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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
2章 新たな仲間と拠点づくり

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第46話 銃声は敵を呼ぶ

 妖魔の死体から使えそうなものを剥ぎ取っていると、ウィンディードさんがゆっくりと近づいてくる。

 物凄く色々と迷っているみたいだな……敵対している勢力を助けたから当たり前か?


「ナオエ……ヴェネトア……ナカマ、ナル?」

「ならないよ。安心して。ほら、カタシ君、通訳よ。かわいい子がとーっても不安そうよ?」

「……わかった……なんか棘があるな……」


 普段何気なくウィンディードさんを思わず眺めてしまうんだよなぁ……造形がすごくきれいなんだよね。映画に出てくる女優みたいだし。

 ナオエさんからたまに刺さる視線を感じた気がしたけど、やっぱり刺さってたのか……


 俺はいつものように地面で絵と図解をしながらコミュニケーションをとる。

 最初は不安そうにしていたウィンディードさんも図解で理解していくに連れ安堵した表情になり……そして、鬼人族の危機を理解していく。

「ジュウ。ヨケル。デキナイ?」


「出来るのかな……」

「実際に見てみればいいんじゃないの?」


 俺たちは周囲を警戒した後、ジンパチさんにお願いして試し打ちをしてもらった。

 俺が試しに投げた妖魔の槍の『自動追尾』は楽々とキャッチできてどや顔をされたが、木に立てかけた妖魔の鉄の鎧をフリントロック銃で撃った時は呆然としていた。簡単に貫いて向こう側が見えていた。

「ハヤイ。カムイ####。ヨケル。デキル。ワタシ。デキナイ」


 やっぱり風の魔法使いでもできない感じかぁ……それでも出来る人はいるみたいだけど……ウィンディードさんは護衛についてくれるくらいだから腕利きの部類だよなぁ……ちょっとヤバいかもな。


「カタシ、ハヤクカエル。ナカマ。シル」

「ナオエさん、察知はどう?」

「……まだ大丈夫だと思う……」

「おっけー。皆、めぼしいものを回収したらすぐに拠点に戻ろう」

「あとは大量に海水を組んでおかないと、塩を用意するって言ったじゃない?」

「そうだった……忘れてた」

「もう!」


 とりあえず空いた容器全部に海水を組んでおいた。

 塩の生成自体は拠点でもできるからね……

 運搬の時に重量ゼロってのはやっぱりすごい利点だ。もっと四次元収納ポーチに入れられる大量に入れられる容器が欲しい。


 §  §  §  §


 帰りの道中は騒がしくなっていた。妖魔の小さな集団の数が多く、発見するたびに撃退をしていた。

『自動追尾』、『如意棒の槍』、ウィンディードさんの風の魔法と弓矢で難なくしのいでいった。


「多すぎじゃないですか? 少し歩くたびにこれじゃ……」

「……なんでだろ?」

「カタシさんってたまにボケボケですよね。あれだけうるさい銃の音をさせれば当たり前じゃないですかぁ?」

「森の方にこだましてましたよ。一キロ以上は響いていると考えた方が良さそうすね」


 リンカさんたちが珍しく突っ込んでくる……

 まぁ、そうだよなぁ……花火とかやってたり、爆竹の音したら何事かって見に行ったり窓を開けて確認するもんな……今がその時か。


 それからも「銃声」を探ろうとした妖魔たちが集まりつつあったようだ。

 あれだけ大きい音を連発していれば……この大自然の中だと見つかるのか……銃は強力だけど撃てば妖魔を引き付けるよなぁ……これだけ敵だらけだと使いにくい武器だな。

 考えてみるとゲームの世界だと銃を撃っても敵がわらわらあまり寄ってこないよな……あれって考えてみるとすごくおかしいわ……


 ナオエさんが血塗られた槍を葉っぱで拭きながら残念そうな表情を浮かべる。

「拠点周りで銃を使うのはやめた方が良さそうね……」

「そうだね……火薬の実験もしない方が良さそうだなぁ……」

「残念ですね、せっかく手に入れたのに……」


 本当だ……折角マスケット銃を10丁、手持ちタイプ2丁手に入れたのに……弾も200発くらい回収したのに……使えないなんて……しばらくはタンスの肥やしにするしかないか……護身用に弾を込めた状態で全員持ってもらえばいいか……



