した、ノコギリもどきを薪の作成チームの男性陣に渡す。

 女性陣はやはり支給品に斧があるらしく、工夫して何とかやってみる……という方針になった。支給品はなんでも「壊れない」らしいから無茶が効くらしい。解体用ナイフもそうだったけど、プレイヤーにあたってもすり抜けるらしい。滅茶苦茶な世界だ。


 鍛冶スキル持ちのカンジさんがノコギリを見て品定めをしている様だった。

「ノコギリ……こんなのあったんですか? なんか……構造が不思議な感じが……」

「これは鎧から僕が作りました。僕のスキルは『柔らかく』できるんです。ただ鉄はちょっとSP消費が多いみたいなんですよね……」

「……これ作れちゃうんですか? 俺って必要なさそうな……」

「いえいえ、必要かと思います。『柔らかく』できても繋がってくれないんですよ。溶かしてくっつけるとかしないと駄目みたいです」

「なるほど……それで炉が欲しいって話だったんですね……ってことは原型のインゴットを作ることが出来れば『柔らかく』して加工が可能って事か……すごいな……物理法則無視してますね」

「ほんとに。あちらの世界の知識がたまに邪魔になりますよ。ただ鉄などの固い物質にかんしてはSP消費が激しいので、インゴットから変形させるのは厳しいかもしれません」

「なるほど、ある程度の型は作った方が良いのか」

「そうなります」


 回転スキルもちのカイトさんがノコギリの刃の具合を見てジンパチさんを見つめる。

「あの、アイディアが色々あるので、道具を作って欲しいかも……やっと『回転』のスキルが生きる気がしてきた」

「……そうですよね、スキルで「モーター」の動力にできそうですもんね」

「いいですね、ちょっとアイディア考えながら作業してきます」


 いざ作業に入ろうと別れようとしたときにウィンディードさんから警戒を促す声が上がる。

「ヨウマ、クル! ミンナチュウイ!! ナオエ! コッチ!」

「わかった! ちょっと行ってくるね!」


 ナオエさんが器用に両手に持ったジンパチさん特製の新型の槍を持って『伸びる』を使って水平移動を……って、すごいな! いつの間にあんなことを……あっという間に視界から消えていった……

 ウィンディードさんもかなりの速度で走ったり魔法で跳んだりしているがそれよりもかなり早い。

 そうか、手足を伸ばすよりもSPコストの安い、物質の槍を伸ばして移動すれば一気に40メートル移動できるのか……恐ろしいな……ってか、あんな速度で飛んで行って怪我は大丈夫だろうか? 

【ナオエには「治す」があるのではないでしょうか?】

 そうだった……彼女は自分で治せるんだった……


 新規加入組も俺同様に驚いているようだった。

「……すげ……」

「「黄金の鷲」でもあんな速度で移動できる人いないような……」

「調査兵団みたい!」

「あの人ミカサなの?」

「カッコいいもんね!」


 ……ナオエさんは確かに体育会系でカッコイイ系の人ではあるけど、あのキャラよりはかなり人間味があると思うんだけど……話も上手だし。交渉も……よく言いくるめられるし……愛想もあるし……

【本当にこじらせてますね。何であなたの頭の中には中学時代のナオエが出ているのですか?】

 ……あ、そうか、これは中学時代か……


 とりあえず妖魔の事は彼女たちに任せておいて、アヤノさんと俺は近場の石切り場へと向かう。

 俺も新規参入組に良い所見せないとね!


 §  §  §  §


 スキルレベルが上がったせいか、新規参入組に良いところを見せようとモチベーションが上がったのかはわからないが、昼過ぎになると体育館サイズの城壁部分が出来上がっていた。

 アヤノさんのSPも残り30%と言っているし、ここいらでいったん終了かな。

 見張塔も内壁の階段もやりたかったけどちょっと無理だな……


 終了の合図でいったん作業を中断して皆が集まってくる。

 新規参入組はほぼ完成しつつある外壁の門を通りながら呆然としていた。


「なんかすみません……俺あまり役に立ってなくて……」

「……チートレベルのスキルですね……」

「ブロックの岩を発泡スチロールみたいに運べるのはずるいですね……」

「セメント無しで繋げるのもな……」

「プレスで地面を平らにしちゃうのもね……」


 確かに組み合わせると……なんかいろいろ出来ちゃったんだよね……

 ほんと土木作業向きのスキルだ。このスキルをあちらの世界に持って帰れれば土建屋になれるね。って、重機の方がコスパ良いか?


