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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
2章 新たな仲間と拠点づくり

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43/71

第43話 危険っぽいし探索でもしようか

 


 16日目


 ……鳥のさえずりの音で目覚める。

 今日は一番最初に起きた様だ……

 あ、違う、ウィンディードさんはもう起きてたみたいだな。にっこりと微笑まれてしまう。

 可愛いなぁ……もうすでに髪も服もセット済みだな。なんて几帳面な人なんだろう。


「オハヨウ」

「おはようー」


 ん? リンカさんが挨拶を教えてくれたのか? 綺麗な声なのに片言なのが面白いな……

 とりあえず情報の確認……ん? メッセージアイコン?


 ---------


 一千万円の賞金を目指すために頑張って「引きこもっている」プレイヤーへ


 頼むから同じ場所に引きこもらないでくれ!

 飢え死にするだけだから、そろそろ外に出て!

 湧き水とか川の水を飲んで! 

 黒結晶を壊せるのは相当先になりそうだから! 

 明日になればすぐ誰かが壊してくれるわけじゃないから!!

 頼むから小さい獣や魚を狩って食べて!! 

 ナビに聞いて食べられる野菜と山草とか木の実を食べて! 

 お願いだから!

 人間とは話せるようにしたんだからコミュニケーション取って!! 

 頼むから! 

 眩暈立ち眩みが起き始めたら塩不足だから海の方にも目を向けて!


 管理者より

 ---------


 ……なんだこりゃ?

 これって……かなり多くのプレイヤーがいまだに引きこもって、ただじっとしてる……ってことか?

 安全な場所見つけてあまり動かなければ……14日はもつ計算だけど……


 そうか、ゲームクリアがすぐにされるんだったら、支給された水と食料を食べながら、一つの場所で止まって動かない方が良かったのか?待ってれば自動的に一千万円か!?

 盲点だった……最初に食料と水の確保を勧められちゃったからすぐに乗っちゃったよ!

【みなさんがタカシくらい素直で行動力があると嬉しいんですが……】

 すみませんね……素直で……

【カタシは褒められることに少しネガティブですよね】

 ……そうなのか??

【そうですね】

 そうだったのか……褒められたら裏があると……社会で学んでしまった自分がいる……


 それにしても、このメールを見る限りは、ものすごい強いトッププレイヤーも、探索をメインにした隠密系のプレイヤーも黒結晶に近づいてすらいない感じだなぁ……

「黄金の鷲」の話から総合して考えても相当先になりそうな感じだよなぁ……

 後でこのことはみんなで相談だな。


 さて、気を取り直して……自動スキル上げの結果を見ないと……


 **********************

 SP:92%

 スキル:『固定』:LV 5.1  

 現在の使用可能容量:89780/169200㎤


 スキル:『自動追尾』:LV 3.9

 射程距離:128m

 追尾速度:最大時速158㎞

 最大重量:17.8kg

 最大個数:3


 スキル:『削る』:LV 2.1  

 使用可能容量:38.5/42.4㎤

 掘削速度:秒間2.1㎤

 **********************

 ……調整間違えたのか……SPが減ってしまった……やっぱり同時にあげようとするとSP不足になりそうだな……

『削る』を重点的に上げたかったけど……消費が思ったより激しいのか?


 ついでに昨日のログを漁ってみる。

 魔獣1人、プレイヤー5人、妖魔1人、現地人3人……

 このうちプレイヤー二人に関しては俺たちだな……プレイヤー同士の戦いが始まった感じか?


 ログの確認を終えるとみんなが目覚め始める。

 俺と同様にメールを見てびっくりしているみたいだな。

 朝食をしながらメールのことや、今日行うことなどを話した後、しばらくまどろむ。


 それから地上に降りて少し離れた誰も来なさそうな場所で昨日回収した大量の妖魔の埋葬作業を行う。

 ジンパチさんの『柔化』を使い妖魔サイズの地面を液状にしたのちに妖魔を沈めていく。

 少し匂いがきついな……腐り始めてるんだろうなぁ……


 ナオエさんが険しい顔をしながら俺に話しかけてくる。

「ねぇ、これ、ゾンビになったりしないよね?」

「……わかんない……アーゼさんが教えてくんないんだよね、幽霊系の何かのモンスターがいるのは確定っぽいけど」


 女性陣がピクリとこちらの会話に反応する。

 リンカさんがウィンディードさんに何やら質問をしている。

 そうか、彼女なら……この世界の事を知っているな……


 俺たちの真剣な感じの質問に慌てているようだったが、彼女と絵と片言の日本語によるコミュニケーションによると、どうやら「幽霊」はいるみたいだ。

 しかも直接的な被害があるらしい。幽霊の攻撃にあたると……白目をむいて気絶する? 

