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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
1章 デスゲームというかサバイバルに巻き込まれた!?

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第17話 第一「島民」と遭遇


俺たちは川の下流の方を目指して警戒しながら歩いていた。


道中では山菜や投げるのに適した石、『伸ばす』に適した手ごろな丸太や棒などを拾いながら移動をしていたのでかなりゆっくり目だった。四次元収納ポーチが便利すぎる……

【……常軌を逸した支給品ですね……】

……想定してなかったのか……

【ええ、ここまでの性能とは思っていませんでした】



俺たちのスキルを駆使すれば拠点にできるのは家だけじゃなくて洞窟や、妖魔や魔獣に襲われない岩の上でもいいんじゃないか? と言う話になり、なるべく水源の近い場所も探すようになっていた。


「ねぇ、あれ……」

「でかいな……クマか……」

「……地球のヒグマより大きい?」


木の上で休憩中をしていたので、発見が遅れたが、巨大なクマが匂いをたどりながら何かを探しているようだった。


「獲物を追ってるのか?」

「それとも良い匂いのする果実か?」


俺たちは襲われる気配は無かったので他人事のように観察をしていた。が、食べかけの肉や魚が匂うと思い慌てて収納ポーチにしまう。


あのクマがこっちにきたら……まぁ、クマは木には登れるから戦う事になってしまうだろうしな。


クマが登ってきてくれたらナオエさんの『伸びる』で逃げて『固定』と『伸びる』のコンボで木から振り落とせば……なんか、なんとでもなるな……俺たちの持っているスキル凄すぎだろ……


「ねぇ、あれって……あの人を追ってるのかな?」

「ん? おお……この世界の人っぽいな」


ナオエさんが指さした方向には、上半身の服の肩と腹部分が赤く染まった現地の狩人らしき人が木に隠れながら逃げている感じだった。足にも傷を負ってる感じだな……見ていて痛々しい……


「どうする? 助ける? あ! なんか頭から角生えてる」

「……いつだかの漁師の仲間だろうな……鬼人族のテリトリーに近いのかも」

「あれが鬼人族……人間に角が生えただけね、ほんとうに」

「言葉は通じないらしいけど……」


うーん、助けておけば……

言葉は通じなくてもこの辺に住むのを許してくれたりとか?

表情や目の色を見る限りは『妖魔』と言われる人間には見えない……ってか、疲れと恐れの表情からは人間にしか見えないな。


「……岩で試してたアレやってみる?」

「アレって、あの岩でやってた投石テスト? アレをあのクマでやるの?」

「魔獣を駆除できるんだったら、この辺に住むとしたら安全じゃない?」

「そうなんだけど……うーん、あの岩よりは軽いか……」


俺たちは対魔獣用に練っていた作戦を実行に移した。ほんとはあの巨大ワニ恐竜を退治する想定だったんだけど……


まぁ、いいか。


ナオエさんが「伸びる」を使って鬼人族が逃げている周辺の木の上に降り立つ。準備をするのを見届け彼女のが収納ポーチから取り出した丸太の片方の端に『固定』をかけ木の幹と接着する。これで準備OKだ。


俺はクマの動きを止めるために、ちょうどクマと鬼人族の中間地点へと槍を構えながら飛び出す。鬼人族もクマも俺の出現になんかびっくりしているな……なんで? 

一瞬呆然としていたクマだったが、俺と傷ついた鬼人族を見比べ、鬼人族の方へと向かっていく……やっぱり怪我人を先に狙うか……

ってか俺、敵扱いされてないかも? 

威厳なかった?