 新規参入組もスキルがマッチしてなかったけど、妖魔や魔獣討伐に参加してたりしていてステータスが結構高めだったようで、大木の枝部分は殆どカットして分断してくれていた様だ。後はこの大木をどうやってカットするかなんだよなぁ……砦の扉にもしたいし……

 薪割りの後に『乾燥』のスキルを使ってもらったみたいで、なんか廃村で拾った薪みたいになっていた。薪同士をぶつけると固い音がした。ジンパチさんの話だと乾燥すると甲高い音がするらしい。


「すごいですね、ほんとに薪が……直ぐに使えますね、これなら」

「はい。なんでも完全乾燥はしない方がいいとかで……沢山練習させてもらいましたから」


 ライラさんの笑顔がまぶしかった。

 いきなり役に立ってくれてこっちもうれしい。


 様子を見ていた浄化スキル持ちの下城ヨウカさんが慌てた感じでアピールしてくる。

「わっ、私も役に立ちたいです!! みなさん、綺麗にしたい水を出してください!!」

「え?」


 話が突然すぎて驚いたが、面白そうなのでやってみて欲しいかなぁ……

「ちょうど休憩だったからやってみてもらおうか」

「そうね……」

「あ、ふたを開けてくださいね。汚れが出せないので」

「?」

「ふた?」


 蓋なんて……ペットボトルだけにしかないな……後でコルク栓とかの代用品の事を考えないとな……

 とりあえず各々が水入りのペットボトルや、ワイン瓶などを取り出す。

 ヨウカさんが手をかざすと、一瞬にして透明度が増し、汚れた泥の様な水分が入れ物の口から飛び出して地面に落ちて行った。

 凄いな、汚れが分離するシステムか……汚れが念動力で動くのかこれ?

 皆の驚く表情が面白いのかヨウカさんのテンションが上がっていった。

 試しに浄化してもらったペットボトルを四次元収納ポーチにに入れてリストを見てみる。『とても綺麗な純水・神聖な力が宿ってるかも』……と出ていた。

 なにこれ? 聖水ってやつ? 表現が誇張されてるのか?


「あの、もっと行けるんです! ドカンとお願いします!」

「すごいな……それじゃどんどん行きますか……」

「そうね、溜まっていたもの沢山あるわね」


 俺とナオエさんは貯めていた水の容器を地面に置いていく。

 20リットルの小樽が20樽、ワイン瓶を大量に200本だっけ?……ペットボトルの浄化しきれなかった水……桶に組んだままの海水……置くのが大変だな……大きな容器が欲しい……

 海水を浄化すると純水になるのか? 試してみてもらうか……


 カンジさんが隣にいたカイトさんに呟く。

「……なぁ、ストレージって、こんなにはいるものだったのか?」

「俺たち、物資分け合ってたから……少なかったんだな……」


 ヨウカさんが置かれていく水の容器をみてちょっと引いている感じだった。

「……あ、あの……ちょっと多いです……いえ、頑張ってみます! SP消費が切れるまで……」

「頭が痛くなる前に止めてもらえればいいよ。倒れると明日の朝起きれないよ」

「……そうなんですね……それじゃがんばります!」


 ヨウカさんが頑張り始めていた。


 その様子をみていた他の三人は困った顔をしていた。

「俺は……」

「……どうしよ……」

「どうやったら滑るが生きるのかしら……」


 ジンパチさんが困った三人にゆっくりと語りかける。

「大丈夫ですよ、色々と計画を立てていきましょう。折角、生活に有効活用しやすそうなスキルを持っているんですから」

「はい」

「「ありがとうございますっ!」」


 ほんとジンパチさんがいてよかった。フォローが上手なんだよね。気配り型の上司って感じだ。


 それからはスキルの有効活用談義に移っていった。

 話しが進んでいくと、色々と道具の準備が必要だがチャレンジできることが沢山あることに気づかされた。

 スキル以外にも油の作り方、樹皮や草から布を作る方法……海水からの蒸留水の作り方……など色々と知っている人がいるようだった。

 皆かなり頭がいいな……俺みたいな美術畑の人間とはだいぶ違うなぁ……でもなんか話を聞いてると……異世界にあこがれて調べた知識も多いような気がした。


 ……皆異世界に来たかったのかな?

【かなりのプレイヤーが来てみたかったみたいですよ】

 恐らく、サバイバルバトルロワイヤルじゃなくて、スローライフだったと思うよ?

