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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
2章 新たな仲間と拠点づくり

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第45話 島の外の世界の話を聞く

 

 俺たちは椅子に座り、テーブルごしに部隊を指揮していた分隊長と商人に向かい合っていた。

 四次元収納ポーチは既に二人に見られていたので出し惜しみは無く、砂浜でのティータイムとなっていた。

 ちょっと暑かったので『固定』で即席の天幕も貼っておく。丁度良い気温なんだけど直射日光はきついんだよね。こちらの世界でもその辺の感覚は同じみたいだ。

 二人は黙って俺たちの作業を見入っていたようだ。やっぱり不思議だよねぇ……


 アヤノさんが、こちらの世界の薬草から抽出したハーブティを四次元収納ポーチから取り出す。良い匂いがあたりに漂う。湯気が立っており出来立ての様だ。さすが空気のない世界。蒸発も無いのか?

【四次元収納ポーチに入れた瞬間に真空パックされるものだと思ってください】

 なるほど。空気も一緒に入れておかないと発酵は無理かぁ……ありがとう。アーゼさん

【……いえいえ……なるほど、その手が……】


 ハーブティを机に置いた後、リンカさんが……え? クッキー?? クッキーを置いた??

「あ、これ、この人たちが持ってたの。ちょっと甘すぎだけどね」

「そうねぇ、私たちの感覚だと砂糖をいれすぎなのよねぇ……久々の甘味だけど……」

「え、大丈夫なの食べて??」

「大丈夫ですよ」


 アヤノさんが大丈夫……っていうなら『家事』スキルで鑑定したんだな。毒とか状態も分かるらしいから安心だな。


 先ほどから表情がぎこちなくなっている分隊長が恐れの入り混じった表情で質問をしてくる。

「すまないが……君達の国の人間は誰でもこんな……女性までもが不思議な事ができるのかね?」


 誰でも? この世界に来ている人達ならという事で良いんだよな?

「……そうですね。誰でもできますね」

「そ、そうか……誰でも……か……全員が持って……おるとな……」


 一方、商人の方が目がらんらんとしていた。

「その「魔法の鞄」はいくらで売ってくれるでしょうか? 聞いていたよりも大分使い勝手も容量も大きい感じがするのですが」

「これは……売れないですね……なんと説明をすれば……」


 ナオエさんが俺の返答に補足してくれる。

「この魔法の鞄は私たちの魂と紐づいています。私たちが死ぬと効果が無くなりますので、売ったとしても使えませんよ」

「なるほど……魂の制約をかけた魔法なのですね……製作した人をぜひ紹介していただきたいが……無理でしょうなぁ……」

「無理ですねぇ……死ねば会えるかもしれませんが」

「……どんな人ですかそれ……」


 俺は製作した「カミ」を思い出す。紹介は無理だね。連絡も取れないし。そもそも住んでる次元が違うっぽいし。


 それからはお茶をしながら二人にこの世界の事を聞く。

 この世界は、この人たちが所属しているヴェネトア王国、帝国と言われるノールデン、小さな国が協力しあう通称共和国の3つ巴になって勢力争いをしているらしい。

 彼らが知らされていることはこの島に物資を運ぶことと、魔鉱石とやらを採掘して持って帰る事だけだった。

 今回島に降り立ったのは、指定された座標に来たはずが、先遣隊がいなかったからだった。

 島に上陸して眺めのいい場所から探そうとしていたらしい。

 探検の準備をして上陸した時に妖魔の部隊の襲撃にあって、俺たちに助けられたと。


 この島の事についても聞くが、百年以上前は仲良く暮らしていたみたいだが、魔鉱石についての争いになり、負けて追い出された……と言う事だった。

 百年前だと銃も無かったが、外の世界では色々な国に帆船と銃を持って交渉している……と言うより領地を広げている感じだな……まさに大航海時代、植民地支配開始といった世界情勢の真っ只中だったようだ。


 魔法王国や東之国に関しては遠すぎてこの島に来ることはおそらくない……とのことだった。

 なので、魔法の鞄を持った俺たちがここにいる事に驚いていたと。


「それで、あなた方が見た帆船はどの辺に……」

「ああ、ちょっと待っててくださいね、地図あります?」

「これですが……」

「……」


 びっくりするくらい精度の低い地図を商人が広げる。これでは到達できないと思うけど……座標って言っていたから羅針盤とかの技術は発展してる感じなのかな?

 仕方がないので彼らの物資のインク壺につけるペンを借りて、地図の裏にUIを表示させて重ねる。なぞるように簡単な海岸線を描いたあと、帆船を見かけた位置を記述する。アナログのペン画なんて美術の授業以来だな……