 頑張ってウィンディードさんが演技をしてくれてるが、恥ずかしくなってきたみたいだな……

 あ、だめか……これ以上は……割とプライドが高い人の様だ。


 どうやら……幽霊魔獣……的な立ち位置みたいだな。

 魔法とかエーテルを纏った武器で攻撃……とか言ってるのかな?

 ナオエさんが霊の図解を見ながら悩んでいた。

「……私たち、物理的な事しかできないから攻撃当たらないって事?」

「そういえば……エーテル的な物ってないね……『固定』で固めたもので殴れればいいんだけど……」

「霊って削れるのかしら……」


 リンカさんが全員を見回す。

「私の『プレッシャー』じゃあたらないかなぁ……いちおうエーテルなんでしょ? 私たちのスキルも?」

「それだと良いんだけど……まぁ、試してダメだったら逃げるしかないな」


 霊的なものはわかってきたので、ゾンビの事を聞いてみるが、ゾンビの方はわからないらしい……だが、骨が動く事は聞いたことがある……とは言っている感じだな。スケルトン……はいるのか。骨を砕いて墓に埋めたくなるね……


 死体をエーテルで動かせるとかあるのかぁ……あのカミの事だからあちらの世界のファンタジー定番の『死霊術』とかもつくってそうだよなぁ……


 §  §  §  §


 俺たち五人は海岸沿いを歩いていた。海岸と言っても岸壁……だらけでちょっと漁をするには向いていない場所だらけだった。

 昨日は拠点設立予定地でプレイヤーを倒したので、他のプレイヤーが集まってくるかも……との危険が予測されたので拠点設営作業は中止し、内陸部も危なさそうだったので海岸よりの探索に切り替えていた。

 折角なので巨大イカのいない、安全な砂浜、漁のしやすい場所がないか探すことになった。ここからだと……海岸沿いから西側方面だな。


 ウインディードさんもここまで離れた場所はあまり来る事がないので道案内は出来ないみたい。

 どうやら俺たちの拠点の岸壁より東側が鬼人族のテリトリーになってるみたいだなぁ……ってことはあっちは廃屋とか、廃墟を発見するのは難しいか。


 ジンパチさんが切り立った岸壁を見ていた。

「釣り道具があれば良いポイントなんですけどね」

「切り立った岩場だらけですね……」


 リンカさんが不思議そうに俺たちを見る。

「ねぇねぇ? 釣りじゃだめなの? 岩の上からでも出来るよね?」

「悪くはないけど、網を投げたほうが早いからねぇ。時間もかかるし……魔獣とか妖魔にも襲われるしで……もっと安全になってからかな?」

「そっかぁ……残念だなぁ……釣りってやってみたいんだよね。したことないし」

「……なるほど……」

「私たちの街は内陸部ですからねぇ……」

 考えてみると俺も釣り堀以外でやったことないんだよなぁ……


 ナオエさんが周囲を見渡しながら気持ちよさそうに海風に身を任せていた。

「やっぱり巨大イカ追っ払いたいね」

「入江に岩の壁作るか……」

「拠点作り終わったら考えましょうか?」


 俺たちは気軽に来るには遠い場所まで来ていた。日もかなり登ってきたので帰りの道程を考え、そろそろ帰ろうかとすると、目前にかなりの広さの大規模な砂浜が見える。

 ……南国の旅行パンフレットにありそうな素晴らしい砂浜と綺麗な海だった。

 巨大イカのところより広いし、観光地にできそうだな。


 女性陣が開けた光景に本気で喜んでいた。

「やった!」

「砂浜!」

「海綺麗! ここは南国??」


 一瞬綺麗な海岸に目を奪われるが、そのすぐ奥では中世の海賊のような恰好をした集団がなにやらやっているようだった。船でこの砂浜にたどり着いた……っぽいな?

 沖の方を見ると帆船が揺れて動いている。錨でも降ろして停泊している状態か?


「……」

「なんですかね? あれ?」

「まるでパイレーツオブカリビアンみたいな……」


 ズドーン! ズドーン! ズドーン!


 なんだあれは? 

 銃のような形状をしてるけど本物の銃か?……花火の様な音? 銃にしては音が抜けてる気がするし……

 煙が出すぎなような……

 盾の様なものを設置して何かを撃ってる?? 相手は妖魔か? 

 ……妖魔との抗争中にたどり着いた感じか?


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