表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
6章 王都と決心

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/124

第123話 鬼人族の王 (2)

(カタシ、説明は終わったわ。私も混ぜる?)

(アスティ……そんな場合じゃないでしょ!)


 気が付くと俺の両肩にアスティとウィンディの手が乗っていた。驚きで固まっている中、場違いすぎる陽気な感情に包まれる。『思念共有』中に俺に直接さわると自動的に意思が伝わるのか……すごいスキルだな。


(なるほど……これが『思念共有』か……古の秘術だな……)

(王、これは危険行為かと……)

(娘たちが「ここまで」大丈夫なのだ。危害を加える気は無いだろう)


 ん? あ、王様も触ってるのか……スゴイなこのネットワーク……ん? ツクヨミ君が大人しく手をつないで……と言うより腕をつかまれてるな。表情を見るとまだ警戒してる感じか。そりゃそうか……


(自己紹介が遅れたな。スサノオ・トキワタリだ。当代の王を務めている)

 ……なんだかわからないが、色々な戦闘のイメージが流れてくる。黒い魔獣を倒したり……大変な感じなんだな……王様と言うより将軍だな。なるほど、強さを証明すると王になるから……代替わりが多いのか。

(……凄いものだな。本当に伝わるとは……)


(ツクヨミがあまり上手に話さないから、『思念共有』してみようという話になったの)

 あ、でもツクヨミ君のスキルを使うと、俺のスキルも無効化されるんだけど?

(大丈夫よ。一応話はついているわ。父様が説得してくれたから。ツク、説明を)


(……未来が変わるから嫌なんだけど……)

(現時点でもう十分に変わってるでしょ?)

(そうだけど……ある程度なぞらないとうまくいかないよ……)


 そういえば、さっき時間を戻そうとして戻らなかったけど、ツクヨミ君が戻してるの?

(……)


 サチさんの思念が飛んでくる。いつもながら全てを見通すような目をしてる。

(なるほど……任意発動できないスキルってことね。そうだとすると違うものがトリガーの可能性がるのね)

(……それは、この子が死ぬ瞬間とかそういうこと?)

(そうなるわね。この子も自分の力を理解しきれていないようね)


 サチさんの視線がツクヨミ君に刺さる。彼は何で話して無いのに分かるの? って表情になってるな。

 あれ? 驚きの感情が彼から伝わってくる……当たりか。

 今度はこっちを見てくるし。周りもやっぱりかみたいな感じなってるし??

 逃げようとするツクヨミ君を王ががっちりと鷲掴みにして離さない。今はものすごく有難いな。だけど全力で逃げようとする人間を片手で制御って、どんだけのパワーだ。


(トキワタリの家系では、時間をある程度巻き戻す……やり直すことが出来る能力を発現させる人物が現れる。それがツクヨミだ……百年に一度と言われている)

 ……すると、歴代のトキワタリさんが時間を戻して歴史を何とかしてたってことか?

(そうだな。秘伝になっているが、バレてしまってはしょうがないな)

(父上……これで私は完全に狙われることになってしまうのですが……)


 ツクヨミ君が困惑しながら睨むと言う不思議な視線を王様に送る。王はまったく気にしてないな。豪快系の人か。神経質な子供と無神経系の親か……合わなさそうだな。毒親ってやつ?


(カタシ君、変な感想も伝わってくるわ!)

 あ……そうか。すいません。


 リンカさんの思念が手をひょいっと上げる。あれ? 思念でも動作がわかるんだけど?

(あのー、私みたいに時間を戻せるのが、自由にできないんですよね? ツクヨミ君を守り切れば時間が戻らないって事ですか?)


(……そうなの?)

(なるほど、確かにそうだな)


 一同の視線がツクヨミ君に集まる。

(……確かに……いつも死ぬ間際……あ、でも何度かは突然巻き戻ったかな……)

(その何度かはどういった場合だ?)