【生物は弱っている相手を狙うのが常道かと……】

なるほどね……


クマが鬼人族側を向いた瞬間、ナオエさんの『伸びる』で大木の幹に『固定』された丸太が巨大クマのボディに突き刺さる。

『如意棒アタック』ってやつだね。

すかさず巨大クマと、丸太の接地面に大き目の『固定』をかける。


「『固定』!!」


ん? やっぱりSP消費してる感があるな……


クマは一瞬唖然として細く伸びた丸太を見る。


表情は分からないが呆気にとられて俺の方を一瞬見る。

突然ナオエさんの『伸びる』が解除されて、木の上の方へとマンガの様に巨体がすっ飛んでいく。逆バンジーみたいだな……


木の上部が大きく揺れて、木全体が大きくしなると同時に最速になった瞬間に木の幹と丸太の『固定』を解除する。


「『固定・解除』っと」


『伸びる』で吹き飛んだ巨体がそのまま遠くの方へとカタパルトに乗った岩の様に飛んでいく……おお、なんかすごいゆっくりに見えるなぁ……


あーゆっくり落ちていく……


ドコォオン!!! ベキッ!!


凄い音と共に土煙が上がる。


……な、なんかすごいことになったな……ちょっとログを見て生死確認を……


【魔獣ブラッディフレストベアを討伐 HP+0.22 MP+0.31  STR +0.22 DEX +0.22 AGI +0.32 INT +0.43 MND +0.44  SP+0.62】


あ、あれ……なんかログを見るとすごい強い扱いだったのかな?

【素晴らしいですね……あなた達の強さでこんなに簡単に倒すとは……】

……強かったのか……


ナオエさんもいつの間にか俺の脇に移動してきていた。


「想像以上だったね……」

「岩よりは軽かったんだろう……多分」

「熊肉はおいしいのかな?」

「熊鍋っておいしいって聞いた記憶が……」


俺たちが鬼人族の方を見ると、なんかものすごく驚いているようだった。


そりゃ目の前に襲い掛かろうとしていた巨大クマがいきなり吹き飛んだらそうなるか?

よく見ると汚れや血で大変な事になっているが……凄い美人だ……


肩から……腹辺りまでなんかすごい傷を負ってるみたいだ……こちらの視線に気が付くと、こちらを憎むような目をしてみてくる。明らかに致命傷的なダメージを負っている様に見える……視線が揺らいでる。


それでも目が逃げようと……周囲を探っているな……


うーん。

支給品のあの薬を使えば少しは治るかな?


俺が迷っていると、ナオエさんが槍をポーチにしまいながら手をひらひらさせて鬼人族に近づいていく。


あ、そうか。

槍を構えたままだった。俺はやっと肩の力が抜けていくのを感じた。俺が槍を下ろすと、鬼人族の女性も若干力が抜けたような感じになる。


「不動君、熊の回収お願いできる? 私がこの人を治療するから……」

「わかった。あ、支給品、後で融通するよ。次は俺のを使うから」

「……あ、ああ、そうね、そうしてくれるとありがたいかな……」


俺は鬼人族の娘さんの衣服の破れも酷かったのでナオエさんに任せて巨大熊の回収をしにいく。血だらけとはいえセクシーだった……信じられないくらいの美人だよな……って、怪我人にそんなこと考えるのは不謹慎か。



巨大クマはさすがにポーチには直には入らないな……

マニュアル通りにロープを足に巻き付けて持ち上げようとするが……重すぎて吊れないな……仕方がないので槍で一番下に来ている所を突き刺して血抜きを行う……一応血は地面に流れるけど勢いが足りないな……


うーん、マニュアル見ながら地面に置いたまま地道に解体するか……


俺が悪戦苦闘をしていると、いつの間にかナオエさんと、先ほど重症を負っていたはずの鬼人族の女性が近くにいた。上半身には廃村で拾ったゴワゴワしたダサい服を着ている。


ってかあの薬、すごいんだな……完全に治癒している様に見える。

【……支給品はそこまで強かった記憶が無いのですが……】

? でも治ってるよね?


なんか、妖魔の原始人の格好とは違った……なんか江戸時代みたいな恰好だな……目が理知的で優しくて綺麗だ……全然妖魔と違う。

確かにアーゼさんのいう通りに目を見れば違うな。


「手伝うよ」

『#######?』((私も手伝おうか?))