 §  §  §  §


 崖の拠点にたどり着くころにはかなり日が傾いていた。途中から夕暮れが過ぎそうだったので全員で軽く走ってここまで急いできた感じだ。

 ステータスが上がった体のせいか、かなり楽に、あまり汗もかかずに走り切ることが出来ていた。ジンパチさんに関しては『健脚』のおかげで歩いてましたけど? って感じだった。

 拠点にたどり着くと、崖の手前で三人の鬼人族が野営をして待っていた。焚火で野兎の肉を焼いてるっぽいな。

 一人は狩人スタイルの女性、二人は戦士スタイルの男性だな。三人とも纏うオーラが違うので強いのがすぐに分かる。

 こちらに気が付くと立ち上がって何やら話しかけてくる。


『##########、###########夜###))

((どこに行ってたんだ、このままだと帰る時は真夜中だぞ))

『##、待っ####!』

((おう、待ってたぞ!))

『###################。#########サケ########!』

((文にあった品物をなるべく持ってきたよ。重かったんだから今度酒おごりなさいよ!))


 うん。全く分からないな……一応鬼人族の言葉も片言で分かるはずなんだけど……

 ネイティブで話されるとわからないのは英語と同じか……あの感じだと酒でも持ってきたのか?


 ウィンディードさんが走り寄ってかなり慌てた感じで彼らと話を始める。

 そりゃ、銃とヴェネトア王国が侵略しに来てるかも……って知ったなら慌てるよね。

 ナオエさんが俺の肘をつんつんする。

「ねぇ、銃どうする? 渡しておく?」

「え? なんで?」


 ジンパチさんが今は無い口髭を触りながら話しに入ってくる。手癖になってるみたいだな。

「どんな武器を使ってくるか研究させるためですね?」


「うん。もしかしたら魔法とか何かで防げるかもしれないし、銃を見たら逃げてくれれば……」

「種子島みたいに量産してくれれば対抗手段になりそうだけど……」

「俺たちとも敵対したらこっちに向けて撃ってくる……って感じか……」


「うーん。それだとウィンディードさんの魔法と弓を見る限りは……撃ってくるんだったらもう撃たれてるよね」

「そうですね。風の魔法を纏った矢の速度と貫通力はすごかったですものね」


 俺はヴェネトア王国の商人の方は信頼できるかも……とは思ったが、分隊長の方が……あんな奴らが上にごろごろいる組織だったら気分次第で皆殺しだよな……

(ねぇ、アーゼさん、ヴェネトア王国って、他国を侵略してる……とか現地住民を殺してる……とかの情報はないの?)