「……製図までできるのですね……すばらしい技術だ……」

「カタシ君って……なんでもできるのね……」

「あ、UIをなぞっただけだよ」

「……なるほど、その手があったか……」


 船の位置情報を与えると、分隊長と商人が呆れたような力の抜けた表情をしていた.。まぁ、岬を超えてすぐのところだから当たり前か。

「ありがとうございます。大分ずれていたようですね……すごい綺麗な地図ですな……」

「まさか岬の向こう側だったとは……もう少しましな情報をくれよ……」


 ナオエさんが俺の肩に手を乗せ耳打ちをしてくる。

「カタシ君、小さな船が出て来たけど、どうする?」

「ん?」


 ナオエさんの視線の先を見ると、停泊していた帆船から二人の人間が小舟に乗ってこちらに向かってくる。

「おーい! どうなった!? その人間はなにか!!」


 どうやらこちらの動向を探っているようだな……帆船の甲板では望遠鏡をのぞいている人間もいるな。


「彼らは敵じゃない! 助けられた! 船の場所が分かった!!」

「わかった! 一旦戻ってこい!! 船長がまってるぞ!」


「それでは私たちは……」

「あの……できるならその辺のものを返してもらえると……」


 あ、どうしよう。物資はある程度欲しいんだけど……

 迷っていると、ナオエさんがどすの聞いた声で彼らに答える。

「そうねぇ、船員さんの死体は返します。あとはお礼としてもらっておくわ」

「……あ、ありがとうございます……」

「銃は許可が……あ、いや、なんでもない……」


 リンカさんとナオエさんが小船に乗り、容赦なくめぼしいものを四次元収納ポーチに入れていく。

 残った者は遺体から銃やサーベル、荷物や弾倉などを全部はぎとって回収し、服だけになった遺体を彼らの小舟に載せていく。

 白人の様なアラブ人の様な……判別がつきにくい人種だな……確かに地球人のどこかの種族と言えばそう見える。


 アヤノさんがひょいひょいと死体を運んで優しく船に積んでいく。彼女も大分死体に慣れてきているみたいだな……一番常識的な女性なのに。

 俺も手伝っていたが、ふと思いつきで試しに遺体を持ち上げ、手の一部分を四次元収納ポーチに入れると吸い込まれるように入っていく。人間の死体も入るかやっぱり……

 その様子を見ていた商人が呆然としていた。俺も驚いているけどね……

「ありがとうございます……なにからなにまで……あ、申し遅れました。私、アルドンタムと申します。今後もお見知りおきを」

「……カタシです。また何があったらよろしくお願いします」

「……カタシさん……ですね。やはり聞きなれない名前のイントネーションですね」


 この商人さんは随分と理知的なんだよなぁ……名前で出身地を割り出す感じなんだろうなぁ……

「終わったよ」

「完了っと、カタシ君が入れたやつ載せておいてよ」

「あ、すまない……」


 四次元収納ポーチから遺体を船に乗せたあと、二人を船に押し込める様に乗せる。

 分隊長に限っては早くここから去りたいみたいだな。木のオールをもって何かに悩んでいるな……

「あ、すまないが押すのを協力してくれないか?」

「私たちも押さないと進みませんよ……」


「あ、乗って待っててください」

「へ?」

「わ、わかりました。待っていましょう、分隊長」

「え? なにを……するー------------------------っ」


 足元の岩に固定した木の棒を船と『固定』して一気に『伸ばす』予想通りに船は一気に移動をして……モーターボートみたいになってるな……壊れないかあれ?

 横をふと見るとナオエさんが悪い笑顔をしていた。


 小舟はそのまま進み、迎えに来ていた小舟と合流をしていた。

 これで一件落着か?

 結構色々と物資はもらえたな……


【奪ったというのが正解かと思いますが……】

 まぁ、お礼だよ。お礼。妖魔たちを倒さなかったらこの人たち死んでたし。

【……まぁ、どちらにしろ助かったので良かったですが】


 奪取した目録

 ---------------------

 フリントロック長銃 X10

 フリントロック短銃 X2

 弾薬セット X200

 鉄製のスコップ X6

 鉄製のつるはし X2

 鉄の水筒X10

 ワインらしき樽20リットル X1

 保存食(乾パン) X40

 クッキーらしきもの X20

 飴らしきもの    X40

 サーベルと鞘   X10

 豪華なサーベルと鞘 x1

 良くわからない硬貨? X400枚

 周辺の地図 かなり不正確 X1

 質の悪い望遠鏡 X1

 コンパス    X1

 インクとペン  X1

 --------------------


 なんか1週間は持ちそうな探索グッズが手に入った感じだな。

 何でワインなんて持ってきたんだろ? サバイバルで酔っちゃ駄目だろ……

 彼らが帆船に戻っていくのを眺めていると、ナオエさんが真面目な口調で俺に話しかけてくる。

「ねぇ、カタシ君、あの船沈めなくて良かったの?」

「……へ?」


 ジンパチさんもきょとんとした表情でナオエさんを見ていた。

「なんでですか?」

「?」

「……」


 ナオエさんの問い、ここにいる皆の頭に?が浮いている……

 あれ? アヤノさんだけが真面目な顔をしてるな……彼女だけが理解してる感じか? 

 俺の視線を受けてアヤノさんが解説をしてくれる。

「大航海時代は現地民を殺して侵略するのが当たり前なので……あの方たちが仲間と合流すると物資が増えて侵略の手助けをすることになるかもしれません。鬼人族を侵略するのかもしれませんし……」


「……やばかったかな?」


「物資はありがたいけど……」

「鬼人族が銃の事を知らないのならば教える必要がありそうですね、目の前で虐殺なんてみたくありませんから」

「そうだねぇ……」

「鬼人族の魔法なら何とかなりそうな気もするけど……」


 ジンパチさんがあごに手を当てながら悩み始める。

「うーん……鉄砲の速度は時速1000kmくらいだと思いましたので、魔法では太刀打ちできないかもしれませんね」

「あんなアンティークの武器なのに時速1000kmか……」

「音速くらいですか……」

「今の自動追尾が160kmくらいだから……六倍の速度か……」

「さすがにキャッチできなさそうだね……」


 ナオエさんが困った表情をしてジンパチさんを見る。

「ステータス上げても避けられないかな? 大分私たち強くなってるけど……」

「無理じゃないですかね、さすがに。精度が低いので銃口の先に弾がまっすぐ飛ぶとも限らないので……銃対策の盾や防具などを作っておきましょうか」


 俺はとても美しい海を見ながら、先ほどの人間を助ける選択があっていたかどうか不安になっていた。

 妖魔の敵だからって助ける……ってのはちょっと短絡的すぎたかもしれない。


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