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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
2章 新たな仲間と拠点づくり

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第39話 ライバル関係の攻略組?

 15日目


 俺たちは朝ごはんを済ませると、拠点設営のために整地作業を続ける。

 昨晩、スキルの連携などの話し合いが行われたおかげか、うまいこと連携が取れ、昼前には体育館サイズの整地作業が終わっていた。昨日の二倍以上の作業量になってるな。見た目は高校生でも、中身は大人なだけある。非常に効率的だ。

 あ、一人中学生か……


 防衛のために岩の壁の一部分は先に作っておいた。弓矢や遠隔攻撃で襲われたときに盾に出来るように。何事も安全優先だな。

 あとは周囲を岩の壁で覆って住居を作って……堀に槍衾作って……って感じだな。

 既に周りの地形よりも2~3メートルくらいの高めの高さになっているので、普通のサイズの魔獣なら登ってこれないかもな。このまま堀を掘ればさらに安心だ。

 地下の部屋や逃げ道も先に作ろうという話になっていたが……SPの状態が気になるな……


「カタシさん。SPが40%を切りました」

「おっけーです。休みましょう~予想以上に進みましたね」

「ほんとですね……皆さんの協力のおかげですね……重機無しでこんなにできるのもすごいですが……」

「『柔化』は当たりスキルでしたね」

「ほんとに……ただ、戦闘にはあまり向いてませんね」

「……スキルレベル上げれば相手を地面に丸ごと沈められそうですが……」

「確かに……まぁ、このペースだと、あと数か月は必要かもしれませんが……」


 予測通りジンパチさんのSP消費が激しい。ちょっと困ったな。

 色々なところに『柔化』をかけて整地したりまっすぐにしたり……隙間を埋めたり……奮闘してくれてるからなんだけど……他に良い案が今のところないんだよね。新しいスキル持ちを探したりした方がいいのか?


 ナオエさんが川の水で冷やした「ややきれいな水」を持ってきてくれる。

「やっぱり岩を切断できるようなスキルがほしいね……」

「そんなスキルがあったら戦闘に明け暮れてそうだけど……」

「たしかに」


 リンカさんが整地された岩に腰をかけながら美味しそうに冷えた水を飲む。

「午後は狩り? それとも漁に行く?? 魚食べたい!」

「良いですね……魚……海岸でしたら海草なんかも出汁にできますし……」

「海はいいですよね! 泳ぎたい……けど危険なんですよね?」

「日焼けどうしましょう……って、もう遅いか……日焼け止めの知識は『家事』に入ってないのかしら……」


 ……なんか海水浴に行くような話しぶりだな……

 あ、そうか、リンカさんとアヤノさんはまだ海行ってなかったんだっけ……

 海草……それも出汁にできるか……盲点だった。


「魚。この世界で食べた感動を忘れませんよ……」

「あの巨大イカを倒せれば……取り放題なんですけどね」

「違う浜辺を探したらいいんじゃないの?」

「そうだねぇ……んでもさ、崖ばっかりなんだよなぁ……ここの海岸って……」

「リアス海岸ってやつですね!!」


「巨大イカもどき」が頑張れば、この6人で知恵を出して協力すれば倒せはしそうだが……事故ったら海中に引き込まれて確実な死が待っている。

 地上にずっといてくれるんだったらなんとかなるんだけどなぁ……準備した地形に引き込んだあとに、岩とか、岩とか、岩で。アヤノさんが『重量操作』岩石爆撃で大活躍してくれるはずだ。


 ウィンディードさんはリラックスした感じで水を飲んでいたが、一瞬にしてきりっとした表情になる。


「ヒト。クル。イチ、ニイ、サン、ヨン!」


 その場にいる全員に緊張が走り、来客があった時の手はず通りに男性二人を残して女性陣が木や岩の陰に隠れる。

 俺もジンパチさんも盾を取り出して戦闘の準備を……って、あれ? 相手がいない?


「ナオエさん、どこ? 人?」

「え、ええっと……どこだろ?」


「カタシ、ナオエ、アッチ!」


 俺は目を凝らして木々の向こうを頑張ってみる……えっと……分からないんですが……

「カタシ君、捉えた。4人の……中型の妖魔かプレイヤーね。小さくはない感じ……鬼人族はこんな遠くまで感知できるんだ……」

「ありがとう。ウィンディードさん凄いな……魔法?」

「そうかもね。私は木の上でスタンバイしてるね」

「よろしく!」


 しばらくすると四人組の探索者のベストの上に鎧などを着たいびつなプレイヤーが……

 あれ? 二組に分かれてなんか距離をとって接近してくる? なんだこれは?

 何やら言い合いをしている感じだが……

 片方は薄汚れた感じだが、もう片方はやたら小ぎれいだな……洗濯をしてるかしていないかの差だろうか?


 拠点の手前二十メートルくらいの距離のところで彼らは同時に止まる。


「初めまして!! ここで何をやってるんですか!?」

「仲間は何人だ!?」


 二人同時に話し始め、お互いがにらみ合ってる……敵対勢力ってやつか?