多分鬼人族のお姉さんも同じことを言ってるんだろうな……ってか、すごいパワーだ。簡単に巨大グマを吊るせた……滑車付きとはいえこんなに簡単に……凄い器用にロープで縛ってるし……


俺がマニュアルを見ながらたどたどしく解体をしていると、鬼人族のお姉さんに肩をたたかれて交代になった。なんかうれしそうな顔をしていた。

彼女は腰に差してた山刀をつかって物凄い勢いで皮をはいで内蔵とってるし……すごいな……本職なんだろうか? 狩人か? この世界の標準的な人なのか??? 

【この世界で、街の外を歩くような住人はこれくらいできて当たり前ですね】

……なるほどなぁ……


「すごいのね……やり方覚えておかないと……」

「ほんとに……迷いなく皮と肉の間を……そうかああやって引きながらやれば早いのか」


『#######? #########……#########?』

((そんなに驚く事? こうやると楽なんだ……伝わってるのかな?))


「何言ってるかわからないけど……俺たちが感心してるのは伝わってるみたいね」

「うん、なんか少し照れてる?」


凄い勢いで皮と皮脂、肉と手足をバラバラに……

そして、鬼人族の体が異様な雰囲気になるとクマの肉がひんやりと……凍ってるのかこれ?? 魔法ってやつか???

俺たちが驚いていると、こちらの事を気にしていない様で、嬉しそうに内蔵の一部も色々言って渡してくるけど……用途がわからないんだよね……色々と解説してくれてありがたいんだけど……本気で言葉がわからない。ってか、なんだあれは、魔法か? 魔法だよな? 


「ねぇねぇ! 魔法的なものあるんじゃない?」

「あるみたいだな……やっぱり……ってか氷の魔法か……なんて便利な……」

『##? ########『スキル』########? #######?』 

((あれ? あなたたちが使った『スキル』の『神の恩恵』の方が凄いじゃない? 魔法が珍しいの?))


鬼人族の女性も、色々話してくれるが、たまに残念そうな表情になってるな……

言葉が伝わらないのがもどかしい。


俺たちは身振り手振りで肉を分けてもらい、皮や皮脂とかよくわからない内臓っぽいパーツや、捨てようと思っていた手足などを持って行ってもらう事にした。

四次元収納ポーチに何も考えずに肉を放り込んでいたら大層驚かれた。


まぁ、この世界にはないものなのかもな……


『##、###########? #############?』

((ねぇ、私たちの街に来ない? 多分一緒にやっていけると思うんだけど?))


何回かこっちに来ないか的なジェスチャーをしていたが、彼女は友好的でも、他の人まではわからなかったから、ナオエさんと相談して遠慮しておいた。


鬼人族の女性、『アスティナ』と言うらしい。彼女はそこら辺に落ちていたきなえだを持っていた紐で結わえ、背負子の様なものを急造でこさえ、巨大な葉っぱを使って皮脂をまとめあげ、自分の体よりも大きい皮を重ねて持っていく。

さすがに現地の人だ。物凄く要領がいい。葉っぱでくるむ……なんて考えつかなかった。


『##########。################!』

((今日は本当にありがとう。絶対にお礼をするからこの辺で待っててね!))


「お、おう、それじゃ、またね。元気で」

「じゃぁね。アスティナさん!」

『####、### ナオエ! カタシ!』

((それじゃ、またね ナオエ! カタシ!))


別れを告げた後も、振り返って手を振ってくれたり、何度も礼を言ってくれているようだった。

それにしても……あんなに大量の、自分よりも大きい荷物を苦も無く運んでいる所を見ていると……物凄い力持ちなんだね……鬼人族って……


「ねぇ、アーゼさんはあの人たちの言葉分かるんだよね?」

【いえ、わかりません。あなた達の会話にあったものを解析していけば……理解できるようになるとは思いますが】

「……アーゼさんも万能……ではないのかぁ」

【残念ながら、登録されていない言語は話せません……時代のせいですね】


「翻訳のスキル欲しいね……」

「意思疎通出来ればかなり展開ちがったかもね……」


「スキルオーブ落ちてないかねぇ……」

「……他力本願ね」


「え?」

「もう、覚えるしかないのよ。鬼人族の言語を頑張って勉強!」

「なるほど……」


俺は異世界の言語を頑張って覚えてあの「魔法」を教えてもらおうと強く思った。


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