【そうみたいですね。次は好戦的な人間を集めてみるか? と管理者が言ってました】

 それはそれで……現地人の人も大変だろうな……


 §  §  §  §


 日も暮れ、今日からはこの拠点での生活をすることになった。

 崖の上の様な安心感は無いが、地表で城壁に囲まれている分、違う安心感がある。

 四メートル近い壁を飛び越える奴が来たらヤバいんだけどね……はやく外堀を掘りたいかも……


 夜ご飯を食べながら今後の方針などを話し合う。

 と言っても、殆ど一方的な説明になっちゃったけど……

 その中でも寝ている時にスキルを上げる話をしたらやたら皆食いついてきた。


「……寝ている間にスキルを使う……」

「考えもしませんでした……」

「使いまくってればよかった……」

「もしかして、SP消費と回復が釣り合う状態が最大効率??」

「てっきり魔獣を討伐しないと大きく上がらないもんだと思ってました……」


 さすが攻略組……討伐メインだとそっちの方に頭が回るんだな……たしかに巨大ワニの自滅後はやたらスキルが上がった気がするし……

 全員でSP消費とスキルのバランスが取れるギリギリを把握してもらった。

 これで三日~五日に一つはスキルレベルが上がる……ハズ……


「そういえば、「黄金の鷲」ってスキルオーブを結構獲得してるの?」


 ナオエさんの質問に合流組が顔を見合わせる。

「うーん」

「そのことはあまり言うなって言われてる感じですね。スキル内容とか所持数がばれると、死に直結するから……って話で」

「内容じゃないから良いんじゃないの?」

「あ、そうかエースクラスが複数持ってるはず……くらいしか知らないんですよね」

「今のところ早い者勝ちって話になってるので」


「ここではどうなんですか?」

「……一応話し合いで決めてる感じかな?」


 ナオエさんの方を見ると説明を補足してくれる。

「そうね。スキルオーブを触ると、内容がわかるから適した人に渡す感じ」

「……わかりました」

「はい、承知しました」

「……」


 ……なんだかナオエさんが話をするたびにピリッとした雰囲気になるんだけど……なんでだ?


 お互いのここまでのサバイバル生活や、今後の事を雑談を交えてしていたら、鳥の羽ばたく音が聞こえ、ウィンディードさんの腕に伝令フクロウが止まる。

 ウィンディードさんがフクロウの足に括り付けられた手紙を取り、フクロウを床に置く。

 とても可愛いな……さわっちゃだめだよなぁ……やっぱ。リンカさんもそわそわしている……女性陣もなんか触ってみたいオーラ出してるな。


 ウィンディードさんが手紙を読むと、徐々に険しい表情になっていく。

 ……あんまり良い内容じゃ無さそうだな……


「ナオエ、カタシ、ココ、ヨウマ、タクサンクル。タブン」


 妖魔がこの砦に向かってる……って感じか? それとも来るかもしれないだけ?

 俺は慌てて地面に木の棒で周辺の地図を描く、ウィンディードさんが情報を書き込んでいく。


 ……どうやら妖魔の砦の手前に妖魔の軍勢がキャンプを張り出したみたいだな……そこから俺たちの砦方面と、一番近い鬼人族の前線の砦か農村を攻撃準備してる……って感じみたいだな。

 鬼人族の戦士達は違うところで戦ってたり、遠征しているので人手が全然足りないらしい。

 一番近くにいたウィンディードさんに足止め、援護の要請があったみたいだな。


 俺は地図を見ながら、この拠点近辺が一気に危険な地域になっていくのを悟る。

 妖魔の部隊全部が鬼人族の方に行けば……俺たちの被害はないとは思うけど……この感じだとそれも無さそうだなぁ……

 鬼人族の砦とかが落ちたらこの拠点もヤバいようにしか見えない。

 悩んでいると、ナオエさんが口にあててた手を外す。

「カタシ君、私も行くよ。鬼人族が襲われるのを黙ってみてられない」

「そうだねぇ……んじゃ俺も行くか」


 ナオエさんが俺の発言を聞いた後、俺を二度見する。

「……え?」

「ナオエさんが俺を運んでよ、俺は遠くからチクチクやるから」

「……いいの? 争い好きじゃないでしょ?」


「お隣さんの鬼人族がやられちゃったら、俺たち妖魔たちに囲まれちゃうんだけど……」

「……たしかに……」


 どうやら俺は争いごとが嫌いなタイプに見られていたらしい。スキルが弱いから手出しできない場合が多いだけだったと思うんだけど……サバイバルだと基本は逃げだよね。

 今回に関しては、逃げたら恐らくゲームオーバーが近くなる。今が頑張り時だ。


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