 巻き込まれたくはないな……もう少し拠点が出来てから来てほしかった……

 まぁ、説明しないと戦闘になりそうだな……


「ここで、安全に暮らせるための拠点を作ってます!」


「そうですか。私たちは黒結晶を壊すために動いているギルド「黄金の鷲」です。一緒に戦ってこのゲームのクリアを目指しませんか!?」

「俺たちも仲間募集中だ! 人を集めて回ってる!」

「……」

「……」


 何か話すたびに敵対勢力同士でいがみ合うのはやめてくれ……話が進まない……今のところは早く帰って欲しいんだけどなぁ……


「……俺たちの希望は、戦わないでゲームの終了を待つことです。プレイヤー同士の戦いは好きではありません!」


「黄金の鷲」の女性プレイヤーがにっこりと微笑む。

「! 私たちもそうです!! 是非とも一緒に妖魔たちと戦いませんか?」


「ちっ! 穏健派め……」

「まてよ、リーダーから仲間集めないと負けるって言われてるだろ?」

「そうだった……ちょっと待っててくれ! 相談する!」


 探検家のベストの上に金属鎧で身を固めた男性二人がひそひそと相談をし始める。


 ~~~。


 ん? 何故か心地よい風が流れ始める……

 あれ? 声が普通に聞こえるな。大声で話しているようには見えないが……


「……あとで殺りにくるか? 二人だろ?」

「いや、あと1人……だな。気配みたいなのは感じる……全部で3人だな。隠れてる」

「……同数だったらこんなへき地の雑魚はステータスでごり押し出来るとは思うんだけどな……」

「食料奪うにも、多分ストレージの中だもんな……やっぱり後でやるか?」

「穏健派がいなくなってからだな……やるとしたらやつらがバラけてからだ」


 同時に探検家のベストを着た男女の方も相談を始める。

 こっちも聞こえる……おかしい。どう考えても耳打ちしているくらいの発声量なのに……


「どうする? 中央からかなり離れた場所に拠点築くくらいだから仲間にするのは難しいんじゃないのか?」

「そうね、だけどこの拠点の土台……作ったのよね? スキルを使っているとは思うけど相当なものね」

「見たところ食料は潤沢そうだ。疲労感も無い。戦えない人間を引き取ってもらうのも手かもな」

「そうね……食料の消費は大きいものね……リーダー陣に報告だね」


 ……ステータスが上がったせいか、耳がものすごくよくなってるのか?

 この距離のひそひそ話が分かるレベルって……攻略組穏健派、攻略組武闘派……って感じで分かれてるのか。

 思わずナオエさんの方をちらりと見る。頷いているからあっちも聞こえてるみたいだ。


 穏健派の女性がこちらに話しかけてくる。

「あの、すみません。戦闘をしたくないプレイヤーがウチのギルドにいるのですが、引き取ってはくれないでしょうか?」

「あ、その言い方じゃ……役に立つスキルはあるんです! 戦闘向きじゃないだけで。我々も食糧がそこまで潤沢ではないので……」


 俺は仲間内で話し合ってた事を思い出しながら答える。

「えっといきなりは無理ですので、面談した後に働きを見てからになります。性格に難がある方はお断りしています。あと女性に乱暴する人間も論外です」


 武闘派の二人がひそひそと話をしている。


「女いるみたいだな」

「……逃げ出したアイツらがいるんじゃないのか?」

「南の方に行った……って聞くからそうかもな……『委員長』の目が無いからチャンスかもな」

「……確かに」

「隠れて見張らないか? 食糧まだあるよな?」

「二日分はあるが……」

「なりあがるチャンスだぞ、今。俺とお前でスキル一つずつ……いいよな?」

「……やるか」


 ……碌なやつらじゃないな……アヤノさん達を襲おうとしてたやつらだろうなぁ……

 しばらくは要注意っぽい、武闘派の方の話は俺たちの取っては悪い方でまとまったようだな。


「俺たちはこの周辺を調べてから帰ることにする! 気が向いたら俺たちのチーム「鷹の団」に入ってくれ!」

「じゃぁな!」


 武闘派の二人は海方向へと歩いていく。

 チラチラとこちらを見てるから人数を確認している感じか……

 どんなチームかもアピールせずに離脱……交渉する気ゼロだな。


 穏健派の二人も相談をしている様だが……こちらも先ほどから丸聞こえだ。

 おかしいな……さすがに全部聞こえるのは……と、木の陰に隠れているウィンディードさんの方を見るとウィンクをしてくれる。

 可愛い……じゃなくて、あ、そうか、魔法か、風の魔法で声を拾ってくれるやつを使ってくれてたのか。


「あちらは退散か……揉め事が起きると思っていたけど」

「一旦出直そうか。正体不明の大きな音はどうやらここが原因みたいだしな」

「そうね。この地面を一発で平たくするためのスキル……その音だったのかしら? とんでもない威力ね……」

「確かに……」


 俺は穏健派と思われる方は話が通じると思ったので、情報を聞き取ることにする。


「すみません、できるなら中央で何が起きているか情報をいただけませんか?」

「え、あー、良いですよ。分かる範囲でならですけど」

「おい、しっかりと交渉しろよ、食料の調達問題もあるからこっち来たんだろ?」

「あ、そうでした……」


 お人好しの女性としっかり者の男性のコンビみたいだな。


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