(……中央神殿で戦いが起きた時……ですね)


 ……中央神殿で戦いを起こさずにツクヨミ君を守れば時は戻らない……ってことか。

(安心しろ、中央神殿にはしっかりと封印を施してある)

(父上?! どうして?)

(俺も何度かは時間の巻き戻りを経験しているからな。この島に何が起きているかくらいは何となくわかっている)


 これで懸念事項だった、時が戻って「無かった事」にされるが無くなる感じか。

 ってことはツクヨミ君を守りつつ、黒結晶の破壊をすればゲームクリア……って感じなのかな?

 ……あれ? アーゼさん?? 戻っちゃったかな?

【ルールに抵触しますので、私は発言できません】

 残念だな。鬼人族とアーゼさんが話せば割といろいろ解決しそうなのに。


(……今のは一体??)


 あ、サポートナビのアーゼさん……とはいっても中身が魂みたいな感じの人? でいいのかな?

(……神様の力では??)

(やはり使徒様だったのではないでしょうか?)


(黒結晶とは? 存在を知らないのだが……)

(何でしょう、この禍々しいイメージの結晶は……)


 ……あれ? 王様とか神子でも知らない?? 俺たち、騙されてる感じか?

(困ったわね……)

(ああ、てっきり王都に来れば真相がわかって先が見えると思ってたぞ)

(……やはり中央神殿……とやらに行かないと駄目なのかもね)


 突然、頭の中に綺麗で巨大な結晶の周りに美しいエーテルが漂っている映像が流れてくる。

(小さい時に俺が見たモノになる。中央神殿の最奥の扉はめったに開けないからな……)

(僕の知っているものと……大分違いますね……)


 綺麗な映像にオーバーラップするように、巨大な結晶の光が半減どころか、夜の月くらいに光っている感じのイメージが流れてくる。これが現在の巨大結晶か?


(光が減ってる?)

(そうなるわね……)

(確認しに行かないと駄目な感じか)

(これの光が無くなると黒結晶になる?)

(黒瘴石を浄化すると綺麗な透明になるものね)


(……そんな馬鹿な……)

(同じものなのか??)

(聞いたことが無い!)


 ちょっと鬼人族の皆さんの表情を見るが、困惑するだけみたいだな。これは……ここが最終目的地? 『母なる大結晶』とやらの黒結晶を浄化すれば終わるパターンか??

 あ、あれ? なんでみんなこっち見るんだ?

 ちょっと、困った。アーゼさん? 黒結晶ってそうなの??

【……残念ながら答えることが出来ません……】

 それを探すのも「ゲーム」の範疇なのか……

【そうなります……まだ「権限」は使いたくありませんので】


 とりあえず……行ってみろって事だな。


(王、この者達を『中央大神殿』の扉を開かせてもよいのですか?)

(我々鬼人族……いや、王族以外は入れないのではないですか?)

(そうだな……王族の場合は「戦士の試練」が必要だな)


 正攻法だと、肝心のヨウカさんが入れなさそうだな……まぁ、チート使えば行けそうだな。

(そうね、カタシ君なら……)

(「座標転移」で一発か……)

(カタシさんが「戦士の試練」をクリア後、座標を確認。戻って来てヨウカさんを「座標転移」すれば……楽に行けそうね)

(お手数おかけします……やっぱり私も強くならないとですね)


(……あのズルい『神の恩恵』ね……)

(転移魔法……とは。高度な魔法陣と膨大なエーテルが必要なのでは??)

(神の能力ではないですか!!)


 鬼人族達が知っているこの世界の「転移」の技術が頭の中にイメージとして入ってくる。

 ちなみに俺たちのいた日本、世界には「転移」なんて存在しませんよ!


(なんと?)

(何だこの、面妖な箱は!)

(機械が空を飛ぶだと!??)


 ……あれ? 飛行機と電車のイメージが伝わったか……

 まぁ、移動手段は現実的なモノしかないからな。「どこでもドア」とかは開発されるんだろうか?