【……お答えできません……ごめんなさい】

 なるほど、ありがとう。分かる返答をしてくれて。

【……】


「渡しておこう」

「わかった」


 アヤノさんは険しい表情をしていた。

「この先のこの島の未来が大きく変わるかもしれませんね」

「そうですね……」


 隣で他人事のように聞いていたリンカさんが質問をする。

「え? なんで? 私にもわかるように説明してよ?」

「大航海時代に酷似……とても同じ状況だから、銃を持つと対等になれるの。銃を持たないと服従して相手の言う事を聞かないと駄目になるの」

「……あ~よく映画とかドラマで銃を持って人質とって……なんかいう事を聞かせるみたいなやつね?」

「……大分違う気がするけど、大きなニュアンスは変わらないのが怖いわね……」

「まぁ、国単位でそれをやってるみたいなもんですからね……」


 俺は四次元収納ポーチから二丁の長銃と、弾薬セットを20発程取り出す。

 鬼人族は、なにそれ? といった表情をしていたが、ウィンディードさんがやたら早口で慌てた感じで解説をしていた。

 銃を渡そうとするとウィンディードさんが、「え? いいの?」といった表情をしていた。


 鬼人族の三人も恐る恐る手を伸ばした後色々と銃を慎重に触っていた。

 興奮が落ち着いた後にジンパチさんが銃の実演……というより弾込めの実演をしてくれる。

 あらかじめ音が大きすぎるので、とても安全なところじゃないと危ない……妖魔が寄ってくるとの話をした。

 ウィンディードさんが紙とペンを取り出し、文字を書きだす。伝令用……って感じだな。

 種子島に鉄砲が伝わった時もこんなことをやってたのだろうか?


 場の雰囲気が落ち着いてくると、鬼人族三人の持ってきた荷物。明らかに米入りと思われる俵に注目してしまう。

 あれをくれるのかな……なんかほんと江戸時代みたいだな……


 鬼人族の三人も視線に気が付いたのか、布を敷いて品物を地面に置いてくれる。

 あれ? なんか追加の服とか……調味料とか持ってきてくれたのか? 

 なんか痒い所に手が届く様な品物だな……

 ウィンディードさんが風の魔法で知らせたとか、そんな感じかな?


 ・米俵一俵 おそらく60kg?

 ・女性の服 下着らしきものも X5 

 ・女性のサンダル X2

 ・男性の服 下着らしきもの X3  

 ・男性のサンダル X1

 ・壺に入った 味噌のような、良い香りがする。

 ・壺に入った 白菜っぽい漬物

 ・長めの壺(とっくり?)に入った 醤油的ななにか

 ・山刀 X3

 ・鉄の槍 X3

 ・清潔な感じのする布 布巾? タオル? X10

 ・薄い布……肌がけ? X6


 なんか今の俺たちからすると……いろいろと豪華だな……

 醤油の壺の栓を抜くと辺りに醤油の香りが漂い、その場にいた5人は心からの感動をしていた。

 様子をみていた鬼人族の三人もなんか手をたたいたりして嬉しそうだ。


 アヤノさんが味噌と醤油、漬物を確認していた。

「これは……江戸時代……なんでしょうか? 文明レベルが」

「そうみたいですね。硝子瓶とかもありましたし、銃のない江戸代後期なのかもしれませんね」

「納豆もありそうですね……」

「豆腐もある勢いですね」

「え~豆腐きらい。無くていいよー」


 リンカさんが年齢らしい発言をする。思わず笑いがその場にこぼれ落ちた。


 鬼人族の三人が手に取って調べていた銃を返そうとしてきたが、持って行ってもらう事にした。

 相手にも、ウィンディードさんにも驚かれたが、銃の研究をして相手から身を護る方法を考えた方が良いと、絵と図解と片言鬼人族語で頑張って伝えておいた。ちゃんと内容が伝わっているとありがたいんだけど……


 鬼人族の三人には深々と頭を下げ、お礼らしきことを言ったあと、急いで帰路についた。


 俺たちは貰った物資を持って崖の拠点へと戻る。早速もらった鬼人族の服を着て女性陣もジンパチさんもご機嫌な感じだった。下着が同じまま二週間だもんな……ゴワゴワしてきて気持ち悪かったもんなぁ……


 それからは支給された味噌と醤油で味付けの夜ご飯となった。

 アヤノさんの『家事』スキルのおかげか、ものすごくおいしい夕飯になっていた。

 二週間ぶりの日本の食卓の様だった。


 今日はあまりに色々な事が起きて体がかなり疲れていた。

 今後の事を話し合おうとしていたが、崖の拠点についた安心感からか皆早めに床についていく。

 俺もその夜はとてもぐっすりと寝られた……やっぱり食の満足は安心につながるようだ……


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