(???)

(何だこの絵は! 動いてる!!)


 ……すみません。脱線しました。

 ナオエさんの視線が痛い。


 さてっと、今の案件は……『中央大神殿』に行くのと「ツクヨミ君」を死なせない……の二本柱になるのか。どうしよう。ツクヨミ君をどこかに閉じ込めて管理する感じ?


(待ってください!! それは何回か試しましたが建物が崩れたり……爆発に巻き込まれたりでなぜか……)


 突然、石の頑丈な部屋が崩れたり、突然爆発に巻き込まれたり、水を飲んだら死んだり……って、ええ?? なんか死にゲーの様な……どこにでも死がある状態??


(……なぁ、それって、ツクヨミ君を狙う何かがあるって事じゃないのか? 大神官とかもあっち側だったら、時間を戻せる能力があることを知ってそうだもんな)

(そうね。それに管理者側に『魔法族』をひいきする何かがいたとすると、うまく行かなかったら「ツクヨミ君」を攻撃して時間を巻き戻すわね)


(……何と恐ろしい発想だ……)

(となると、この国にいた『魔法族』を捉えた事は、よい面もあるが悪い面もあると言う事だな?)

(何故です?)

(ああ、俺なら潜り込ませていたスパイ……『魔法族』を捉えられた時点で時間を巻き戻そうと考えるからな)


 ……難易度が爆上がりって感じだな……もう、王宮の一番堅牢な場所に籠ってもらうしかないか? 


(……「しんきぷれいやー」相手にそれは難しいと思うわ……)

(そうだな。魔術を超えた能力者達があと……数百人はいるのだろう? 守れる人間が残念ながら我々鬼人族にはいないかもしれん……)


(ねぇ、彼はカタシ君と一緒にいるのが一番安全なんじゃないの?)

(そうね……今のところ彼のスキルを破る人間はいないわね)


 あ、守るべきツクヨミ君に無効化されたからそうでもないかも……何か効かなかったんだよね。


(あ、たしかにそうだったわね……相手が同じ様なスキルを使ってきたら駄目なのね)

(さすがにスキルの内容は教えてくれないか……)


 うつむいて心を閉ざしていたようなツクヨミ君がさっきから俺たちの事をチラチラと視線を送っているな。

(僕の『神の恩恵』は歴代の神子に現れる『還元』というものです。魔術や魔法……あなた達の「スキル」とやらもエーテルに『還元』できるようです)


 ……なるほど。確かに思い返すと、『固定』もエーテルの粒子になって消えて行ってたな。

 自分に常に『還元』をかけてれば、物理攻撃だけ注意……ってことは、還元の外に固定の壁を作れば、俺と組めば防御だけは無敵になるのか。

(……チートだな)

(カタシさん。スキルパワーは無限じゃない事だけは注意よ?)

(『還元』されたエーテルを『吸収』出来れば無限になりそうだけど……テストした方が良いね)

(……そんなこともできるのね)


 それからも話し合いが続く。『思念共有』は本当に便利だ。

『中央大神殿』まわりには攻撃も予想されていたので、結構な人数の鬼人族が守りについているとの事だった。結構な「スキルパワー」を使ったので、そろそろ休もうか……といった感じの時に扉を開けて数人の鬼人族が慌ててなだれ込んでくる。


『王! 伝令! 『中央大神殿』前にて大量に『黒い巨人』が出現したと報告あり! 壁を攻撃し始めています!』

『……なんだとっ??』


「先輩! 『中央大神殿』が攻撃を受けているそうです!』


【展開が違いすぎますね……どうやら今までの情報がそのまま相手側に渡っている感じです】

 ……マジか。ちょっと待ってくれ……休ませてくれよ……王都観光が……


【そんな場合ではないかと……】

 アーゼさんも厳しいな……頑張るしかないか……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